第3話 関係を続ける努力(友人)

友人について。


これは自分だけの話では無いかも知れないが、歳を重ねるにつれ、友人は減ってくる。


人にとって大事なものが、人生のステージに応じて変化するので仕方の無いことでもある。


結婚して、子供ができれば、家族が大切だし、友人に割ける時間は自然と減ることになる。



では、自分が家族を持ったとき、友人を大事にしていただろうか。


自分の場合、家族のみを優先し、ちょっとした付き合いの場にも出ていくことを億劫と感じていた時期がある。


「家族がいるから仕方が無い」

と自分を正当化していたのもある。



友人関係とはそういうものではない。


そう、自分は友人を大切にしていなかったのだ。


飲みとか誘われる、というのは、少なくとも相手は自分に会いたいと思ってくれていた訳であって、その感情に対して、家族を理由に断るという事は、異なる二つのものを比較している事に他ならない。


「仕事」と「彼女」のように、「友人」と「家族」は比べられるものでは無い。


学生時代に一晩友人と過ごせた時間が、家族を持つ事で2時間に減ってしまうかも知れない。


ただ、この2時間を割く努力が大事なのだ。



「会うために努力をしなければならないような相手は、そこまで大事な人ではない」

という考え方がある。


昔の自分はそうだった。



人間関係とは、鏡のようなもので、

「自分が大事に思えば、相手も大事に思ってくれる」

というのが基本だと考える。


友人を大事にしなかった自分は、友人にも大事にされなかった。

いや、友人は自分を大事にしてくれていたにも関わらず、自分がそれに応えていくことを怠った。

結果、大事にされなくなった、という事かと思う。



今更ながら、自ら率先して友人との関係を継続していく努力を始めるようになった。


お金で買えないものの一つが友人であることも忘れてはならない。

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