正義のミカタ。
徹底した取材。弱きを助ける記事を発信するサイト。いつからスタートしたのか定かではないが、既に人々の間では周知のサイトになっていた。
そのサイトを有名にした、最初の報道内容は、日本を代表する広告代理店における癒着。政治家と広告代理店が結託し、世論操作を行ない、そこには巨額の税金が投入されていたのだ。
それを皮切りに、大手自動車メーカーのリコール隠し、製薬メーカーの治験データの改竄、居酒屋チェーンの過労死など、一般の報道機関ではありえない数々のスクープを連発し続けたのだ。
一度、火がつくとニュースのネタはどんどんと集まり出した。サイトには、有象無象の情報が寄せられるようになる。それらを組織は徹底して調べ上げ、裏取りをしてから発信するのだ。いつしか、サイトは“正義のミカタ”と、人々から言われるようになっていた。
──「さて、今回のネタでも大きく株価は落ちたな」と組織の代表はつぶやき、利益確定のボタンを押す。「1億円程度のもうけだな」。
代表が仕掛けた空売りは、情報を出す前に“売り”を仕掛け、株価が落ちたところで“買い”戻せば、利益がでる仕組みだ。
そう。本格的で健全なニュースを生み出すには、ある程度のお金は不可欠なのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます