第6話 青年、己の現状について

「うっ……ここは……」


俺が、目を覚ましてた時そこにいたのは四人の人族だった。

いや、一人は人族ではないか……?まぁいい

俺は起きてから少し、現在の状況を考えていた。

(現状からして……この人族達は俺を助けてくれた人たちになるのか……ふむ……とりあえず。)


「あ、貴方達は?」

「私達ですか?私達は貴方が倒れているのを見てココに連れて来た人ですね。」

「そう……ですか。、ありがとうございます。」

「うん。それで何であんなところで倒れていたの?」

「それは……」


どうやら俺の考えたとおり、俺を助けてくれた人たちであった。

そして、その人族達は俺になぜ倒れていたかを聞いてきた。

俺は少しだけ、俺を襲ってきた人物の仲間ではないかと考えたが、それならば俺は今生きていないかと思い話すことにした。


「ここへ来る途中で何者かに襲われました。……その、襲われた人物については詳しく見てないので分かりません。」

「なるほど、ありがとう。」


俺が話し終えてから、一番背が低い女性が俺の言葉を聞き少し考えていた。

俺はついでにと思い、あることを頼んでみることにした。


「なんでしょう?」

「魔王城まで……連れて行っていただけないでしょうか?」

「それまたなんで?」

「……実は私、魔王様にお伝えしたいことがあります。」

「なるほどね」


俺に話しかけてくる女性はなるほどとは言いながら、俺を見て考え込んでいた。

それからも、俺はいろいろと語り、改めて聞いてみた。


「どうでしょうか?」


ふむ、と一番背が低い女性が言うと、残りの3人と話し合っていった。

少ししてから、唯一の男の人が少し大きめ手の声で


「じゃぁ決まりだな。」


と言っていた。


それから、俺は男の人と同じぐらいの身長をした女性が俺の肩を持ち、俺がいたおそらく宿屋らしき建物から出て行った。


□□□


宿屋らしき建物から出て、少したったころ俺は一人でも歩けるほど回復していたので、肩を借りていたラーサさんに--名前は歩いてる途中に教えてもらった。--断りをいれ一人で歩くようにしていた。


それから、少しして、俺は背が一番低い女性……カールさんに話しかけられながら歩いていた。


「それで、どういったのか分かる?私達でも一応、探してみるからさ」

「いえ、それには及びません……このことは魔王様にも申し上げる予定ですので。」

「そうですか……」


俺は当たり障りの無いように答えて言った。

そして、そんな会話をしながら、魔王城までやってきた。

カールさんが俺のことを兵士に話しをし、俺の前まで兵士がやってきた。

まぁ、当たり前か、身分も分からぬものを城に入れるはずがないからな。

兵士は俺に種族や、何のようで来たかを問うてきた。


「そうですね。俺は目族……三つ目族です。」

「目族……か、それでどのような用なのだ?」

「はい、長から魔王様へと伝言を持ってきました。」

「ふむ……分かった。ひとまず身体検査はさせてもらうがいいな」

「はい」


俺は、兵士に言われそのまま身体検査をされた。


「よし、問題はないな。だが、城内部で問題を起こすなよ?」

「はい」

「後、これは面会用の札だ見につけておけ。」

「はい」


それから、兵士はカールさん達のところまで行き俺が大丈夫だと告げていた。


そして、俺は魔王城へと入っていく。


□□□


魔王城をカールさん達と歩いていると、前方からメイドらしき人物が歩いてきていた。

その人物が俺達の前までくると、カールさんと話をしていた。

カールさんとそのメイドの話しを聞くにこのメイドはメイド長その人らしい。

そして、カールさんとメイド長の会話の結果、どうやら案内がこのメイド長になるようだった。

俺的には別に問題はなかったので、カールさん達を見送りメイド長の案内を受けるのであった。


カールさん達と離れてから少しして、メイド長は俺に話しかけてきた。


「それで……三つ目族次期長様がこちらに何用でしょうか?」


俺はその言葉に驚きを隠せなかった。

それもそうだ、俺は目族だと明かしたのはあの兵士だけであり、それに俺自体は表にそれほど出ていない、だから次期長だと分かる人物は少ないからだ。


「なぜ……そのことを?」

「フフ、私は知ってますよ?貴方同様表には余りでない顔がもう一つありますから。」

「そうですか……」


俺はそのメイド長が読めなかった。


「まぁ、でも安心してください、ちゃんと魔王様の元へは連れて行きますから。」

「はい……」


メイド長はそういい、前を向いた。それからはメイド長からは俺に話しかけては来なかった。


□□□


それから、少しして俺は考え込んでいた。

俺を襲ってきた謎の襲撃者についてを……

途中まではこのメイド長のことについても考えていたが考えるのが無駄だと思いやめた。


俺は、この城下街に来る前は身分を隠し乗合馬車を使用していた。

そもそも俺自身の身分は表に出すことができない。なぜなら、出すとしてもそれは長になった時だけだからだ。

だが、俺を襲ってきた襲撃者は俺のことを名指し襲ってきた。

つまり……俺を知っている人物ということになる。または、その人物に依頼されたものか……

俺が今までに表に出たことは数は少なく、知っているものは魔王様を除けば、俺の親、一つ目族の長とその家族、またこのメイドの様な裏の顔を持っているもの……ということになる。

けれど、この場合裏の顔を持っているものは除いたほうがいいだろう。

頼まれたら俺を消そうとするのは分かるが、自発的に消そうとすることはないと思うからだ。

だとすると……だが、いや……

俺は、この思考を一旦やめることにした。これ以上、思考しても思考の迷路に陥ると思い……

そして、親を疑うことをしたくなかったからでもある。


それから、俺は無心でメイド長の後を追った。

少ししてからメイド長は止まり……


「では、この先が魔王の間です。問題は起こさないでくださいね」


メイド長はそう言い、この場から離れていった。

俺は意を決して、魔王の間への扉を開きその中に入って行った。

そして、俺は魔王と対面する……

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