第3話お泊り会
ピンポーン、ピンポンピンポーン。
なんだうるさいな。今日は土曜日。立派な休日ではないか。休む日とかいて休日なのに休まないとかやはり日本人は働くのが好きなのかな。
そんなことはどうでもいい。昨日は金曜日でしかもテスト。普段は疲れないはずのテストなのに初めてシャープペンシルを使うタイミングがテストだった故にものすごく疲れた。
つまり、私はゆっくり今日眠る権利があるのだ。
「しーずーくーちゃーん!起きて―!」
母上えええええええええ!!父上えええええええ!お母さんとお父さんのこと初めて上つけて心の中で叫んだけれども。
何故出てくれない。
――ん?今日ってあれじゃん。なんとかでなんとかするって……
――――――結婚記念日で記念だからって旅行するってそれだぁ!
温もりに愛しさを感じる間もなくベットから飛び起き、階段を下りて玄関を開けた。ありさ、こっちは眠いんだよ。と会った瞬間に言ってやるつもりでね。
「あり/雫ちゃん!おはよう!こーんないい天気なのに起きてないことはないだろうと思ってピンポンしたんだけどやっぱり雫ちゃんの睡眠は天気は関係ないんだねぇ」
遮られた…
「何年私と付き合いあると思ってるんだ…小学生の幼馴染4人組が2:2で結婚した上に目の前に家を建てて生まれた子も同級生。その同級生が私たちなんだぞ。生まれる前から大体予想がつくだろう」
「つかないよ…ついたらすごいよそれ…」
「とにかく!私はいまとても眠い。君がすることはわかっているね?」
「はーい!雫ちゃんと遊ぶ!」
「とことんバカだね君は。私は眠いんだ。なんならあれだ。どっちが早く眠りにつけるかごっこでもするか?」
「するする!しよう!」
ため息をして呆れた小言さえも言わせる時間をくれずに腕を組まれてずかずかと家の中へ踏み込んできた。なんだこやつは。我が家の主人かなんかか。
「じゃあ勝負だよ雫ちゃん!早く眠れたほうが遅かったほうに一つ、お願いを聞いてもらえるルールね!じゃあおやすみー!」
「……早くないか、ありさ。」
私は起きてすぐに玄関へ行ったからパジャマであるがありさは洋服である。
まあ家近くだし汚れとかないだろうけど唖然としてベットの横で立っている私を置いて先に寝るありさを感心する。…色んな意味で。
「はいはい、おやすみ。」
私のベットは少し広い。だから2人寝ることはできる。了承もなしに寝るのは何度もお互いの家に泊まったことがあるからだろう。
睡魔に勝てる人間はおそらくこの世に存在しないだろう。もともとチャイムで起こされた私は今にも眠りそうだったが、それよりも先に入り、入ったと同時に眠りについたありさはすこしオカシイ気がする。
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