砂漠に水撒く所業。あるいは創作者の心の叫び。
「ハー・・・」と作者はかなり大きめのため息をつく。おおよそ、商業ベースに乗っかっていない創作に携わる者にとっては、ありがちな心境である。すなわち(なぜ、反応が無いのだ?)(本当に、誰か読んでくれているのか?)と自問自答するのだ。動画サイトなどを観ているうちに時間が過ぎ、原稿制作に向けた気力がわかず、ダラダラとしてしまう。
特にWebの時代になってからは「砂漠に水を撒いているような気持ちになる」という声が、かつては週刊誌や月刊誌などで活躍していた編集者たちからも聞かれるようになる。廃れていく紙媒体だが、製本の過程において編集長によるチェックであれ、校正であれ、何かしらの反応が確実にあるので「読まれている」という実感はあった。加えて、読者からの反応もアクティブにある。だが、Webは基本的にPVのみ。時折“いいね”が押されると狂喜乱舞…とまではいかないが、(読まれている)という実感を持つことができる。ちなみに、稀に「コメント」があれば、それはもうほとんどの作者の心は割と咲き乱れることになる。
──しかし、作者は喜ぶべきなのだ。「一番読んで欲しい。」と心の中で願ってやまない“あなた”に、届いてるのだから。
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