3月4日:朝は重い。昼は軽い。夜は無に。

大人になったら、ふつうにオトナになれると思っていた。


でも、結局僕は、僕のママで歳をとって現在に至る。


多くの人が、同じ悩みを抱えていればいいのに、と呪いを掛けて僕は生きている。

……いや、今月末には死ぬのだが。そういった意味で僕は仮死状態なのかもしれない。


苦しみは朝が一番辛く、昼が近づくにつれて和らぎ、段々その軽さが無重力を得て無に近づく。夜になると苦しみではなく空虚。虚ろな眼をして、死んだ魚の眼をして、ホームレースの眼をして、後戻りができない境遇に罪悪感をプラスして、生きている。


死ぬのが恐いという感覚はまるでない。

他人を殺す方がよっぽど恐い。だってそうだろ?

人生を仮パクするようなものなんだから。恐ろしいに決まっている。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る