第432話
「召喚者である娘が目覚めて送り帰したそうよ」
「ベルティーナか……。古き神の召喚とは、あの女もまったくとんでもない事をしでかすものだ。まさかあれだけの力を有していたとはな。奴の不興を買うような真似は控えるべきだったか」
「そう心配する事もないんじゃないかしら。今度の戦いでの彼女達の働きは大きかったわ。壁の民達も恩赦する方向で動いてるようだから、そうなればあの娘としても私達に構う理由もないでしょ」
「さぁどうかな。ずいぶんと高慢な女だからな。勝手をした人間を許せない、その私情の一心で害意を持ち続けても驚かん」
「考えすぎよ。こんなところで騒動を起こせば、せっかくの恩赦も台無しよ。そんな馬鹿な真似、いくら彼女だってしやしないわよ」
ベルティーナにとって優先すべきはロブエル・ローガの身の安全だ。
いくらあれだけの力に目覚めたといっても、まだ十分にその力を扱えきれてるとは言い難く、騒動を起こして壁の民と再度揉めれば、己の身だけならともかく主の無事を保障出来ないだろう。
そのような状況で彼女が自分達をどうこうするとは精霊には思えない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます