ティーチャーカリンの特別講座『ヲタクとマニア』

「あ、メイドさん。アイスティーのおかわりをお願いします!」


「かしこまりました。」


喉が乾いても戦は出来ぬ!


「アイスティーでございます。」


「ありがとーございます!」


ちゅるちゅる…。


「では、講座を始めたいと思う!」


よく分かってないフェルナンドくんがパチパチしてくれる。

メイドさんもパチパチしてる…。


「さて先程、フェルナンドくんの言った"マニアック"。

それは、"興味を示す対象にあまりならないものへの興味を持つこと"を差す。


そもそも、"マニア"とは何なのか。…お答えしよう!

"マニア"とは、端的に言えば"探求者"なのだ。

たった1つでもいいし、不特定多数でもいい。

"正確な情報知識"を脳内に所持している者が、"マニア"と呼ばれる。

その中に、妄想や憶測などを加えてはならない。

加えるのならば確実な、その見解に至った説明が必要になる。


対して"ヲタク"は、"基礎ベース知識"を元に、空想を巡らせるものだ。

確実でもいいが、こうだったらいいなという、妄想や憶測が自由に出来る。

あり得なくたっていい。

要は"自分の中で成立"していればいいのだから。


こう説明すると、"ヲタク"は何でも自由だと思われる。

確かに自由ではある。

しかし、"マニア"と違い、実に偏った存在であることは否めない。

"ヲタク"には色々な区分があり、"ヲタク"の間で不可侵的なものが存在している。

そう、"趣向"が違えば、対立もやむ無し。


分かりやすく"欲"表記するならば、"マニア"は"知識欲"、"ヲタク"は"妄想欲"、その塊なのである。


……因みにこれはボクの持論であり、全ての人に当てはまるわけではないことを、ここに明言しておこう。


今日日の若者は、"ただの好き"を"ヲタク"、"ヲタク"を"マニア"だと、勘違い甚だしい認識も見受けられている。


…以上、ティーチャーカリン講座でした!


次回『アニメとは何か』。予定は未定。」


…二人の乾いたパチパチが聞こえた。


「…すごいね。語っちゃったね。

よく、わからないけど、カリンが熱い人なのはわかったよ。

実際、"マニアック"と"マニア"って似て非なるものなんだね。」


「そう。似てるから。…語る場がほしかったんだよ、うん。」


ボクはちょっとスッキリした。

出すなら、全てを出したいじゃないか。

このままでは埋ってしまう。

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