第4話 夫婦元気で留守がいい

本題に入ります。

タイトルの「亭主元気で留守が……」

という言葉は80年代、防虫剤のCMで流れていた言葉だそうで。


物事の本質をとらえた真理の言葉だと思います。


主人が居ないということは、とてもラクチンで解放的で自分のペースでイキイキと生活が出来るということなのですよ。


私が一番その幸せを噛み締めたのは、ママ友とお泊りパーティーをしたときですね。

主人がいちゃ、気を使いますから普通はなかなか難しいですよね。

主人とも共通の友人であれば可能かもしれませんが、それでも女性だけで話したい内容の話があるものです。


横浜のマンションに住んでましたときには、ご主人が夜勤のある仕事に就いておられるママ友を呼んで、お泊まり会をしました。

お互いの子供を寝かしつけたあとは、鍋をつつきながらビール片手に語り合う、語り合う。

ーー家事、育児、仕事、と私たち、頑張ってるよね! 家事、育児なんてやっても誰も褒めてくれないけど、私たちはエライ! スゴイ!


……と、お互いの健闘を讃えながら、時折愚痴ももらしつつ、過ごす時間のなんと素晴らしいこと!

何よりも命の洗濯ですよ。

明日からまた頑張ろう、という気にさせてくれます。


もちろん、主人がいてくれたらなあ、と思うときはありましたよ。

子供が小さいときですよね。


お風呂です。

まだ立てぬ幼子をお風呂に入れるのは、骨が折れます。自分ひとりしかいないとなると特に。

お風呂に入れた子を受け取ってくれる人が居ると居ないのとでは負担の度合いが全然違います。

定刻に帰宅するご主人さまがいる家庭では、ご主人さまがだいたい子供をお風呂に入れて、奥様が受け取るんですかね。

ありゃあ、ラクです。


一人だと、子供を専用のお風呂椅子に座らせて、あわてて自分の身体を洗い、子供を洗ってお風呂から出たら、(ゆっくりなんて浸かれません)自分は真っ裸のまま、とりあえず子供を拭き、ローションをぬり、綿棒で耳をかき、オムツと服を身につけさせ、ミルクを口に突っ込ませる。……

それから、やっと自分の服を着るわけです。冬場は、子供に風邪をひかせてはいけないと、焦り感は半端ありません。


そのときに思いました。

ああ、主人がいてくれたらなあ、と。


あとは……。


……無いかな。


あ、自分がトイレ行く間とか、洗濯物を干す間、危ないことをしないように子供を見張っていてほしい、ていうのもあります。


うん、はい。

主人がいてくれたらなあ、と思ったのはそのときだけでしょうか。


でも、それは別に主人じゃなくても出来ることでもありますねえ。




ーー世の、毎日帰宅するご主人をお持ちの奥様方は。


ご主人の弁当を毎朝、作ったりするんですよねえ。

(いなきゃ、自分と子供だけ考えてりゃいいのに)


ご主人の洗濯物もしなきゃいけないんですよねえ。

(子供と自分だけだったら、ちょちょいのちょいでラク)


下手すりゃ、シャツにアイロンかけたりとかしなきゃいけないんですよねえ。

(自分と子供だけなら、アイロン使うことなんて皆無なのに)


そして……毎日、帰ってくるんですよねえ。

(いやー、ない。それは、ないわー)


ーー世の、毎日帰宅するご主人をお持ちの奥様方。


すごいです。尊敬します。

誰も褒めてくれないかもしれませんが、毎日帰宅するご主人をお持ちがために背負わなければならない苦難の日々を送る皆様の健闘を讃えさせてください。

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