第2話「本泥棒との戦い」

副隊長に任命された私は周りの目線が熱い中で前に立たされてる。


「みんなも分かってるでしょ?私たちの武器は手から生み出されるの。だからいつ命を狙われるか、分からないの。まぁ、ここにいる23人が団結して行動すればいいだけの話ね」と隊長さんが言う。


その時だった。部屋からブザー音が鳴る。


「一年生諸君、初任務だ!!この近くの本屋で盗難事件が起きた!!それぞれ隊長、および副隊長の指示に従って行動すること」と校長の声が聞こえる。


「みんな、聞いたわよね。ここの近くにある本屋は三個しか無いわね。それもそのはず。電子書籍となった時代に今はなったわ。でも紙で出来た本という価値を大事にする人たちはいるの。みんな、それぞれ別れて……」と隊長は言う。


その時、扉をノックする者がいた。

その者が姿を見せる。


「2年隊長、雪屋静(ゆきや しずか)と申します。みなさん、この度は入学おめでとうございます。お祝いにこれを渡しに来ました。鮫島副隊長、頼みます」とショートヘアーの女の人はそう言う。

「任しましたぜ!!隊長さーん!!ヒーハー!!」と声がすると同時にダンボール箱を背負う男が彼女の横から現れた。

「さっさっと配らんか!!うる鮫副隊長!!」と足で彼を蹴っ飛ばして雪屋隊長は言う。

「痛っ!!ほれ、ほれ、ほれー!!」と鮫島副隊長は目に見えないスピードで配っていた。

「みんな、それを羽織りなさい。それは校長から頂いた学校唯一の伝統ある名高き服。まぁ、昔の人たちがいう制服に近いものだけど。ほら、君たちフードも被りなさい。これが……」と雪屋隊長が言おうとするが……。

「『フードテレフォン』だぜ!!ヒーハー!!」と鮫島副隊長が言う。

「うる鮫、帰るわよ?じゃあ、みんな頑張ってね?ちゃーお!!」と鮫島副隊長の首を掴みながら雪屋隊長たちは出て行く。


怖い物を見た気がしないわけでもないが……。


「あの人たち、使い方教えて無いわね。まぁ、いいわ。そこの君、手伝ってくれる」と目の前にいる男に声をかける隊長。

「俺っちすか?」と目の前の男が言う。

「名前はなんて言うかしら」と隊長は言う。

「桜宮隊長。私は秋平智也(あきひらともや)っす。よろしくっす」とその男は言う。

「では、この三人の組に分けたいと思うわ。あなたはそっち。あなたは私に……」と隊長は7、8人ずつに分けていく(隊長の班は7人)。

「あなたたちは角田書店に行って」と隊長は答える。

「了解、桜宮隊長!!」と私は答える。



私たちはその本屋に着いた。


「あの……着きました。聞こえてますか?」と私の緑のフード服の紐を引っ張って話す。

「俺っち、聞こえてます。俺っちも到着っす」と秋平は答える。

「輝夜君、私の所も着いたわ」と隊長が言う。

「ふっふっふっ。私はそう簡単に捕まりませんよ」と屋根にいる黒い覆面を被った奴が現れる。

「各自、奴を捕らえること!!手義3を忘れるな!!」と私は告げる。


ちなみに手義3とは、犯人を見つけた場合捕まえることを意識するである。


「手銃(しゅじゅう)!!」と私は言って手の形を銃にする。そして親指を押す。火が銃弾となって撃ち放たれる。熱くない。


「何だ?手から銃弾が?こいつら、あの能力が使える輩か……」

「よそ見はいけないぞ?手魔(しゅま)」と周りにいた男が言う。


急に眩しい光が屋根に光る。


「うわー」とそいつは言って屋根から落ちた。

「手壁」と女の声で地面から草が生え、クッションのように彼を捕まえた。

「隊長、犯人捕まえました」と私は告げる。

「えぇ、今私もあの子の班も来たわよ」と隊長が近くに来てそう言う。

「あなたが犯人ね。手戒(しゅかい)!!」と彼女が言うと、指を地面に向けてぎゅっと握る。

「何だよ、これ」と犯人は言う。犯人の手に水で出来た鎖が出来上がる。


しばらくして手警(しゅけい)、昔で言えば警察みたいな自衛隊みたいな奴らであり、自分たちと同じ手から武器を生み出す大人達である。


「さぁ、帰るかね。各自、寮に帰還!!私と輝夜君以外わね」と隊長は言う。


私と彼女以外は学校内にある寮に戻っていく。もちろん、寮は男女別れている。


「春宮隊長、私たちは?」と私は聞く。

「校長に報告に行くわよ」と隊長は言う。



こうして私たちは学校の校長室、この建物の一番高いところである10階にエレベーターで行く。


「失礼します、校長」と彼女は言う。

「犯人は捕まえたのかな、諸君たち?」とあの光の画面に映っていた男が言う。老けたじじいだ。

「はい、捕まえて手警に渡しました」と隊長は答える。

「ふぉっふぉっふぉっ。君が副隊長か?」と私に聞く。

「輝夜圭音と申します」と私は答える。

「そうか。よし、君たちの光栄また楽しみにしておるぞ」と校長は言う。

「ありがとうございます」と隊長に続いて私は答える。


私たちは校長室を出て女寮の前で別れた。

私は飯を食べ、身支度を済ましベットに横たわった。

今日は色んなことがあったと呟き、眠りに入るのだった。

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ハンディ・アームズ 未知風 @michikaze

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