ギャンブル狂騒曲。
「ここでタイラーユージーが追い込んでくる。ゴール前で差しきれるか?おおっと、一気に差し切りゴール。何と12番人気のタイラーユージーがG1を制しました」と実況アナウンサーの声が鳴り響く。しかし、その声は観客たちの歓声にかき消される。
12頭立てのレースで、12番人気が1着になったのだ。大番狂わせもいいところである。高配当は間違いないが、払戻金がいくらになるか見当もつかない。ギャンブル狂たちにとっては、なおさらである。中には「可哀想だ」という者もいる。レースに出られない場合は、殺処分され、肉として売られることも大いにあるからだ。その肉は高級で、ヘルシーだと好んで食べられる。
レース後しばらくして、電光掲示板に「10万8000円」の文字が光ると、タイラーユージーも笑顔を見せた。そうして、祭りは終わった。
──馬が進化したその星の住人にとって、二足歩行の動物を走らせる『競人』はひときわ人気のある、ギャンブルだった。
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