第7話ダイエット
ぼくの名前は星野天使(ほしのてんし)。
その名の通り本物の天使です。それ以外の何者でもありません。
天使の仕事は人を助けること。
困った人を助けるため、今日もぼくは空を飛んでいます。
よく晴れたある日の昼下がり、ぼくは土手に座って悲しそうなため息をついているおじさんに出会いました。
「あの、どうかしたんですか?」
「痩せたいのに痩せられないんだよ……」
悲しそうにいうおじさんの体型を見てみますと、雪だるまのようにまるまると太っています。
「どうして痩せたいんですか」
「モテたいからさ」
そう言ったおじさんの顔には、悲しみがこもっていました。
「それでは、ぼくが少しお手伝いをしてあげましょうか」
「そういえば、きみは……」
「ぼくは天使です。ぼくがついていれば、きっと痩せることができますよ」
それから一か月後、おじさんは見事にダイエットに成功してスリムになりました。
けれど、彼の顔には元気があまりないようです。
ダイエットに成功して嬉しいはずなのですが、これは一体どうしたというのでしょうか。
「お腹空いた……」
「一日一食だけ食べる生活を続けると確実に痩せられるのですが、痩せるを通り越してやつれてしまいましたね」
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