第2話
最近、春香の様子が少しおかしい。
授業中は窓側をチラチラと見ているし、休憩時間はというと何かを気にしているかのように落ち着きがない。
春香の視線を追うと、ある人物をよく目にする。
そうゆうことね。陽菜は探りを入れてみることにした。
「はい、ここまで。予習を忘れないように。規律。礼。」
「やっと終わった。腹ペコで何も考えられなかったわ。さあ、弁当食おうぜ!」
男子が急いで弁当箱を開けている。
「春香〜、今日は何を作ったの?」
「今日はオムライスにしてみました」
「うわ〜、おいしそう」
「やったね」
「春香さ、わたしに隠していることない?」
バシャっ。
「あー」
春香がお茶をこぼした。
「もう、春香ったらドジなんだから」
「ごめん、ごめん。制服濡れなかった?」
「大丈夫。それよりさっきの質問の答えは?」
「か、隠し事なんてないよ!」
「本当に〜?」
「ほんと、ほんと!」
「春香は好きな人とかいないの?」
「へっ、いないよ。いたら一番に言ってるよ」
春香は落ち着いた様子で答えた。
「春香ったら、可愛いんだから」
ハハーン、春香ったら。まだ気づいていないのね。いつ気づくのかしら。
陽菜は見守る方向に思考を切り替えた。
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