第5話 回数

 主人とは学生時代に出会いました。

 それから十二年経って、現在に至ります。

 結婚したのは六年前です。


 よく、続いたねえ、とみなさんおっしゃいますが。


 陸と海とは違うのですよ。


 なんだかわからんうちに年数が経っていた、というだけです。


 以前にも記しましたが、私も船に勤務しておりました。

 フェリーです。

 フェリーは、その会社にもよりますが、だいたい20日間勤務に約10日間休み、というサイクルになっております。

 そして主人が乗っている貨物船ですが、貨物船は三か月間乗船、一か月休暇というのが普通です。

 が、それはその会社が組合に入っている場合の話です。

 主人は最初、組合に入ってない会社に勤務しておりました。

 そこでは、五か月間乗船、1か月休暇、というサイクルでした。


 乗船している間は、ずっと船で生活していますので下船するまでは体はずっと仕事モードに入っています。

 下船日が来てやっと、陸上でいうアフターファイブモードに切り替えることができるのです。

 つまり、陸で勤務されている皆さんが朝、仕事に行って仕事が終わって夜、帰宅して、という一日のサイクルと三か月間乗船してやっと下船して、というサイクルは同じなのです。


 こう考えてみてください。

 フェリーに乗っていた私は、12回仕事に行ったらもう一年が過ぎているのですよ。

 主人に至っては、3回仕事に行けば(組合に入ってない会社にいたときは2回)もう一年が終わっているのですよ!

 すごくないですか?

 下船のたびに、もう季節が変わっているのをさびしく感じ、時の経つ早さをかみしめたものでした。


 そういうわけでして、お互い船に乗っていたときには、お互いの休暇が合わないことが多々あり、一年間に会った回数は2回、ということもあったと思います。

 一年間に会った回数が二ケタにいったことなんて、学生時代の一年間と結婚してからしかないんじゃないでしょうか。

 ですので私の場合、いまだに主人とはお互いの誕生日、子供の誕生日、記念日?(というものがあるのでしょうか?)を共に過ごしたことがありません。


 こういうなかなか会えないということは恋愛の障害になるようでして。

 陸の人には理解していただけないようです。


 ※ --あ、海で働いている人間は陸上で働いている人のことを、『陸の人』もしくは『陸の人間』、と呼びます。使い方としましては、


「最近、やっと彼氏ができたんですよー」

「ええっホント?! なになに『陸の人』?」


 て、かんじです。--


 海の人間と陸の人間が付き合うと、たいていはすぐ破局します。

 続くカップルの可能性といたしましては、陸の人間の方がよほど割り切れる方であるのか、もしくは浮気しているか(笑)のどちらかです。

 海の人間同士だと、境遇が理解できるので長く続くようです。というより、いつのまにか時間が過ぎてしまっていると言ったほうが正しいでしょうか。


 そこでふと思いました。


 陸の人間同士の陸上のカップルというのは、仕事が忙しくなってデートの機会が減り、デートの頻度回数がどれくらいになると、女性はしびれを切らしてあのお決まりのセリフを吐かれるのでしょうか。

 ええ、あの、セリフですよ。


『わたしと仕事、どっちが大事?!』


 と、いう。(笑)

 男女問わず、教えてくださるとうれしいです。


 ……余談ですが、彼女にこのセリフを吐かれた男の先輩がいました。

 先輩はその言葉を受け、乗船日に乗船せず、彼女のもとに残りました。


 --海の世界では、乗船日に乗船しない、間に合わない(……たとえ、事故等の原因で遅れて仕方がなかったとしても)という人間は、即刻クビです。

 彼女への愛を示したくてクビになった先輩ですが、その後彼女に振られました。

 理由は、


『あたしがそういって本当に船にのらなかった〇〇君が嫌いになっちゃったから!』


 だ、そうです。

 ……なんじゃそら。(笑)ひどすぎますね。



 あとひとつ、ふと疑問に思ったことがあります。



 主人との回数は今までどれくらいなんだろうと、考えてみたことがあります。

 まあ、夜の回数(笑)です。

 思い出して考えてみたところ、100回は超えてないと思います。

 付き合いだして12年でこの回数ってどうなんでしょうね?

 少ないとは思いますが。(レス夫婦も真っ青?)

 よく、それで子供が二人もできたものです。


 えー、ですので100回という回数は陸の人間同士のカップルならどれくらいの期間で普通は到達できるものなのでしょうかね?


 個人差はあると思いますが、教えてくださるとありがたいです。(笑)














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