第7話
石巻駅に近づいていくに従って、俺の仮説が正しさが見えてきた。被災していないと思われる町が、見えてきたのである。下車して、海の方へと歩く、商店街が有って、その向こうに山が見える。山の横に川を見つけた。その頃には結構疲れていたので、休憩。海が近い印象だったが、割と遠い。バスでも使うべきだった。そうだ、休憩したら山に登ればいい。海も見えるだろう。
そうして山に登るとやはり街が広がっていた。想像どうり、海沿いにまでびっちりと。前の世界で被災地と呼ばれるところで日常生活が営まれ、無事だったところが被災地となる。そんな異世界だった。
日が陰ってきているので、ホテルの予約を取ろうと、スマホでネットサーフィンをしていたら、激しい後悔が襲ってきた。勢いで飛び出してきたけれど、ストリートビューで見ればよかったじゃないか。予約が取れたホテルの部屋で、早速見てみる。寝転がったベットがフカフカで気持ちいい。この世界にきて初めて、熟睡できそうな感じだ。寝落ちの気配を感じたその時だった。
「ん?」
南三陸の防災庁舎だった。問題は、地面より低い位置にある上に、見慣れた姿だったということだ。つまり、津波に遭った後の姿だった。すっかり目が覚めてしまった。これは行かなければ。
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