波乱万丈な体育祭~騎馬戦に向けて~
「分かったぞ。喧嘩売ってきたやつは2組の『坂田』と『丸山』と『
因みに、うちのクラスは1組。
言わずもがな、体育祭はクラス対抗戦なわけだ。
わかりやすい分け方が、これから行われる騎馬戦。
1年から3年で生徒3名ずつの代表戦になる。
4クラス3学年。9対9対9対9。
1番規模の大きな種目だ。
進学校でもないのに1クラス20人、男女10人ずつでキッチリ分けられてるんだよ。だから否が応でも授業中寝てられないわけ。
隆一は堂々と寝てるけど。
楠木と広瀬と高橋妹がうちの1組女子。
俺と隆一と譲、それと高橋妹の取り巻きどもが残り。
金城と三崎が2組女子。
2組に高橋兄と失礼な坂田と丸山と日下ってやつがいて、4組に畔上とかいうやつか。
「名前知ったところで、お礼参りするほどスレてねぇよ」
「おまえの顔でとやかく言うのは俺だけでいい! 」
「おまえでも腹立つわ! 俺はおまえの彼女か何かか?
「……コントは時間ある時にしようか? ほら、行くよ」
譲が止めなきゃいつまでも言い合いをしてたな。
ちょっとテンションおかしくなってる。
この時期にしかイベントはない。はしゃいでも仕方ねぇよ。
でも、ふざけてちゃいけないよな。
「わりぃ、今行く」
「おっとぉ? もうそんな時間か。ヒーロータイム目白押しだなぁ」
確かに制覇したらヒーローだろうよ。
ポイントの少ない玉入れや二人三脚や短距離走とか徒競走などは他の奴らが出ることになってるし、ポイントの多い種目を俺たちが担当している。
問題は、綱引きに俺たちは参加出来ない。
メイン種目3つにエントリーしているから。
リレー、騎馬戦、2000m走。
譲だけは参加できるけど。
2000m走だけは参加者2名。俺と隆一になるわけだ。
障害物走とパン食い競走、借り物競争はネタ枠というか、余興種目だから誰が出てもいい。パフォーマンスが求められるだけでポイントにはならない。
出ると校内知らぬ者なしになる、ちょっと怖い種目……。
しかしまぁ、嫌な予感がするけど今は騎馬戦に集中しようか。
何せ───隆一と譲に抱えられて、戦うのは俺だから。
……何か忘れてる気がしないでもないけど、思い出せないなら後回しだ。集中していこう。
イベントは後悔しないように全力で!
──隆一の二段構えのイタヅラが待っているなんて、予想している暇なんかないくらいに楽しんでいた。
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