閑話1 戦士の日常

俺は、アッシュ。

勇者一行の中で前衛を担当していた。

それで、今は……


「今日もやることが無いな……仕方ない適当に依頼でも受けるか。」


特にすることがなくなってしまった。

あいつがいなくなってから早や1ヶ月ほんとにやることが無くなっていっていた。


あいつと一緒に旅をするのは楽しかった。

まぁ、危険もあったし、ほんとに死に掛けたこともあった。

それが、まさか……あぁなるとはなぁ、うん……

その時は、俺もただ唖然としてただけだったからなぁ……

気がついたら王城の王の間だった時はいつの間に移動していたんだと思った。

まぁ、考えても仕方ないか……

さて、今日はどんな依頼があるのやら

俺は自室を出て、冒険ギルドへと足を向けるのであった。


□□□


俺の目の前には複数の依頼が張られているクエストボードを見ていた。


「おっ、いいのあるじゃん」


俺はそう言い、クエストボードにはられている一枚の紙を取り、受付まで行き、それを受領した。


「アッシュ、アッシュ!」


そして俺がその場を離れようとした時、俺に話しかけてくる奴がいた……まぁ、受付嬢なわけだが


「なんだ?レイ、俺に何かあるのか?」

「もう……依頼書忘れてる。」


……おう。


「もう、だからちゃんと依頼を受領したらちゃんと真っ先に収納する。」

「分かった分かった。ありがとよ」

「どういたしまして」


……で、こいつは何かあることに俺に話しかけてきている。

なぜ、俺に話しかけてくるのかは分からないが、そのせいで毎回、周りの視線が痛い。

……現在も普通に目線が痛い。

そう思ったので俺はさっさと冒険ギルドを出て行った。


□□□


「でぇやぁ!」


俺は早速、受けた依頼の討伐対象、アイスコボルトを討伐していた。

このアイスコボルトはそんなに強いモンスターではないが、こいつが持っている槍はなぜか高く売れるのだ。

なぜなら、その槍は非常に壊れやすく、武器で受けたり防具で受けたりするとすぐに壊れるからだ。

そんな槍をなぜアイスコボルトが持っているかというと……

まぁ、名前にアイスがある通り、コイツ自身が作った氷の槍だからだ。

氷の槍だと高く売れないと思うだろうが、実はこの氷の槍、アイスコボルトを倒すと溶けなくなるのだ。

なぜ、溶けなくなるかはまだ解明されていないらしいが、この槍はそんじょそこらの鉄の槍より強力で、また氷としても一級品だから高く売れるのだ。


そして、気がついたときには俺はアイスコボルトの巣を壊滅させていた。


「ふむ、氷の槍もそれなりに手に入ったな。」


今回の収入はアイスコボルトの槍18本だった。

しっかりと槍を全て簡易ボックスに突っ込み俺は街へと戻っていった。


□□□


俺がアイスコボルトの氷の槍を売り、出店にある食品類を買い漁って食べていると一人の兵士が俺の方に向かってきていた。


「あ、いいところに!アッシュさん」


そして、兵士は俺に


「王様がアッシュさんのことを呼んでましたよ」

「え、王様が?」

「はい」

「何のようだろうか?」

「さぁ、私は何も聞いていないので……あ、私はまだ巡回中ですのでこれで。」

「あぁ」


俺はその兵士と別れ、王城へと足を向けた。


□□□


俺が王城に着くとそこには俺以外にもミーナとラーサが王城に呼び出されていた。

といっても、ラーサをこの国の兵士だから、呼び出されていたではなく待っていたの方が正しいのかな……まぁいいか。

とりあえず、俺は呼び出された他の二人になぜ呼ばれたのかを聞いてみた。


「なぁ、何で俺達呼ばれたんだ?」

「さぁ?私には分からないけど……ラーサは分かる?」

「私も聞かされていない。だが、私達三人ということは勇者関連であろう」


ラーサはそう言った。

確かに俺達、三人は勇者パーティだった。

そして、呼ばれたと言うことは、確かに勇者関連の話か……

あいつに何かあったのか……?

そう思いながら、俺達は王の間の扉を開いていた。


そして、俺達は王様の前まで行き、跪いていた。


「よい、顔を上げ立ち上がるがよい。」


王様の命に従い俺達は立ち上がった。

そして、王様は言葉を発した。


「よく来た、まっていたぞ。」

「それで俺達に用とは?」


俺はそう聞いた。

すると王様はこう言った。


「ふむ、魔王からの魔国に来ないかと言われたのだ。」

「えっ!ホントですか!」


それを聞いた俺は喜び、ホントかどうか聞いていた。


「うむ、真だ。それにそなた達も会いたかろう?」

「はい!」


俺はその言葉にうなずいていた。

だが、まだ俺は知らなかった。

あいつに会えると知った俺は、現在あいつがどんな姿をしているかということを。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る