3月2日:海馬はしゃべらない。
やぁ。
人の日記を二日目から読もうだなんて、中々の心意気だと僕は思うよ。
まぁ、いいや。
昨日までの荒筋……
僕は3月31日に死ぬことになった……。以上。
だから、この日記は遺書みたいなものなのだ。
だから、遺書日記。分かりやすいだろ?
だからといって、僕が自己満足的にこの日記を遺すのではないことだけは、
勘違いしないでほしい。広く言えば世界平和のために、書く。
1人でも多くの命を救うために、僕は死ぬ。
日記と言っても、僕が書くのは過去のコトが多い。
僕に纏わるエピソードがほとんどだ。
とはいえ
僕の人生に金髪巨乳美人は出てこないし、
発育途中の大人しい少女も出てこない。
リビドーを刺激するようなことができずに、大変申し訳ないと思う。
ただし、オマージュとして表現はしたいと思う。
例えば、「暗がりの中で恥ずかしそうに光る蜜を見つけると、僕は思わず生唾を飲む。もう後戻りはできない。我慢なんてできない。その光に満ちかれるように僕は乾燥した人差し指をそっと沈める。糸を引く蜜は濃厚に絡みついてきて、満足げに何度か出し入れした後、口いっぱいに広がった唾液のご褒美としてじっくり舐め味わうのだ。行儀が悪いのは承知だ。しかし、パンに塗るよりもこうやって夜中にこっそり食した方が蜂蜜はおいしい」みたいにね。
さて、今日は水曜日だ。
水曜日は息抜きの日あるいは、不動産関係者にとっては休みの日だ。
比較的平和な曜日なのだが、それゆえにスーパーが安くなりがちというのを昔、
母という存在から聞いたような気がする。
え? そんなことはどうでもいいって?
分かったよ、せかさないでくれ。君がどういう顔でこの文章を読んでいて、
この後どうするか知ったことじゃないけど、不機嫌になるのはやめてほしい。
知ってるかい? 不機嫌は移るんだ。人に伝染るんだ。
だから、笑うといい。笑うとどんなことでも些細なことになる。
無理矢理笑っても、楽しくなる。
もちろん、僕だって人を殺したいと思ったことは何度もあったさ。
でも、それは殺人衝動ではない。消えてなくなれ願望だ。
正確には「自分を拒否する人間の殲滅」かな。
つまり、自分を受け入れられないと拒否する人間を一人残さず自分の視界から消し去ることで自分が最高に気持ちが良い世界が残る。という考え方に基づいている。
いやはや、何とも情けない思い出だね。
どうも冴えない。二日目にして全然冴えないよ。
遺書とはこんなものなのかね。
そもそも遺書のフォーマットなんてどこにも書いていない。
人が死ぬ作法は誰も教えてくれないし、ましてや死を選んだ後に訪れるのが無という現実を熱心に講釈してくれる人もいない。
人は死ぬことに対してあまりにも無知識じゃないか。
だからこそ、人は簡単に、咄嗟に、思い悩んで死を選ぶ。
何を人を死に至らしめるかって?
そりゃあ決まっているだろう。
人を殺すのはいつだって人だよ。
代筆:Windows7
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