空虚な会話たち。

「若いのに本当に立派だわ」…って、なんで私がこんなお金もない若造におべっか使わなきゃいけないの。


 ここは一晩で1人の客につき、数十万円単位のお金が、当たり前のように飛び交う銀座のお店。佳代かよは20代からホステスを始め、もう10年以上のキャリアを誇っているのだ。今、相手にしているのは、金払いが良くないことからお店でも少し扱いに困っている常連客と、その客が連れてきた若手社員。


「こいつは見込みがある」「いや、そんなことないっすよ~」という会話に混ざって、時折相槌を打つ。これも仕事だ、仕方がない。


 ──にしても、なんで僕がこんなオバハンに話を合わせなければならないんだ?社会ってのはめんどくさいなぁ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る