第13話 下船中
主人が下船すると、どうなるか。
私と子供は体調を崩します。
なんなんでしょうかね。
やっぱり私と子供のペースが乱され、生活リズムが狂うからでしょうかね。
私が先か子供が先か、で体調を崩し、(だいたいは風邪をひきます)そして最後に主人に風邪をうつして、主人は体調不良の状態で乗船する、というのがお決まりのパターンです。(笑)
ぶつぶつ文句を言いながら、毎回船に乗ってます。
ところで、この前の下船日ですが、私は少しドキドキしました。
えー、そのとき主人は交代の人が居ないということで、半年間船に乗っておりました。
私は職場が変わって、男性とほとんど関わりのない生活を送っておりました。
……だからですかね。
この間は主人に会うと緊張しました。
職場の先輩でもなんでも男性と関わっていないと、すぐ免疫がなくなるんですね!
ちなみに主人は下船のたび、私に会うと緊張するらしいです。
主人の場合、乗船中は全くの女っ気なしの生活なのでしょうがないかもしれませんね。そういえば着岸中にふらっとコンビニに買い物に行くときの道すがら、歩いている女の子(妙齢少し過ぎた女性も含みます)みんながみんな超ド級に可愛く見えると主人が申しておりました。
(海辺に住んでおられる女性は気をつけましょう!)
--下船日の夜ですが。
主人と肌を触れ合うと、子供と寝ている時に感じるそれとは違う、とんでもなく湧いてくる安心感にびっくりします。
今まで気がつかなかったけど、気を張って生活していたのかな、と考えたりします。
それでもって、少し、甘えてみたりなんかします。
……まあ、その初日だけですけどね!
それから主人と家事を分担するようになり、あー、ラクになったわ、と負担を軽く感じ始めたころ、今度は家事の仕方の違いに主人に文句を言われ、ウザいなあ、そんなんどうでもいいやんけ、とイライラがつのってくる……。
そんな時に、主人の乗船日が来ます。
ーー乗船日の夜は、ぽっかりと穴があいたようにさみしいです。
空の広い布団がわびしくて、子供を抱きしめて寝ます。
やっぱり、さみしいなあ、と思います。
……その一日だけですけどね!
そして、また負担の増えた家事にうんざりしながらも、その状況に慣れていきます。
慣れて何も感じなくなり、子供と自分だけの濃密な愛を育くむ生活にどっぷりと浸りきったころ。
主人の下船日がやって来ます。
船乗りのヨメ生活は、この繰り返しです。
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