(タイトル後記)

今夜も呼吸を整えて

静かに横になるのは

鼓動を乱さないため


視界をそっと遮断し

規則的な心臓の拍に

耳澄ます貴重な時間


 脳が忘れてしまった

 生まれてから今まで

 見聞きしたすべてが

 血の中で巡っている


 そんな気がして仕方がない


自分の中にすら発見する

どうしようもない疼きは

一体何だというのだろう

私には説明できないのだ


だから


煩い程の血流の音に

詩の断片を探すのは

きっと間違ってない




何かが 微かに脳の網を震わせた

大静脈に落ちてしまわないうちに

ニューロンよ 必死に手を伸ばせ


そして


今夜も

 私の知らない風景を見せてくれ






『詩の書き方 もしくは 夢』

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