神と世界
この世界は光ノ神【天神】によって創られた。
世界の名は【テウルギア】。
そこは五つの神が集いし世界。
神は己が王となり、一つの国を治めた。
一つは火ノ国【レッドフォーリア】。
そこを治めるは、心を司る神──火ノ神〖
一つは氷ノ国【ヘイスティリウム】。
そこを治めるは、美を司る神──氷ノ神〖
一つは水ノ国【エインズワース】。
そこを治めるは、知を司る神──水ノ神〖
一つは風ノ国【ウッドヴァリアン】。
そこを治めるは、徳を司る神──風ノ神〖
一つは雷ノ国【バスカヴィリリュカ】。
そこを治めるは、身を司る神──雷ノ神〖
神々は自らが神であることを隠し、“人間として”王となった。
則ちそれは、“
そして自分自身が
彼らには、“神の名”の他に“人の名”、“
その名を使い神々は自国を治めている。
しかし民は、自らの王が神であることを知らない。
人々は、“神”と“王”のそれぞれを崇めた。
そんな中、民のみならず神さえも、その名を知らぬ神がいる。
それが、全ての創造主であり、全てを司るもの――光ノ神【天神】である。
同じ神でさえ、その姿を見たことがない。
【天神】は崇高なものとして民に崇められているが、その存在は伝説と化している。
そして、もう一つ。
もう一つ、似たような存在の神がいる。
その神は名だけでなく、その存在自体が知られていない。
全ての破壊者であり、全てを司るもの。
【天神】とは正反対の存在。
――闇ノ神【邪神】である。
これから紡がれる物語は
その邪神と契約を交わした【悪魔】と呼ばれる少年の、悲しき復讐の物語。
それは──
──“過去”であると共に、“未来”でもある──
「──ようこそ。狭間の世界へ」
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