第11話内省的世俗評価

 つまりこういうことだ。女という生き物は、くだらないケダモノで、受け皿のように男が群がるのを待っているのだと。それがまさしく自分の評価であるみたいに思っているが、それは単に男というケダモノの餌食になっているだけで、性を蹂躙され、汚されてゆくだけのことだと。ぼくは儚んだついでに、行動を開始すべきだと思ったが、白紙の前でにっちもさっちも行かなくなっていた。白の紙がぼくの額に貼り付いて離れないのだ。もうタバコはたっぷり2箱は吸った。彼女はただの学校の友だちだが、そうかといってこのぼくを信じてくれないというのはどういうわけだ。ぼくが何をしたというのだ。つまり何もしていないのだ。ここには拘束も何もない。行き止まりが続いている。彼女は女性なのだが、そうであったばかりに得食になっている。男ばかりじゃない。会社の因習に犯されている。

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