3−10
「それで、まずは城に忍び込む必要があるな。」
ジョーは言った。
「おそらくベルーイの案内したこの道は完全に罠だ。なるべく遠く離れたところから侵入したいものだが。誰か知ってるか。」
「あたしは知らない。」
メラマが言う。
「僕も知るわけが無い。」
タルヒも言う。
「俺も。」
レリビディウムの一人であるベンドリヒという男も言う。
「僕・・・。」
ゲルマがボソリと言う。
「ここなら大丈夫だと思います。」
そして地図のある地点を指差す。
ジョーは訊ねる。
「・・・ここは・・・?」
「城のゴミ捨て場。海に面していますよね。見張りも数人いるだろうから一か八かだとは思うのですが、しかし障害物の多い広い空間です。」
「ほう。しかしどうやって切り抜けるんだ。」
「ゴミ捨て場の作業員は全身を保護する服を着ているのでその制服を新調してこっそり成りすませば、何とかなると思います。」
「お前スゴイな。参謀にしたいぐらいだ。」
ジョーが言うとゲルマは「テヘヘ」と照れ笑いをする。
「それと、ベルーイ、というか、処刑人と遭遇した時の対処方法を考えねばならないな。」
「それなら一案ある。」
タルヒが言ったのでジョーが訊ねる。
「というと?」
「処刑人は頭から煙、いや、湯気かな、何かを排気している。」
「うん。」
「あいつがとびかかってきたとき、俺はあいつの頭に腹があたったんだが、すっごく熱かった。しかももがき苦しんで殺しもせずに俺を放り投げた。」
「おお、なるほど。」
「そういうことだ。つまり、あれは排気口で弱点だ。あの頭の煙突に燃える物を投げ込めば、奴は酷く苦しむに違いない!」
「なるほど、しかしどうするのだ?」
「俺がやる。」タルヒは言った。
「ほう?」
「俺が先っぽの燃えた矢であいつの煙突を射抜く。」
「そうなると君は高いところから構えないといけないね。」
「そうそう、ほら、ゴミ捨て場付近に小さな山とか崖とかあるだろう?そこから狙っていくんだ。」
「よし。」
「ゴミ捨て場から侵入が成功したら、どうするんだい?」
「城の案内図はランバーが作ってくれたのよ。」
レリビディウムの別の会員、クイーナが言う。
「こんなのどうやって手に入れたのかしらね。」
「しかし頼もしい。よし、ランバーの死を決してムダにしないよう、われわれはこの地図を有効活用するんだ。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます