第34話 胸の話

 胸の話をしましょうか。


(よいしょ、と。椅子に座って、本腰を入れて)


 皆さん、胸にはサイズがあるというのはもうよくご存知だと思いますが。

 Aカップ、Bカップ……という大きさをあらわすブラジャーのカップサイズですね。


 一番小さいサイズは、Aカップだと思っている方が多いようですね。


 ……その下にも実は、サイズは存在するのですよ……フフ♪




 A'(えーダッシュ)というサイズがな!


 ちなみに、A''(えーツーダッシュ)もありますから!


 詳しく説明させていただくとですね。

 Aは、アンダーとトップの差が10cm。

 A'はその差が7.5cm。

 A''は、それ以下ということになります。




 はい。私には胸がありません。


 本当に昔から試行錯誤して、何とかならないものかと努力したのですが。

 こればっかりは、どうしようもありません。

(その話はまた、次の機会に)


 遺伝、の一言。

 生まれ持った遺伝子次第! 諦めるしかない!


 もう、若い時はとりあえず少しでも膨らまないかと。誰か千切って私にくれないかと。道端に落ちてないかと。

 挙句には豊胸手術もチラリと考えたほど、私の最大のコンプレックスであります。


 そのせいか、理由は違えど、私には豊胸アンテナという能力が、男性とおなじように備わっております。(往来の人混みの中でも男性は豊かな胸の女性をその中から瞬時に察知し、視線がいくというアレです)

 車を運転中にもかかわらず、多くの人が歩いている歩道から、珠玉のヒトを見つけ出し、


「見た? あの、プルンプルン!?」


 などと、隣の主人と確認し合うということがよくあります。


 職場の先輩、後輩、クラスの同級生の該当者にも、とりあえず胸に目が行きます。

 おはようございます、という前に先に胸を見ております。その方が話している時も、頷きながら常に目線は胸を向いております。

 私が男性だったら、間違いなくセクハラ扱いですね。

 こういうところが、未発達の身体に引け目を感じて女性の身体に憧れるウーにあらわれています。(また、宣伝ですよ)


 ところが、世の中には信じられませんが、Aカップ同盟、なるものがあるみたいですね。(A'同盟を作りやがれってんだ)

 小さい胸を好む希少な男性がおられるというのは、ありがたいことですが本当のところはどうなんですかね。

 私が男性だったら、Bカップ以下の女性はそういう対象として見れませんけどね。

(ひどい上から目線な男性になるところでしたな)


 えー、そういうわけでして、長男を妊娠した時、私はすごく楽しみでした。

 何カップまで、私の胸は大きくなるんだろうと。

 妊娠してAからCカップになったという話をよく聞きますからね。


 結果は……。フフ。


 変わらねえ!!!


 妊娠中は胸が張って痛いという妊婦さんが多いですが、私は出産するまでそんなことはなく。全く、張るなんてことはなく。

 ブラのサイズはそのまんま。

(それでも産後、母乳はよく出たというミステリー)

 授乳中は、多少張りますんでAカップにはなりましたね。

 ……で、授乳を終えたら元のサイズにおさまりましたとさ。

(そういうのはお尻とかウエストでよろしい)

 妊娠の奇跡を信じていた私が間違っておりました。


 まあ反対にCカップだった女性が授乳を終えてAカップに萎んじゃった、という話もよくありますけどね。フフ。お気の毒。



 ……本当に胸の大きな方の気持ちは、私にはいつまでたっても理解不能でして。


 よく、こんなヒトおられました。


『胸で私を好きになってくれるヒトしかいない』

『胸が目当てで私と付き合う』


 挙句の果てには

『○○ちゃん(私の名前)はいいなあ。相手の人は中身を見て好きになってくれた、てことだよね。憧れる』


 ハア?


 ですよね。


 んなもん、付き合うのに理由なんかどうでもいいんじゃ、コラァ!

 重要なのはとっかかり、見かけなんじゃああ!

 初対面でいきなり中身を見ようとするヒトなんていないと思うのです。(男の人も女のひとも)

 付き合って、それから中身を見てもらうのが普通の順番なんであって、最初のとっかかりさえなければ何事も発生しないのですってのに。

 胸が大きい女性はそうでない女性と比べて、必然的に男性とそうなるチャンスが多いわけですよ。それはもう、生まれ持った特技、才能、財産!

 告白されたその先をどうするかは、ただ単に女性側が選択すればいいだけの話でしょう? 違いますか。


 ふー。

 今回は、どうもガラが悪くなってしまいますね。申し訳ないです。


 いえ、漫画や小説にもね、胸が大きい主人公の恋愛モノが出てきたりしますよね。このカクヨムの中でも、いくつかはそんな作品があると思いますが。

 私は、そういう作品の前で平静でいられません。すみません。



 〜彼氏(または旦那様)は、私の胸が大好き、キャハ♪ 私のどこが好き、て聞いたら、胸、て即答。もう、失礼しちゃう、プンプン!〜


 みたいなね。

 いや、テーマは全然別のところに行きつくのは分かるんですけど。

 最終的に、彼氏(または旦那様)が、

「君の胸が好きだ。でも、それ以上に君が好きなんだ」

 で締めくくるのが王道ですからね。……




 ふ・ざ・け・ん・な・ケ・ン・カ・う・っ・て・ん・の・か・ワ・レ・い・て・ま・う・ぞ、コラ。



 ああ、すみません。

 どうも私的感情が入ってしまって、そのような作品は私には正当に評価できません。

 これを読んで下さった方の中で、豊かな胸をお持ちの方、または上にあげたような作品の作者様、どうかお気になさらず。


 ヒガミ以外のなにものでもないですから!



 三十過ぎても胸が欲しい。


 青瓢箪でございました。




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る