3−5
「兄王、お話というと何でございましょうか。」
宮殿に着いて王室まで着いた時、南の島まで付き添ったアルゲーノ公がアルゲバ王に言うと、王は意地の悪い笑顔を浮かべて言った。
「お前は俺に隠し事をしてるなァ?」
「・・・・何の話ですか。」
「とぼけるな。俺の目は確かに焦点が定まっていないがお前の嘘ぐらいは確かに見えているぞ。」
「兄王、まったく分かりません。」
そう言いつつもアルゲーノ公は震えを隠せなくなっていた。
「ほうら。心当たりがあるんだ。」
「いいえ。」
「まあいい。お前が死んで誰かが蘇っても、アルゲーノ公が蘇るわけでもあるまい、ただの人だ。」
アルゲーノ公がビクリと動いたので王は笑った。
「ほうら、図星だな。」
「え、これは、違います。」
「やかましい。とりあえず俺は今から貴様が鬱陶しくなったんだ。」
アルゲバ王が剣を構える。
「まってください、まってください!全部話します!」
アルゲーノ公が叫んだのでアルゲバ王は剣を下げる。
「・・・ほう。話すとは何を?」
「その、あの、その、」
アルゲーノ公は天井を見上げ、やがてハッとしたかのように固まる。そして王をまっすぐ見て言った。
「その、自分はアルゲーノ公です。」
適当に取り繕って話す事はないのだな、と思ったアルゲバ王は玉座の近くのレバーを引く。アルゲーノ公はたちまち床の中に落ちていった。
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