第10話 会議

 シグマ大帝国の国内治安事情は他国と比べると少々複雑だと言われている。

 大小様々な治安機関が存在し、バレット大陸有数の国土を誇る大帝国内に散らばるそれぞれの街や施設を守っている。


 代表的な治安維持組織としては『治安警察軍』や『内務省警保軍』、『帝国軍憲兵隊』などが有名だ。他にも『国境警備軍』や『帝国軍義勇民兵隊』、『山岳警備軍』に『入国管理局警備隊』、『帝国情報省軍』、『検閲局保安隊』、果ては地方領主が国から許可を貰って設立した私設軍や私兵組織などなど……


 おおよそ役人や軍人、貴族達が働く場所において何かしらの軍・警察機関が設置されて国内の犯罪や反乱に目を光らせている。これだけ見ると『大帝国』の名の通り、検閲や予防検束など地球の旧共産圏で実施されてきた秘密警察等による強権的な治安維持体制が実施されていると思われがちだが、実態は地球のそれとは異なる。


 シグマ大帝国の主産業は農業・畜産業だ。

 広い国土を利用し、巨大な国営農場を中心に貴族や大地主、商人らが経営する大規模農場や牧場が国内各地に存在しており、当たり前だが一般国民が運営している小規模農場もある。


 しかし、これら農場や牧場を作って余りある広い無人の土地が大帝国国内に散在し、街と街の距離がかなり開いている地域も珍しくはなく、帝都との距離がありすぎて一見すると別の国のような状況になっている街もあり、国内外で消費される農産物や工業・魔法製品を輸送するにも帝都を含む人口密集地から離れすぎた街を守るにもそれ相応の規模を持つ治安組織が必要になってくる。


 当初、シグマ大帝国は帝国軍に一括して治安維持の任務を任せていたのだが、権限や権益が帝国軍に集中し過ぎてしまった。その結果、帝国軍内部の汚職が横行し大帝国の安全保障に支障をきたしかねないという意見が閣僚や地方領主などから噴出し、『帝国軍が保有する強大な武力を牽制するため』という観点からも分業制のような形で様々な軍・治安機関が設立されることになった。


 勿論、国民の雇用問題解消や任期が切れた役人・軍人の再就職先の確保と国土安全保障の両立という見地から見てもこれらの治安組織の存在が深く関わっている。地球でいえばロシアのような広大な国土を他国や盗賊、魔物などから守るためにも任期が切れて暇を持て余している元軍人や役人を遊ばせておく必要はない。


 広い国土の割には人口が飛び抜けて多いというわけではないので、この国では常に人手不足の状態が続いているのだが、これは治安組織についても同じことが言える。例えば、帝国軍で働いている軍人が転職や定年退職で帝国軍を離れたあと、軍での経験を買われて辺境警備軍に再就職するなどザラで、一般国民にも同じことが言える。


 この世界での定年退職期となる年齢はそれぞれの国によって違ってくるが、日本のそれとほぼ変わらない。

 大抵の場合は定年退職の年齢に達すると自然と雇用主や上司から肩を叩かれ、幾ばくかの退職金を貰い職場を去って他の仕事に再就職する場合が多い。


 他にも退職金を多く貰えた幸運な者はその退職金と知識と経験を持って新たな商売を始める者もいれば、定年退職した職人や技術者がその道のプロとして後進を育成する仕事に就く場合もあるが、いずれにしてもシグマ大帝国においては転職・再就職によって生涯現役で働く国民が非常に多く、国民一人当たりの生涯年収は隣国のウィルティア公国の約1.7倍ほど高いと言われている


 そしてここに、現役を退いてなお元気な男が難しい顔を浮かべていた。

 着ている制服の階級章は将軍を示し、略綬りゃくじゅい留められている。

 場所は、治安警察軍本部というシグマ大帝国帝都ベルサの治安を守る組織の本丸であるその本部庁舎の遺体安置室。


 遺体安置室で将軍の地位にあるその男は気の弱い子供が見れば泣き出しそうな強面の顔に気難し気な表情を浮かべており、彼の目の前には薄い鉄板を張った木製の台に衣服を脱がされた全裸の死体が横たわっていた。

 それも2人分である。


 一人は男性で、もう一人は女性である。

 女性の遺体は男の遺体と比べるとある一カ所を除けば綺麗な状態であった。

 既に死亡しているため肌は遺体特有の青白い肌色へと変わってはいるが損壊はしておらず、健康的に育った肢体は冬のため日焼けこそしていないが、肉体労働特有の筋肉が付いてしなやかな印象を与えている。


 青白くなってはいるが、そこそこ美人な彼女は職場ではそれなりにモテていたのではないかと思う。そんな彼女の下腹部、ちょうど肝臓が位置する部分には一つの刺し傷が存在していて、医学の知識が無い者でもその傷が彼女の致命傷になったことはすぐに分かるくらい大きな刺し傷だ。


 仰向けに寝かされているため分かりづらいが、検死官に聞いた話では肝臓を刺した剣は背中を貫通していたと聞いている。彼女が即死だったことは容易に想像出来、彼女にとって不幸中の幸いだったのは酒を大量に飲んでいたことだろう。


 即死だったとはいえ、この娘は苦悶くもんの表情一つ浮かべることなく亡くなっていた。殺されたことに変わりはないが、死際に地獄のような痛みを味合わずに済んだのだ。



「せめて……せめて次に生まれて来るときは、幸せな人生を送って天寿を全うしてもらいたいものだな」



 そう言って男は次に隣の死体に目を向ける。

 女性の遺体の見ていたときの慈愛のこもった表情から一変して非常に厳しい、ともすれば視線だけで人を殺しかねないような表情に変わる。



「ぐぐっ……」



 男の口から呻きが漏れる。その呻きには悔しさと苛立ちが混じっていた。

 男が見ているのは目の前で物言わぬ遺体となった娘を殺した憎き犯罪者の死体である。

 この帝都で夜な夜な老若男女8人を刺殺せしめ、平和だった帝都の夜を恐怖のどん底におとしいれた犯罪者の成れの果て……


 本来ならば自分と部下がこいつを逮捕し、法の下でこの世から抹殺させる筈だったのだが、その犯罪者がどういうわけかこうして被害者の隣で同じ死体となって検死台に横たわっているという皮肉。


 帝都の治安を預かる彼にとって救いだったのはこの死体が綺麗ではないことだろうか?

 一度深呼吸し、冷静になった所で改めてこの憎むべき犯罪者の死体を観察していく。死体の左腕は肘から先が千切れ飛び、頭部に至っては右側がぜている上に胸にも無数の穴が開いて膨れ上がり、一部は頭部と同じく爆ぜているように見える。



「一体、誰がこんなむごい殺し方を……」



 確かにこの犯罪者は憎い。

 もし許されるのならばこいつが生きているうちに自分が殺してやりたいくらいに憎かったが、その憎しみ以上に気になるのがこの死体の惨状である。

 誰がこんな状態にしたのかが全く分からないのだ。


 部下からの報告では目撃者やなんらかの遺留品さえも見つかっていないと言う。

 唯一、事件が発生したと思われる時間帯に叫び声と雷のような、耳をつんざく轟音ごうおんが家の外から聞こえてきたという話を聞くことができただけだった……


 そして一番の問題はこの状況を作り出した者が特定さえもされておらず、今も帝都の何処かに潜伏しているかもしれないということだ。


 彼にとってこの問題は由々しき事態であった。

 勿論、連続殺人犯を倒してくれたことには感謝しているが、むしろ褒賞金ほうしょうきんを出してもこの国の者は誰も文句を言わないだろう。


 何しろ帝都の民が安心して夜の街を歩けるようになったのだ。

 それほどの功績を挙げたにも関わらず、名乗りを上げてこないのは何故なのか?

 そして、どのようにすればここまで惨い死体を作り出すことが出来るというのだろう?



「ふう……考えても埒が開かないな」



 「やはり専門家に聞いたほうが良いだろう」と治安警察将軍『アルフレッド・グスタフ』は遺体安置室を後にした。






 ◇






 遺体安置室から廊下に出ると、彼の腹心とも言うべき男が他の部下と共に待っていた。

 治安警察軍中央統括長『ミゲル・エルマン』中佐。

 今年でよわい六十七になろうかというグスタフより二十歳以上も若い生え抜きの佐官の将校である。


 しかし、中央統括長という重責ある立場のためか、見た目より五歳くらい老けて見える。

 苦労性とも言うべきなのか気苦労の多い地位にいるため時折疲れた顔をすることもあるが、確実に仕事をこなす真面目なデキる男だ。

 そんな彼に対してグスタフは絶大な信頼を寄せている。



「何か進展はあったか? エルマン」


「はっ! 事件現場に残されいたと思しき遺留品を押収しました」


「ほう、遺留品が見つかったか! でかしたぞ、エルマン!

 して……回収ではなく、なぜ押収と言ったのだ?」


「はっ! 実は現場に兵が到着する直前に野次馬の一人が遺留品をくすねていたようでして……盗む場面を見ていた他の野次馬からの証言で遺留品を盗んだ者の身元を特定。

 窃盗及び捜査撹乱罪で逮捕し、遺留品を押収した次第であります!」


「そうか……遺留品を盗むということは金銭の類いだったのか?」


「いえ、それが自分にもよく分からない物でして……確かに一見すると煤けた金色の細い筒のような物なのですが、果たして一体何に使うのか分からない物品なのです」


「ふむ、金色か……ならば、宝飾品の類いかもしれんな。 遺留品はそれだけかね?」


「はい。 現在、遺留品は第ニ会議室に置いてあります」


「わかった。 では見せてもらうとしよう」



 そう言ってグスタフは部下達を引き連れて会議室に向かうため廊下を歩き出した。



「将軍、今回発生した『帝都連続通り魔殺人事件』は被疑者死亡で一応収束したと言っても良いかと思いますが、何故こうもお気になさっておいでなのですか?」


「うむ。 どうもわしの“勘”が『今回の事件を看過するな』と言って来ているのだ」


「勘……ですか?」


「そうだ。 憲兵時代から培ってきた長年の経験による“勘”だよ」


「確かに将軍の勘がよく当たるのはよく分かってはいますが……事件は収束したはずでは?」


「わしが言っている事件とは通り魔殺人の方ではなく、被疑者が何者かに殺された方の事を言っているのだよ」


「なるほど……しかし、被疑者死亡事件の何が気になるのですか?」


「あの死体の惨状だよ」


「惨状……ですか?」


「そうだ」



 あの特徴的な何かが突き刺さり、千切れたり中身がごっそり弾け飛んだような飛び出してしまったような傷口は長年シグマ大帝国の治安を守って来た彼の経験上、初めて見る殺しの手口だった。グスタフ自身、連続殺人犯を倒してくれたことには感謝しているのだが、このり方には一種の恐怖感と危機感がある。


 何か得体の知れない、ともすれば未だ発見や発表されていない古代または新規に開発された魔法技術や魔導具が使われた可能性があるのだ。


 矢のような武器ではあのような汚い傷は出来ない。

 第一、矢が使用されたのなら死体に矢が突き刺さっているし、貫通したとしても突き刺さった反対側の傷口があんなことになるはずがないのだ。


 仮に死体から矢を引き抜いたとすれば引き抜いた箇所の傷が盛り上がり、矢のやじりかえしに引っ掛かった筋肉や内臓が傷口から体表に引きずり出されてきているはずなのだが?

 しかも……



「殺された被疑者が着用していた金属鎧は?」


「はい。 確認したところ正規の鎧でした……

 破損が激しかったのですが、幸いにも貸与番号と紋章の刻印は確認することが出来ました」


「そうか……」

 


 そうとなれば、尚更なおさらまずい。

 金属鎧ごと中身の人間をボロボロに出来るほどの……殺傷能力をゆうする魔法または魔導具。

 もちろん、鎧を着込んだ人間を殺傷する魔法は現代にも存在する。


 炎やいかづち系などの魔法の他に岩などの重量物を操り、ぶつけて圧殺あっさつするなどこの場で考えても幾つか方法が浮かんでくる。しかし、先ほど自分が直接見た死体の状況は今まで見てきた魔法絡みの犯罪で殺されたどの死体とも違う。


 

「エルマン。 貴官は殺された被疑者の死体を見てどう思った?」


「どう思ったと申されますと?」


「果たしてどのような武器や魔法が使われたと思う?」


「そうですね……魔法を使い、石礫いしつぶてのような物を高速で当てたのではないでしょうか?」


「ふうむ。 なるほどな……」



 確かにエルマンの言う通り石礫を魔法で当てれば腕くらいならば引き千切れることも十分可能であろう。

 しかし……



「それならば石礫が当たった箇所の鎧が潰れず穴が開いているのは何故なのだ?

 しかも穴には煤のようなものが付着して黒くなっていた箇所が複数あった。

 わしも憲兵時代に魔法については職務上相当勉強したが、一度に複数の石礫を動き回る人間に命中させるのは可能なのだろうか?」


「すみません。

 自分も魔法については一般的な知識に毛が生えた程度しか知りませんので、そこまでは……」


「そうか……」



 そうこうしているうちに会議室が見えてきた。

 この帝都治安警察軍本部は敷地面積が広大なため、遺体安置室がある建物と本部棟は別に建てられているので、遺体安置室と会議室には距離がある。


 そのため歩きながらの話が長くなるのだが、それももう終わりだ。

 あとは例の金色の遺留品をみた上で部下と話し合って今後の捜査を決定すれば良いだろう。

 自分の後ろを歩いているエルマン以外にも優秀な部下や専門家はいるので、必ず何か良い糸口が見つかるはずだ。


 大体、廊下で話す程度の事件ならばすでに終結しているのだから。

 と、グスタフがそう思いながら会議室の前に来ると彼の前を歩いていた尉官の部下が会議室の扉を開け、会議室に入るとそこには先客が居た。もちろん大切な遺留品を置いている部屋なので見張りは当然置いているのだが、彼が見たのはこの治安警察軍には存在していない者だった。






 ◇






 先客はグスタフが入室してきたのを見て座っていた席を立ち彼の方に駆け寄って来たので部下が制しようとして前に出るが、グスタフはそれを止めさせて彼自身が一歩前に出る。

 先客が挨拶をするのを遮るようにしてグスタフが口を開いた。



「『帝国情報省』の人間は応接室で大人しく待つようなことはせずに、相手の許可無くこのような場所で待つようにと上司から教わっているのかね?」



 その言葉には若干のとげが含まれていた。

 彼自身の性格としては初対面の者には不快にさせたり怯えさせないように言動に注意して接するよう心掛けているのだが、先客の顔を見てつい嫌味が出てしまったことに若干の苛立ちがあった。

 しかし相手は嫌味を言われることに慣れているのか、眉一つ動こすことなく腰を折って挨拶をする。



「事前に連絡をせずに突然の訪問してしまったことはお詫び申し上げます。

 グスタフ将軍閣下、“上”からの指示で急遽そちらの捜査に加わるようにと言われまして参上した次第であります」


「“上”からとな……

 皇帝陛下は今回の事件を相当気憂慮されているのかね?」


「それは私の口からはなんとも言えません。 閣下のご想像にお任せします」


「そうか……」


「では改めて自己紹介をさせていただきたいと思います。

 帝国情報省から派遣されてきました、調査第四課のデイビット・テイザーと申します。

 よろしくお願いします」


「うむ」



 グスタフはテイザーを注意深く観察する。

 身長はエルマンとそう変わらないのだが、年齢は若干上だろうか?

 中肉中背、銀髪の髪に平凡な帝国人の顔をしているが目だけが違う。


 眠そうな目の奥に、あらゆるものを見逃さない隙のなさが見え隠れしている。

 恐らく、向こうもこちらを冷静に分析していることだろう。


 お互いに常日頃から疑う事が生業の組織に属しているので、こういう時は当たり障りのない会話から相手の性格や癖を分析していくのが常道だ。帝国情報省の人間、特に『調査』や『情報』などの名前が付く部署に所属している者はこの傾向が特に高いとグスタフは長年の経験から知っている。

 


「それにしても情報省の人間が来るとはな……

 わしはてっきり憲兵隊の者が来るものだと思っておったぞ?」


「確かに順当に考えるのならば憲兵隊から人が派遣されて来るものと思いますが、彼らは彼らで独自に捜査を行うようです。

 まあ当然と言えば当然ですか。

 何せ連続通り魔殺人事件の被疑者が現役の憲兵隊員……しかも、被疑者である憲兵隊員が何らかの魔法兵器で惨たらしく殺された挙句、殺した相手が特定出来ていないとあっては憲兵隊の沽券こけんに関わりますから」

 

「ん!? 待て、君は今未知の魔法兵器と言ったか!?」


「はい。 確かに魔法兵器と言いました」


「何故、被疑者殺害の凶器が魔法兵器だと解ったのだ?

 うちの方でも未だにどのような凶器か断定出来ておらんというのに……」


「そうです。

 今から現場に残されていた遺留品の分析と今後の捜査会議に入るところだったんです。

 情報省はどのようにして凶器が魔法兵器であると解明したのですか?」



 二人の会話を黙って聞いていたエルマンが思わず口を挟む。

 情報省がどのようにして『魔法兵器』と言う答えに辿たどり着いたのかが気になったようだ。


 ちなみに魔法兵器と言うのは文字通り魔法を用いた兵器の総称である。

 ただしこれには幾つかの区分けが存在しており、兵器の起動及び発動に魔法を用いる場合と魔法そのものを兵器の攻撃手段として用いる場合に分けられる。


 前者は投石機や攻城櫓など一人ではなく集団で運用が前提となる大型兵器になる。

 後者の方は比較的小型な一人でも運用可能となる炸裂魔法を使用した中・小型の爆発物や魔法の矢に魔法の剣などがそれに当たる。



「種明かしは出来ませんが我々の組織には延々と魔法痕跡及び残留物の研究・解析を行っている物好きがいるのです」


「なるほど」



 要するに情報省では治安警察軍をしのぐ魔導士、それこそ職人と言ってもよい高度な魔法解析の技術を持つ専門家を省内に置いているということなのだろう。



「では君に聞きたいのだが、君の所の専門家はどのような見解を示しているのかね?

 まさか現場に残されていた残留魔力だけで判断した訳ではなかろう?」


「そうですね。

 こちらの見解を述べるにはそちらが回収した遺留品とこちらが発見した遺留品がそれぞれ必要になるのですが、お貸ししていただいてもよろしいですか?」


「構わんよ。 それで被疑者殺害の者に辿り着けるのならな」



 グスタフが部下に指示を行い遺留品を持って来させる。

 部下が木の盆に載せて持ってきたのは、ここに来るまでの間にエルマンから聞いていた金色の細い筒だった。その数は合わせて11個。


 グスタフも初めて見る物体だが、話に聞いていたように確かに煤のようなものが付着して燻んでいるように見える。太さは大人の女性の人差し指くらいで長さもちょうどそれくらいなのだが、先端が若干細く絞られており、中は空洞で窓際に移動して窓から室内に差し込む太陽の光に当てて中を見てみる。


 内部は黒く煤けているが何かが入っていたような形跡があり、鼻を近づけると金属特有の匂いに混じって何かが焼け焦げたような匂いもしてくる。



(一体……これは何なのだ?)



 一見すると見慣れない燻んだ金色の筒だが、グスタフは得体の知れない何か恐ろしいもののような気がしてきてあまり良い気分ではない。


 しかも、よく見るとこの筒、全て寸分狂い無く同じく大きさで作られており、幾つかは若干凹んだり亀裂が入っていたりする物もあるが、全て同じ大きさだ。筒だというのに繋ぎ目もなく、断面の厚さもかなり薄いのに多少力を入れても折れない。


 これを作るのにはかなりの職人技が必要だろう。

 そして自分にはこの筒がどのようにして作られたのか皆目見当かいもくけんとうもつかない。

 


「エルマン。 貴官はこれを以前、どこかで見たことはあるか?」


「残念ながら、自分も将軍と同じく今日初めて見ました……」


「ふうむ……では、ここにいる者で誰かこれかこれに似たものを見たことある者はいるか?」



 グスタフの問い掛けに対してテイザーを除く全員が首を横に振る。



「そうか……テイザー君、きみはどうだね?」


「私も今日生まれて初めて見ました。 ちなみに我々が回収した同じ物は二個でした」



 と言って持っていた鞄の中から白い布に包まれたいる二個の金色の筒を見せる。

 先ほどグスタフ自身が手に取って見た物とまったく同一の物だった。



「どこから回収したのだ?

 現場に残されていた物は全て部下が押さえたと思っていたが?」


「我々には独自の伝手つてがありまして。 『軍は軍同士』ってやつです」


「なるほどな……」



 グスタフは今までの経験から帝国情報省が様々な機関や団体の人間に対して情報提供者を複数作っているのは知っていた。治安警察軍内部にも情報省の情報提供者が存在しているは確信していたが、まさか遺留品の横流しをしていたとは思わなかった。


 しかも、その提供を受ける側の元締めの者がこうもあからさまに受け取ったことを教えてくるとは全くの予想外だったが、遺留品の一部がどのようにして情報省の手に渡ったのかは察しがつく。


 『帝国情報省』は組織名の通りシグマ大帝国の情報機関である。

 地球で言えばアメリカ合衆国のCIA(中央情報局)や日本の内調(内閣調査室)に当たる機関だ。

 情報省の仕事はシグマ大帝国内外の軍事・政治・経済の情報収集を主とし、時には工作員を当該組織や団体に潜り込ませたり、内部に情報提供者を作るなどしてあらゆる情報を収集して調査・分析を行なっている皇室直属の独立機関である。


 収集した情報は皇室に上げられて皇帝や宰相の耳に入り、大帝国の統治や外交に用いられている。

 そしてこの情報収集活動の対象はシグマ大帝国の治安を守る治安警察軍や憲兵隊、内務省なども対象なのだが、


 帝国情報省は表向きはただの情報収集機関であり、治安・司法機関ではない。

 そのため捜査権及び強制法執行権は持っていないただの行政機関という位置付けだ。


 しかし、この国で帝国情報省がただの行政機関と信じている者は殆どいないだろう。

 なぜならば情報省には『情報省軍』という直轄の軍事組織が存在しているからだ。

 情報省軍は帝国情報省が独自に設立した軍で、大帝国内の防諜及び間諜スパイの摘発、工作員や調査員の護衛などを主任務としている。


 他にも場合によりけりだが、帝国軍では政治的に不可能な状況下での同盟国への直接的・間接的な軍事支援も密かに行っている。また、この情報省軍には前職が帝国軍や国境警備隊などで任務に就いていた元兵士や将校が多数勤務しており、元治安警察軍出身者も少なくない。


 グスタフ自身、憲兵時代の同僚や部下の数人が情報省軍に移って働いていると噂で聞いたことがあるので、恐らく情報省が今回の事件の遺留品をこちらから手に入れたのもそういった元治安警察軍出身者を使ってのことだろうとおおよその察しがつくが、問題は情報省が他にどのようなものを抑えているのかということだ。



「では、君達が入手した遺留品というのはこの筒だけなのかね?」


「そうですと言いたいところなのですが、実はこの他にももうひとつ凶器となった魔法兵器を突き止めるのに重要と思われる遺留品を入手しました」


「なんだと!?」



 予想外の答えにグスタフだけではなく周りにいた部下達も彼同様に驚いていた。

 テイザーが「これです」と差し出してきたのはいびつな形をした何かでその数は十二個ある。


 大きさは子供の親指くらいで、よく見るとそれぞれが歪な形に整っているのではなく変形してこのような形になってしまっているらしい。また、手に取って見ると材質が金属であることがわかった。


 しかし一つ疑問が残る。

 仮にこの“歪な形の何か”が事件現場に残されていた場合、情報省がどのようにしてこれを入手したのかということだ。


 現場に残されていた物体は布片一つ残さず部下たちが回収し、血液などは綺麗に洗い流されている。

 第一、現場は見通しの良い大通りのど真ん中である。白昼夢でも見ながら現場検証をしていない限り見逃しようがない。


 仮に現場検証後を終了した治安警察軍が引き上げた後で情報省が独自に現場検証した際にこの遺留品が出て来たのならば現場検証を担当した部下は一兵卒からやり直す必要があるだろう。現に担当責任者だった尉官は、青ざめた表情を浮かべており、そんなこちらの心情を察してかテイザーは入手経緯を説明し始めた。



「恐らく閣下はこの遺留品が現場のどこかからか出て来たのだとお思いでしょう?」


「違うのかね?」


「厳密に言うと少し違います。 この金属片は現場から離れた場所で発見されたものです」


「離れた場所? 確か現場周囲は隈なく捜索したはずだが……」



 そう言いながら部下の方を確認するとエルマンが間違いないとばかりに首を縦に振っている。



「確かに我々が現場に到着した時には遺留品は何もかもありませんでした。

 しかし、この時には魔力解析とは別に魔力探知専門の魔導師が同行してまして、この魔導師が金属片を発見したのです。

 しかも驚くべきことに、この金属片が発見されたのは現場から約600メートルほど離れたとある商人の自宅からでした」


「……なに?」


「正確にはその商人の自宅の外壁と室内から発見されました。

 更に詳しく言えば外壁の石壁に突き刺さっていたのです。

 その内の幾つかは分厚い石壁を貫通して室内に飛び込み、さらに室内にあった家具を粉砕し反対側の石壁に突き刺さっていたということです」


「なんと……」


「それは……」



 これにはグスタフだけではなく部下のエルマンや現場検証の責任者である大尉も驚いていた。

 そしてテイザーの話を聞いて一つの仮説が浮き上がる。

 凶器である魔法兵器が一種の投擲兵器である可能性が高いということだ。


 しかも、テイザーが言っている話をそのまま信じるのならば、現場からかなりの距離があるにも関わらず石壁を貫通しうるほどの威力を持っている点だ。確かにこれならば、連続通り魔殺人の被疑者である憲兵隊員の鎧を貫通し、中身の人体をボロボロにすることも可能だろう。


 しかし、ここで疑問が残る。

 テイザーが持っている金属片が被疑者殺害の凶器の一部であることは間違いない。

 恐らくあの金属片が鎧を貫通し人体を貫き、現場から離れた場所にある石壁に突き刺さったもしくはさらに石壁を貫通していった……それならば、この金色の筒は一体何なのだろうか?


 情報省がこちらから密かに手に入れたということは、これも魔法兵器を構成する“何か”であるとは思うのだが、用途が解らない上にくだんの魔法兵器の全貌が掴めていない。


 一つだけ分かっているのは魔法兵器の大きさはそこまで大きくないであろうということだ。

 何故なら事件発生時刻に現場付近を巡回していた治安警察軍の兵士が雷鳴の轟くような音を聞きつけて現場に急行し、被疑者である憲兵隊員の死体と被害者女性の遺体を発見しているのだが、現場には騒ぎを聞きつけてやって来た野次馬以外、怪しい人物は見ていないという報告が上がって来ている。


 この報告が正しいならば少なくとも魔法兵器は大型の物ではなく、一人または二人で運用出来る持ち運びが簡単なモノと言うことになる。因みに現場に居た野次馬も遺留品を盗んだ者は見たが、現場から逃走する者は見ていないという……少なくとも、魔法兵器を使った者は兵や野次馬に姿を見られることなく直ぐに現場から立ち去っていると思われる。





 しかし、鎧や石壁を簡単に貫通し破壊する魔法兵器が果たして誰にも見られることなく持ち運びが出来るくらいに小型なのだろうか?

 そしてその魔法兵器は普段から携帯しているのか?

 事件発生時に偶然所持していて襲われたから使用しただけなのか?

 また、何故そんな遅い深夜の時間帯に所有者は出歩いていたのか?





 考えれば考えるほど疑問は尽きない。

 グスタフが思考の海に潜っていると部下のエルマンが自身がその疑問に対して考えていたことを述べ始める。



「それにしても、何故憲兵隊員を殺した者は現場から立ち去ったのでしょう?」


「どういうことだ? エルマン」


「少し疑問に思ったのですが憲兵隊員を殺した者は現場の状況から鑑みるに正当防衛のはずです。

 これはあくまで仮定ですが、女性が殺される場面を目撃して本人も口封じのために殺されかけたのだと思います。

 そのために所持していた謎の魔法兵器で応戦し、憲兵隊員を殺してしまったのではないでしょうか?」


「なるほど……しかしそれならば何故、現場から立ち去ったのだ?

 すでに女性が殺されていて剣に血が付いているのならば誰がどう見ても憲兵隊員が殺したと分かるだろう?

 正当防衛で止むを得ず殺したとしても事情聴取が終われば解放される。

 それどころか、連続通り魔殺人事件の被疑者を倒したのだ。

 感謝状や褒賞金を貰えこそすれ、逮捕されることは無いと思うのだが……」


「それは……」



 上官からの疑問の声に対してエルマンは答えに窮する。

 確かに正当防衛の場合、グスタフの述べた通りになるだろう。

 この国の法律ではよほどの場合で無い限り、正当防衛での殺人は逮捕されない。


 強盗や強姦、殺人などの凶悪犯罪の場合、一般人が被疑者を逮捕した場合や司法機関の捜査や逮捕に協力した者には国から褒賞金が支払われる仕組みがあるのだが、これは国土の広いシグマ大帝国内で一刻も早く凶悪犯を逮捕し、治安を回復させるための措置だ。


 そのためギルドの冒険者などの中にはこれらの凶悪犯を捕まえる事だけに特化した冒険者、いわゆる『賞金稼ぎ』と呼ばれる者達が存在している。


 もちろん正当防衛や一般人の逮捕行為を証明するためにも厳格な現場検証は必要だ。

 そして報告を聞く限りではエルマンの仮説がほぼ正しいはずなのだが、グスタフにはどこか釈然としないところがあった。



「何かが……引っ掛かるなあ」


「あの閣下、ちょっとよろしいでしょうか?」


「何だね?」



 考えあぐねているグスタフに対してずっと様子を見守っていたテイザーが話し掛けてきた。



「こういう考えはいかがでしょうか?

 被疑者を殺した者が実はこの国の人間ではないというのは」


「……なに?」


「仮に殺した者が外国人である場合、この国の法律や褒賞金の制度を知らなくてもおかしくはありません。

 その場合、現場から立ち去ったのも納得できると思うのですが?」


「しかし、ほとんどの国では正当防衛での殺人は幾つかの例外を除いて無罪放免のはずだ。

 凶悪犯の逮捕に関しても褒賞金の額の違いこそあれ、どこの国も褒賞金制度を導入しているはずではないか?

 それを知らないというのかね?」



 そう。

 隣国のウィルティア公国はもとよりギルドの総本山であるバルト永世中立王国さえもこの褒賞金制度を導入しているのだ。


 しかも、殆どの国において褒賞金の額は平均的な収入の一般家庭であれば、罪状にもよるが大体半年から一年くらい暮らせるほどの金額を受け取ることができる。子供ならともかく、一般常識がある大人なら凶悪犯を捕まえるか倒すかすれば自分から名乗り出て褒賞金を貰おうとするだろうし、下手をすると成りすましや偽者が名乗り出てくる場合ものだ。

 そしてこれが普通なのである。



「閣下、この世界はとても広く大きいのです。

 我々の知る常識を知らない人間がいても何ら不思議ではありません。

 それに他大陸からこのバレット大陸に来た者かも知れません」


「他大陸から?」



 これにはさすがのグスタフも怪訝な顔にならざるを得ない。

 確かにここバレット大陸以外にも大陸があることは確認されている。

 例えばものすごく大きな海を隔てたところにある『ヘカート大陸』や小さな島を隔ててすぐ隣にある『キャリバー大陸』などがそれだ。


 近年、輸送・交通手段が発達したおかげで他大陸の人間が船や飛空船、巨鳥などで海を渡って来てこちらの大陸の国々と交易を行ったり旅をしていたりする。

 しかし……



「沿岸部の国ならともかく、こんな内陸にある国にわざわざ他大陸の住人が好き好んでやって来るとは到底思えないが?」


「しかし、他大陸の人間ならばこちらの国の常識を知らないことや謎の魔法兵器の存在もうなずけると思いませんか?」


「ううむ……」


「それにです、閣下。

 言い忘れましたが“コレ”は普通の魔法兵器ではありません」


「そんなことは君から聞いた話の内容で理解している」


「いいえ、違うのです。

 この魔法兵器に使われている魔力の『質』が違うと言っているです」


「どういうことかね?」


 「現在、情報省本省の研究室で急ぎ分析中なのですが、どうやら使われている魔力の種類が神話級の魔法らしいのです」


「…………は?」


「え……?」


「なのでまだ未確認なのですが、この金属片と筒、そして魔法兵器本体は神話級の魔法……神または神に類する者の力が使われている可能性が高いのです」



 これにはさすがにグスタフ以下、治安警察軍の将兵達は呆気にとられるしかなかった。

 今自分達の目の前にあるこの歪な金属片と燻んだ金色の筒に神か神に近い者の力が使われているというのだ。



「何故、遺留品にそんなとんでもない力が宿っていることに気付かなかったのだ?

 うちの解析班は一体何をしていたのだ……」



 グスタフが部下の能力の不甲斐無さに打ちひしがれているとテイザーが助け船を出してきた。



「閣下、それは閣下の部下の所為せいではありません。

 誰が仕込んだのかは分かりませんが、この力は非常に巧妙に隠蔽されていました。

 この技術だけでも驚きですが本省の熟練の魔導士でも最初は気付かなかったのです。

 たまたま勘の良い分析担当である若い魔導士が違和感に気付いて分析を進めるうちに発覚したのです」


「ちなみにテイザー君、そのとんでもない力はどのような能力を持っているのかね?」



 この時、グスタフの額にはじんわりとあぶら汗が滲み出ていた。

 「絶対に嫌な予感しかしない」という予感が……



「まだハッキリとは言えませんが、解析員が出してきた一応の報告では『あらゆる魔法防御を打ち破る能力がある』という内容が記載されていました」


「あらゆる魔法防御か?」


「はい。 あらゆる魔法防御です。

 我が省には他国を含め様々な魔法の記録がありますが、これらの魔法を凌駕する力が宿っていたようでして。

 使用者の能力・魔力に関わらず、『魔法または魔法で作られたあらゆる防御を貫ける可能性が高い』ということでした」



 さすがに自分で言話していて改めてその魔法兵器の恐ろしさに気付いたのだろう。今まで涼しい顔をして話していたテイザーの顔色が若干青褪めた状態で話していることにグスタフは気付いた。



「テイザー君、この報告は憲兵隊も知っているのかね?」


「いえ、彼らは知らないはずです。

 憲兵隊も一応現場検証はしているはずですが、遺留品を発見できていないようで現在は現場周辺での聞き込みを拡大し、被疑者を殺害した者を特定しようと躍起になっています」


「マズイなそれは……」



 これは非常にマズイ。

 魔法兵器が今どのような状態かは分からないが、もし問題なく使用できるのなら所有者は身を守るために躊躇ためらわずに使うだろう。


 しかも、所有者が外国人ならば尚更その可能性は高い。

 下手をすると確保に向かった憲兵隊の部隊が全滅なんてこともありうる。

 もしかすると所有者は魔法兵器の特性を理解していたからこそ、現場から立ち去ったのかもしれない。


 情報省の言う通りの力があるとすれば、まともな国家指導者や軍人はこの魔法兵器の存在を見逃すはずがない。恐らく、この魔法兵器の存在が明るみに出たら帝国軍は直ちに所有者もろとも確保しようと動き始めるだろうし、その情報を知った各国の機関も黙ってはいないだろう。


 いずれにしても、この国にとって碌なことにはならない。

 早急に所有者を特定してこの国から出て行ってもらわなければならないだろう。

 魔法兵器が一体どのような物かは知らないが、この筒を見る限り並大抵の加工技術で作れるとは思えないし、我々がそれを制御できるのかも分からない。


 ならば、国内で各機関の捕獲合戦が始まって大帝国の安全保障に支障をきたす前に出て行ってもらう必要がある。もちろん“保護”と言う可能性もあるが、『翼獅子の尻尾を踏まぬは幸い』という諺のように要らぬ危険は踏まないほうが良いが、あとは“上”がどのように考えるかだ。


 既に帝国情報省にこの件が知られている以上、治安警察軍だけで独自に行動することは出来ない。

 そのため今後のことを決めるためにもテイザーの上司と話をする必要がある。



「テイザー君、情報省では今後どのように……」


「将軍!!」



 突如としてエルマンが大きな声でグスタフを呼び掛ける。



「何だ!?」


「遺留品が……」


「遺留品がどうしたというのだ?」


「き、消えていきます!」


「なんだと!?」



 エルマンに言われて彼の指差す方向を見ると、遺留品である例の筒が消えようとしているところだった。輪郭がグニャリと歪み、少しづつ色が薄くなって霧のように消えていっている。



「クソ! エルマン、どうにかならんのか!?」


「む、無理です……」


「クッ……! テイザー君、きみのほうは……!?」



 テイザーの方を見ると彼が持って来た筒と金属片もグスタフが見たのと同じ現象で消えていく途中であった。



「まさか、まさかそんな……!」



 机の上に置いていたものと自分の手の中にあった遺留品が消えていくのを見てテイザーは言葉を失っており、茫然自失の状態となっていた。



「クソッ…………!!」



 あとに残されていたのは遺留品である筒が載っていた木の盆と金属片が包まれていた白い布だけであった。

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