人はこの狭間を行ったり来たりしているように思えます。このところが定まらない人こそ、本当に孤独を感じるのかもしれません。そしてそれに抗う強さを持ち得ないのかもしれません。本作そんなテーマを据えている。
本作は高校生学園もののライトな形態をとりながらも、その真髄は孤独とは何かという普遍的なテーマだ。ボッチとは何か、という大きい問題をとことん突き詰めていく自己省察の書。
ボッチとは何か?周囲に『知り合い』がたくさんいても、心が寂しければそれはボッチである。仮に話し相手がいなくとも、精神的に強く繋がる人がいればボッチではない。いやでもやっぱボッチなのでは?ライトなラブコメに見えて、今一度ぼっちというものを考えさせられます。他者をよく観察するのは、それは己を観察するということ。これから登場人物達がどんな人間模様を描き、各々がどう認識していくのか。それを読者もじっくり観察していくべき作品だと思います。