第131話 アナ雪

 ジャイ子はアナ雪ブームから半年ほど遅れまして、この夏から「アナ雪」にどっぷりとハマっております。

 もう、百五十回以上はDVDを見たと思います。

 最初の二十回ぐらいはラストの曲がかかるたびに泣いておりました。(終わるのが許せない。そして再び、最初から観るという)


 お風呂上がりにはバスタオルを羽織り、エルサを気取ります。

 私たちに「ありのままで」を歌わせ、ヤマ場の「ちっとも寒くないわ」でバスタオルをパッと離し、幼児体型を見せつけるという。


 気が済むまで延々と続けるものですから、私たちも飽きて勘弁してくれ状態。

 秋が来て冬が近づくと、バスタオルは毛布に移行し、寒さのため時間は短縮しました。


 しかし最近、母がしま◯らで、エルサに似せたキラキラした雪の模様入りのベール付きワンピース(しかもティアラ付き)を買ってきたものですから。

 クールダウンしつつあったジャイ子は再び燃え上がりまして。

 保育所から帰るなりそれを着ては、「エルサと一緒やで」と、ベールをなびかせ走り回り乙女の世界に浸りきっております。


 かくいう私も、ジャイ子とともにハマりました。

 やはり映画の「レットイットゴー」の歌のシーンは鳥肌が立つほど感動しましたね。

 ジャイ子と一緒にYouTubeで替え歌バージョンを見たり、王子バージョンを見たり。(なかなかあっさりした美形王子で母性本能がくすぐられる感じでオススメですよ。ジャイ子も気に入った様子)


 でも、私が一番好きなのは舞踏会を抜け出したアナとハンス王子が歌う「扉開けて」のシーン。

 あの若さゆえの、アタマの中がお花畑でチョウチョが飛び回ってる感じはみなさんにも覚えがあると思いますが。

 一緒に見てた主人と語りました。


「あのアホな感じ、エエよなあ」

「勘違いだろ」

「勘違いでもあそこまで盛り上がれたら上等やん」

「……うん」


 ウチらもアホやったなあ、俺らも勘違いだよ、などと少し、昔を懐かしんでみたりしました。


 YouTubeでも恋人や夫婦が口パクであの歌を歌う動画がいっぱい投稿されてましたが。あれを歌いたくなる気持ちは、まあ分かります。(私は歌いませんけどね!)


 ところで、アナとラブラブで歌うサザンアイルズ王家の十三番目の王子、ハンス。

 私は、彼は魔がさしちゃっただけではないかと思うのです。気の毒な生まれもあり、たまたまそういう機会が巡ってきそうだったので、ちょっと欲を出し過ぎちゃったっていうか。

 アナと歌うあのシーンの彼の気持ちは本物で、偽りではなかったと思うのですよ。だってそうでなきゃあんなに素敵に盛り上がらな(←騙される女代表、青瓢箪)




「扉開けて」を歌わない、といいながら、最近、長男と初めてあの歌をお風呂でデュエットをし。

 それ以来、ハマって長男にデュエットをねだり続ける私なのでありました。






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