神殺しの少年は世界の終焉を望む

桐生桜嘉

序章

無題

独りだった僕に、唯一手を差し伸べてくれた君は。


もう。


この世界にはいない。




何よりも、誰よりも、大切だった。




この世界よりも、自分の命よりも。




ずっと、ずっと




大切だった。







それなのに






君は







死んでしまった。







殺されたんだ。







この世界に。







これが、神の定めた彼女の運命さだめだというのなら。





これが、抗えぬ運命うんめいだというのなら。





その見えぬしがらみを、鎖を






僕が、絶とう。









僕は






この世界を許さない。








その運命を彼女に科した神を──






──絶対に許さない。









君を殺した神を────









  ────今度は僕が殺す番だ────















──『僕にとって、君は、世界の全てだった』──






──『僕は、君さえいれば、それでよかったんだ』──













「ただ──






──ただ、君と一緒にいたかっただけなんだ」











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