閑話3 賢者の生活
あの日からやることが無い日が続いていた。
といっても、私はこれと言ってやりたいと言うことは無かった。
だから、数日前に聞いたというかお願いされたことをしていた。
「はい、これで大丈夫ですよ。また、おんなじ場所に怪我したら料金上げますからね?」
「はい!」
そう、この冒険者ギルドの一室で行っている回復医の仕事だ。
この仕事、自身の幅で料金設定でき、私はそれなりに料金設定で仕事をしている。
ちなみに冒険者ギルドということで客は基本的に冒険者達だ、たまに街の人や貴族の人も来るがそれも一握り程度の人数だ。
気がついたらすでに人が少なくなってきていた。
「さて、今日の営業はここまでにするかな」
私は、自分が使用している個室の扉にかかっている「open」とかかれた板を裏返し「close」の状態にし、ギルド長の部屋まで向かった。
□□□
「これ、あの部屋の鍵です」
「うむ、確かに受け取った」
そういい、私はギルド長に部屋の鍵を渡した。
私が、その部屋を出ようとした時、ギルド長は私に話しかけてきた。
「あっと、忘れるところだった。ミーナ少し待ちなさい」
「なんでしょう?」
「いや、先ほどにな君に王城から使いがきていた。王城に来てくれとのことだ。」
「ふぅむ、なにかあるんでしょうかね」
「私にはさっぱり分からんが、とりあえず伝えたぞ」
「はい、では」
「うむ」
私は再度、肯きその部屋を出た。
□□□
「ふむ、王城からの使いですか……まぁ何でもいいかな。さて……王城に行く前にいつものところへ寄っていくかなぁ」
私は、冒険者ギルドから出てとある場所へ行くために歩いていた。
その場所とは、この王都で一番でかく国随一と言われている場所である。
そう……
「さて、着きましたるわこの場所!『本界堂』!新作とかはいってるかなぁ。フフフ」
いわゆる、書店である。
この書店はあらゆるジャンルの本を取り扱っている。
例えば、絵本にしてもそれは一般的な物語からマイルドにしていない原本の複製品までと……
さらにそれに加え、本来は出回るはずが無い魔道書もある。
何でこんなにあるのかはまったく分からないが、この国随一と名言しているのも肯けるほどである。
「あったぁ!フフフ」
私は、目的の場所に行きその場にあることを確認しそれを手にしていた。
その本こそ私が求めていたものであった。
その本の表紙には、二人の女性がキスしているものが描かれていた。
「うーん、他にもあるかなぁっと」
その後、私はその本があった周りを確認していろいろな本を物色していた。
そして、それなりに時間がたった時、私の手には複数の本が積まれていた。
その積まれている本の中には先ほどの本と同じで同性同士でしている物が多数あった。
「新刊いっぱいあったなぁ……あっとそろそろいい時間かなぁ」
私は窓の方を見て、手に持っている本をカウンターまで持っていき、お金を払いその書店から出ていった。
□□□
私は戦利品をホクホクとしながら
そして、私が王城の門前まで歩いていくと兵士の人が私の近くまで寄ってきていた。
「お待ちしておりました。どうぞこちらへ」
その兵士の人は私にそう言い、私を城の中へと案内した。
そして、控え室に通されると少しお待ちくださいと言われたので待っていた。
すると、後からラーサやアッシュがやって来た。
話をした感じ、どうやら私と同じく王様に呼ばれたようだったが、やはり何で呼ばれたかは分からなかった。
それから、三人が集まったところで私達は王様のところへと案内された。
王様のところまでいき、王様が私達に一つ聞いてきた。
それは、現在薫がいる魔都へと行って見ないかというものだった。
私はそれを聞き、一度見た魔都の光景を思い出していた。
知的好奇心がすごく揺さぶられる情景だったのを感じた私はそれに了承の意を構えを取った。
それから、王様は私達にいろいろと言っていたが私は左から右へと流していた。
どうせ、アッシュが聞いているだろうと思ったからだ。
そして、話が終わった私達は城を後にした。
□□□
「そうか……うちのギルド員の一部は何か言うと思うが問題ないだろう。分かった」
私はギルド長に城で私に伝えられたことを話していた。
これから数日、回復医の仕事が出来なくなるからだ。
それから、私達は魔都へと旅立つための準備をしながら魔都のことに思いをはせていた。
ただ、私はまだ知らなかった薫の現状に……
が、それは私にとっていろいろと刺激を与える結果になるだけということも
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