正しい戦争。

「この戦いは、聖戦である。この戦争に打ち勝つことこそが、正義なのだ」。

いつの時代も戦争が引き起こされるたびに使われる言葉である。人類史上全体で見ると、食傷気味のこの言葉も“時間”という絶対的に忘却を誘発する要素が加わることで、大衆たちは飛びつくようになる。


そして裏で「大統領。今回の戦争には、協力を惜しみませんよ」と軍需産業がすり寄ることもいつものこと。「協力」といっても、もちろん無料奉仕なわけはない。既存のビジネスモデルで採算が取れなくなった大企業群が、戦争にすがるのだ。そして毎度のことながら、戦争に向けた最初の引き金がひかれる。


──ただ、その時にはとある国の謀略により、大統領は暗殺され、争いは回避された。とある国は、信念をもって好戦的なトップを消し、失われずに済む数多くの人々を救ったのだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る