第345話

 己の霊力を使い魔法陣に手を入れていくセセリナ。

 淡く青い光を放つ文字や線形がどんどんと刻まれていき、擦れ消えかけていた魔法陣が甦っていく。

 そうして作業を進める中で、彼女のもとに、レグスからの進捗状況を問う言葉が風によって運ばれてくる。

「まだ掛かりそうか?」

「ええ、予想通りと言うか、予想以上と言うか。かなり厄介な相手ね、これ」

「わかった。出来るだけ急げ。こっちの戦況も芳しくない」

「わかってるわ。絶対修復してみせるから、なんとかそれまで耐えてちょうだい」

 セセリナも必死に事に当たっているが、時間は限られている。

 刻々と悪化していく戦況。

 魔法陣の修復は終わったが、その頃には戦いの勝敗がついてしまっていましたでは話にならないのだ。

 素早く、そして完璧に作業を進めなければならない。

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