第343話
仲間達の言葉に背中を押され、覚悟を決めた青き精霊は急ぎ城の地下で眠る魔法陣へと向かった。
そしてその間にも、悪霊の群れは城の上空に到達する。
壁の民達は火矢や聖水を浸した矢で悪霊達を迎えうつが、圧倒的多勢を前に効果は薄い。
魔術師達の魔法ですらも焼け石に水の状態であった。
空を飛び楽々と城壁を越えて、次々と雪崩れ込んでくるアングスタの眷属に壁の民達は苦戦した。
肉体を持つ者が相手ならいざ知らず、霊体の敵となると、なおさらこれまでとは勝手が違うのだ。
近接戦においても、壁の民の体躯や膂力が優位に働かず、彼らは悪霊達にしがみつかれ、たちまち精気を奪われていく。
そうしてそのまま絶命する者もあれば、弱ったところをオークやリザードマン、ハーピーといった他の魔物達に襲われ、敗れ、命を落とす者もいた。
そう、敵は厄介な悪霊の群れだけではないのだ。
肉無き魔物の攻勢に乗じて、肉持つ魔物共も城壁を越えて乗り込んできていた。
この絶望的な戦況を覆す為には、他ならぬセセリナの成功が必要不可欠であった。
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