2−12
「なあ。俺思ったんだけど。」
ジョーは言った。
「学校離れてこの組織で3年もなあなあに過ごして慣れてきたから、今まで通りレリビディウムの一員として動くのもアリだが、俺たちでもやっぱりグループ組まないかい。」
なるほど、リーダーになりたいんだな、とフルネスは思った。
「つまり、あの六戦士団ってこと?」
「そうそう。」ジョーは答えた。結局しばらく"六戦士団"は機能してなかったのである。
「僕はいいと思うけど、」ベルーイが言う。「でも、それでどうするのさ。」
「なあに、単に信頼関係を築きあって、いざという時に頼れるパートナーとなるのさ。」
「とりあえずクラブ感覚で集まっとくってわけね。」
「まあ、そうかな。」
その時レリビディウムの一人の大人がこちらに近づいてきた。そしてジョーたちに話しかける。
「お前達から二人、今夜偵察の当番が課せられた。行って、城に忍び込み、何か情報を掴め。」
そして去っていく。
「偵察かあ。」
「誰がいいかなあ。」
「僕やるよ。」フルネスは言った。「僕は一番身長低いだろう?偵察には丁度いいと思うんだ。」
「ありがとう。」
「いやいや。」ジョーにお礼を言われてフルネスは照れていた。
「あともう一人はどうしよう。」
「じゃあ、僕。」ベルーイが手を上げた。「城下町の事は詳しいんだ。案内するよ。」
「助かるなあ。」
「城下町ならゲルマくんもいいんじゃないの?」
とメラマが言うとベルーイはかぶりを振る。
「ゲルマは怖がりだし、彼は家っ子だったからあまり知らないんだ。」
「う、うん、僕無理だよ。ごめんね。ごめんね!」ゲルマはびくびく怯えながら言う。
「そうか、では仕方が無い。」
「じゃあ早速支度するよ。」
ベルーイはいけ好かない人間だが、知識量といい、テキパキとした知性といい、案外頼れる人なんだな、とフルネスは思った。それにしても偵察かあ、とドキドキした。人に見つからないようにちゃんと動けるかな、と思ってソロソロ歩きの練習をした。
「何をやってんだ。」
ベルーイに指摘されたのでフルネスは恥ずかしくなってふつうに直立した。
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