第3話 都会の日常2
しばらく泣いていると、涙も出尽くしたようで鼻水ばかりになってきた。どっと、疲れてしまった。
父親とは後どれ位会えるのだろう。
私は東京にいる、父親は青森だ。新幹線でならすぐにいける距離だが、仕事もあるしそんなに頻繁に会いに行くことは出来ない。
もっと、親孝行していれば良かったと今更後悔する。
結婚くらいしていれば、親孝行したと言えるのかもしれない。でも、28歳独身。彼氏無し。父ちゃん、ごめんね。
さあ、仕事に戻らないと。
化粧を直して、大きく深呼吸した。
「よしっ。」
フロアに戻ると、店長が
「もういいのか?泣き虫ちゃん」
とからかってきた。私は、苦笑いした。
「すいません。仕事に戻ります。もう大丈夫です。」
「有希ちゃん、ありがと。もう大丈夫だから仕事に戻るね。」
「うん。良かった。」
ちょっと心配そうに有希ちゃんが顔を覗いてくる。
にっと、私は笑い返した。
有希ちゃんも、笑い返してくれた。
濁り 小池とうや @kind
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