巻き込まれた異世界!

第4話 高等部ー大山不動・岡田修・聖勇気【転移者】




―――プルプルプル ピッ♪



「はいもしもしもっしーみくるちゃんですよー」



 電話がきた。

 非通知だったけど誰からかしら、どうでもいい。


『おー、繋がった繋がった。みくるちゃん、風邪の具合はどうよ。お見舞い申し上げるぞ』


「あ、フルルギたん! ありがとう。僕はいま視界がぐにゃぐにゃにねじ曲がっているところだよ。そっちはどう? とりあえずは無事で何よりだよ、まぁ実際には死んでも死なないだろうし特に心配はしてないけどね」


『フルルギじゃねえよ。こっちは………まぁ一言で言えばヒドイ。みくるちゃん、そっちの様子はどうなってんの?』


「どうもこうも、学校が消滅しちゃってるんだよ。学校跡地に巨大な大穴出現。突発的に発生した磁場異常による局地的ブラックホールの発生か!? ってね。大体予想はついてるけど、もしかしてそっちはDCQの世界に行っちゃってるの?」



 ニュースでは依然として模様キャスターが『学校跡地には大穴が開いている模様。中心に描かれた『DCQ』の文字と意味についてはわからない模様です』って言ってるし。


『どうもそうっぽい。俺が終業式で寝ながら『DCQ』してたら急に時間軸が同じになったんだ。俺だって吃驚仰天だ。』


「ありゃま。フユルギたんがビックリ仰天だなんて珍しいこともあるもんだ」



 いつだってフユルギは何かの元凶になることが多いから、そのびっくりの元凶だと思ってたけどそうではなかったみたいだ


 おっとっと。足元に蘭丸がすりよってきた。

 大丈夫、ちゃんとミルクはあげるから、待ってなさい。


 お湯につけた哺乳瓶を取り出して少しだけ冷ます。

 首でスマホを挟んで落とさないように注意しながら赤子キツネの蘭丸を抱っこしてミルクを飲ませる


 ああ、かぁいい………


『とりあえず、みくるちゃんは風邪のところ悪いんだけど、動物たちの世話がひと段落したらDCQにログインしてもらってもいい?』


「ゲホ………ズズズ。んー、まぁいいよ。夏休みは長いしね………ぃいっくしょいや!!」


 おっと、チッシュ、チッシュはどこだ。鼻水ハダビズが………。

 くしゃみの衝撃で首からスマホを落としてしまった。あー、目がかすむよぅ

 おぼつかない足取りで落としたスマホを取りに行って、蘭丸が落ちないように注意しながら今度はスピーカー設定をする。


『そんなこと聞いてねーが、………ゴトゴトうるせぇ、大丈夫か? 風邪のとこ済まないけど、頼んだぞ。』


「ぶぁっくしょいちくしょう!! あい、わかったよ」


 しゃあないな。蘭丸にミルクあげたら布団でログインするかな。

 えっと、たしかログインクッキーは冷蔵庫に入ってたはず………



                   ☆




 なんだこれは、なんなんだこれは!



 聖勇気は頭を掻き毟った


「おいやめろ、ハゲるぞハゲ。」

「注意した後にハゲと呼ぶな馬鹿者!」

「うわっ と。カルシウム足りてねぇのか? しっかり補給しろよな」


 彼が今いる場所は、保健室である。


 謎の男によって体育館の壁と情熱的なキスをしてしまった聖勇気だが、幸いなことに脳震盪以外の目立った症状は無い。


 運よく打ち身程度で済んでいたのだ



 彼の隣に居るのは、生徒たちがパニックになった瞬間に蹴飛ばされ踏まれてしまったフユルギである。


 彼は幾人もの人間に踏まれてしまったことにより、右足と右腕を骨折していたのだ


 フユルギはもともとDCQの世界のアバターを操作し、地震の発生と共に見覚えのある学園という建造物の出現などというとんでもない異変を確認してから一度ログアウトした。


 目が覚めると自分は大けがを負って保健室で寝ている始末である

 死んでしまった生徒以外での一番の重症者は彼だったのだ。


 比較的軽症で済んだ勇気はすぐに目が覚めた。

 気づけば、体育館の壇上には先ほどまで居たはずのローブの男が消えている。


 体育館の出入口の炎も鎮火していることで生徒たちは皆三々五々に散り、校庭に待機していた警察や消防の指示に従って、まずは各々の教室に戻ることになっていた。


 現在は警察と先生たちの合同で緊急職員会議を行っている模様だ


 勇気は出てしまったけが人を優先的に保健室に運ぶように献身的に働いた。

 焼き殺されてしまった生徒に関しては、今は何もしていないが

 最初に運んだのが、意識不明の重症者フユルギだったのである。

 まぁ、実際は寝ていただけだったのだが。そこはいい。


「あの男は一体なんだったのだ………。なぜ、こんなことに………」


「すまないが、なにがあったのかを説明してくれ。頭も痛いし、俺は気絶する前のこともよく覚えていないからな。」



 フユルギは自分が寝ていたことを隠し、情報を集めることにした。


「ああ………そうだな」



 勇気はポツポツと語り出した。


 ローブの男が現れたこと

 先崎まつざき先生が殺されたこと。

 それに恐怖した生徒が逃げ出そうとしたときに出入り口に炎が現れ、阻まれたこと

 それによって何人もの生徒が死んでしまったこと。

 生徒を守るために立ち向かったこと

 無様に負けたこと

 目を覚ましたら壇上には誰もいなかったこと

 重症者を保健室に運んだこと


 勇気は何一つ隠すことなく話した



「そっか。なるほどね。」


 フユルギは納得する

 なんかありえないことが起きている、と。内心で冷や汗を流しながら。



「学校の外はどういう状況なんだ?」



 フユルギがそう問うと、勇気は「それが………」と、冴えない顔をして、カーテンを開けた


「見えるかい?」

「いや、見えるわけねェ。起き上がれねぇんだ。口頭で言ってくれ」

「ああ、そうか。すまない、気が利かなくて。」



 勇気は一度だけ深呼吸すると


「学校の敷地の外には、草原しかなかった。見渡す限りの草原、さ。」

「なるほど。学校ごと海外にでも飛んじまったか?」

「はは………そうかもね。でもね、草原にいたウサギに、角が生えていたんだ。地球上に角の生えたウサギなんているかい? いないよ………」

「ジャッカロープが居るじゃん。空想上だけど」

「地球上にはいないじゃないか。でも、草原にはいっぱいいるんだよ………。しかも、襲ってくるんだ………。学校の外に逃げた生徒と、止めようとした消防の人が、すでに何人か、そのウサギに殺された………そして、食べられたんだ、そのウサギに………。」



 あらあら、とフユルギは息を吐く


 ウサギに殺されるってどんだけ弱いんだ、と。

 ご愁傷様としか言いようがない。


 しかし、兎が人を食い、角がある。

 その情報に、フユルギはスマホを操作し、一つの情報と照らし合わせた。


【ホーンラビット】

 肉食の角突き兎。Fランク

 ウサギだと思って油断したらダメッ

 背後から角で急所あなたのハートを狙い撃ちにしちゃうゾ☆ 餌食になった冒険者は数知れず。

 でもこの子で練習して経験をためて強くなろう!



 たぶんコイツだろうなぁ。

 ふぅ、とフユルギは息を吐いた。

 まぁまだ決まったわけではない。慌てるな。


「肉食のウサギとか、パネェわ」

「あ、そうだね、パナい。なんでこういう状況に陥っているのかすらわからないんだ。

 携帯も通じないし、助けも呼べない。本当に、参ったね。」



 勇気が頭を抱えて自嘲気に笑う姿が、なにやら痛々しい。



「まぁ、こんなわけわかんない状態で腕と脚骨折して動けない俺の方が参ったよ。いい加減トイレ行きたいし。」


 実はフユルギはずっとやせ我慢をしていた。

 なにせいたるところが打撲しており、右腕と右足が骨折しているのである。


 痛いものは痛いのだ。


 この怪我は、学校ごと転移してから怪我したのか、怪我をしてから転移したのか。

 それによって対応が変わるが、前者である場合は異世界召喚されていても肉体スペックは現実のそれに準じていると考えられる。

 そうだとすると非常に不味い。


 異世界にレベル0で放り出されたらたとえ勇者でもスライムに殺されるのだ。


「とりあえずここが地球ではないらしいということは分かった。学校は大丈夫なのか? すぐ外が草原なんだったら、例の兎が侵入してきそうなものだけど」

「それなら、消防隊の人たちが学校の敷地に入れさせないように頑張ってくれているよ。」



 なるほど、とフユルギは頷く。

 ぜひとも消防隊には頑張ってもらいたいところだ。

 今の状態ならフユルギはウサギにすら勝てないのだから。


「そうだ、岡田修を呼んでもらってもいいか? 3年3組だ。すぐに連れてきてくれ」


 ふと思い至ったフユルギは、友人を保健室に呼んでもらおうと勇気に声を掛けた


「え………いや、しかし、生徒たちは教室から出ないように言ってあるし………」

「テメェだって保健室に居やがるじゃねぇか。いいから連れてこいハゲ。」

「俺は目を覚ました生徒の面倒を見るからで! ………まぁいいや。待っててくれ」



 やや諦めた様子の勇気は、修を呼ぶために多くの生徒が苦しそうにうめいている保健室から出た

 その間にフユルギは、スマホの【DCQアプリ】を開いて【念話】を行う。


『もしもしもっしー、みくるちゃんですよー』


 できるんじゃね? とおもって念話を飛ばしたらつながった

 これ幸いと念話を続ける


「おー、繋がった繋がった。みくるちゃん、風邪の具合はどうよ。お見舞い申し上げるぞ」



 彼は風邪を引いて寝込んでいる友人に掛けた。

 学校内の状況もわからないが、学校の外の状況も知りたい。

 自分の現状はおそらくヒドイ風邪を引いて寝込んでしまっている友人よりもヒドイだろう。

 あちらも自力ではうまく歩けない程の風邪ではあるが

 なにせ、こちらも自力では歩けない程の怪我を負っているのだから。


 それゆえ、フユルギは情報を集めるために、動き出した





                  ☆



「なんやろなー。」



 人の波に流されるまま、修は自分の教室に戻っていた。


 教室の中はいつまでもうるさいし、泣いている子も居る。

 でも


「そんなんどーでもええねん」



 そう、どうでもいいのである。

 学校も、授業も、人が死んだことも。


 彼は今、藁を編んでいた。


 家にも連絡がつかず、自分がどこにいるのかもわからずに不安になり、パニックを起こして泣いているクラスメイトをも、『騒がしい奴や』と横目で見ただけだ。


 不安で押しつぶされそうな教室の中で、黙々と藁を編んでいるその姿は、異質だ。



「ちょっと岡田!」


 嫌な声を聞いた。

 ビクリ、と肩を震わせ、恐る恐る前を見上げる

 大きな声だった。


 その大きな声は、クラス中の注目を一瞬でこちらに向けさせた



「んあ? なんや?」


 平常心を保とうと、おどけた風に前を向くが、内心では舌打ちの連続であった。


「こんな時になんで藁なんて編んでるのよ、気色悪いのよ!」

「や………その、気色悪いのは知っとるけど、そんなん俺の勝手やん? どんな時でも人生や。なるようになるて。」

「あんた今学校がどういう状況なのかわかってんの!?」

「ひぅ!」


 クラスメイトの女子生徒、“大野紗枝おおのさえ”が修の机をバン! と叩きながら怒鳴りつける

 大野財閥の一人娘。通称わがまま姫。

 思い通りにいかないことに駄々をこね、気に入らないヤツが居れば社会的にも封殺する、災厄の魔女だ。


 線が細く喧嘩も強くない修は、その怒鳴り声に委縮して情けない声をあげてしまう

 修は、その生徒や校内の不良などにことごとく苛め抜かれ、精神が疲弊していた。


 ヘタレた容姿にヘタレた言動。

 彼女にとっては格好の的だったのだ。

 それでも、彼は学校を休んだりやめたりすることは無かった。


 学校には友人がいる。それだけで、なにもかも耐えることができた。


「せやかて、こげん状況でできることなんかあるんか? 代案を聞かせてくいやん」


 現在の状況が意味不明なのは、修だって同じだ。

 自分にできることなど、たかが知れている。

 自分にできることが思いつかないなら、あなたが思っている代案を聞かせてくれ、そう言った



「こっの! ナマイキ言ってんじゃないわよ! オカルトキモメガネ!

 アンタにできることは学校の外に行ってウサギに食われることくらいよ!」



 ガンっ! と修の座っていた椅子を蹴り上げられ、その衝撃で椅子から転げ落ちてしまう


「あぅ………」


 苦悶の表情を浮かべる修

 落ちた衝撃で手首を捻ってしまったようだ


 ギッと大野紗枝を睨みつける


「何よその目は。あー怖い。下賤な者はどうしてこう、何もかもすぐ人のせいにするのかしら。

 自分にできる役割も理解できないなんて。皆さんもそう思いませんか?」


「そうよそうよ、紗枝さまの言う通りよ」

「死んじゃえキモメガネ!」

「あんたすでに死相が見えてんのよ、バーカ」


「ギャハハハ! 修、だっせーwwww」

「うっはマジウケるwwwww」


「………。」



 アウェーやなぁ。

 涙を堪えながら、修は制服に付いた埃を払った


 ええよええよ。ここから出た方が清々するわ。

 こちとら霊能力が一般に認知されとらんのは承知の助太郎や


 修は立ち上がってから教室を一瞥し、自分の味方はこの教室にはいないことを理解する。

 全員、自分も含めて、こんな状況でさえ………大野紗枝が怖いのだ。


 だからみんな、見て見ぬふりをする。

 人間は、すぐに自分の保身に走る生き物なのだ。


 すがりたい。すがれるものがあるなら、藁でもいいからすがりたい。

 しかし、ここには自分が編んでいた藁しかない。

 仕方がないからそれを掴んで、修は教室の出入口に向かって歩き始めた



「あら、本当にいくつもり? そう、がんばってね」



 最後の最後に、ニッコリと嗤う紗枝の姿に、どうやって殺してやろうか、と。それだけを考えた。


 状況が状況や。電話もつながらんし、ここは地球ですらない。


 それに、この世界のことを、修は知っている。



 殺す手段なんか、いくらでもあるのだ。



「まぁ、それができたら苦労しないんやろうけどな」


 どれだけ心の中で呪詛を吐こうとも、その本質はヘタレである。

 実際に行動に移せそうにない。


 ゆえに、タヌキ寝入りするしかないのだ。


「まぁ、兎程度に殺されるようなヤワな鍛え方はしとらんよ。

 邪神すら倒せるおっちゃんたちに敵は無い。」


 とはいっても、それは強靭な肉体を持ったハイスペックアバターの話であって、凡人でしかない自分では、兎にも勝てるかどうか。


「はぁ。ウサギに殺される未来が見える………。考えてもしゃーないか。おっちゃん一人じゃどーしようもなかし………。

 そーいやフユルギたんが保健室で寝とるんやっけ。“治療”しに行ったげようかいね」



 そう言って、修は手の中で【藁人形】を弄びながら廊下を歩く。

 ポケットからは【五寸釘】を取り出してペン回しの要領でクルクルと回した


 それが、岡田修の【呪術師】としての初期装備であった。


「あ………岡田!」


 ふと呼び止められ、修は慌てて藁人形と五寸釘をポケットにしまう



「なにゃ?」


 顔をあげると、目の前には一人の女性徒。



「あんた………大丈夫なの? さっき隣のクラスからすごい罵声が聞こえてきたけど………」


「なんや心配してくれはるのん、ドム子さん?」


「いや、その………うん………ってドム子言うなっ!」



 バツが悪そうに俯く女性徒は、“樋口銅鑼夢ひぐちどらむ

 学園の中で五指に入る美少女の一人である。ちなみに一人は大野紗枝だ。

 ドラムは、アイドルグループ『九州娘くすこ』に所属する現役高校生アイドルだったりする。


 芸名は『如月ドラム』最近少しづつ話題に上る、ご当地アイドルだ。

 彼女は芸能事務所にスカウトされるほどの容姿を持ち合わせていて、その実『九州娘』のリーダーを務めていた


 彼女は修と面識があるのだろう、心配そうに彼を見つめる



「罵声なんかはいつものことや。こちとら霊能力を持った異端児やで。じゃいどんだけどおっちゃんかてテレビに出る仕事もあった。学校で詐欺師扱いされるのも当然ちゃうん?」



 そう、修はその霊能力で地方のテレビに何度か出演することかあった。

 ただし、霊能力者の弟子、という立ち位置ではあるが。

 その場でドラムのホラー番組の撮影と同じ番組で接点を持ち、それからはなんとなく話をするようになったのだ。

 ドラムは番組で憑かれそうになっていた霊を修が祓ったことにより修の霊能力を目の当たりにしたため、霊能力自体は疑っていない。

 しかし、学校の連中からすればそんな目の見えないものは詐欺でしかないのだ。


「そうかもしれないけど………。困ったことがあったらあたしに言いなさいよ。力になったげるから!」

「こげん異世界召喚に巻き込まれた状況でそげんこというんは、根性ぶっといわなぁ。そんときゃ遠慮なく頼らせてもらいますわ。そんじゃおっちゃんどっかいくんで、ちょいとそこどいてくいやん」


 修に悪霊から助けてもらってから、チラチラと修を気にし始めているドラムだが、修は男性もそうだが、女性という生き物をやや苦手としている。

 心配してくれる人がいるのは嬉しいのだが、あまり長い間話そうとは思わないようだ。


「ま、まってよ、まだ言いたいことが! 行くってどこに―――」

「どけ美人」

「あうぅ………ここでどかなかったらブスになっちゃう………命令形でどけって言われてるのになぜかうれしいこのセリフ………あたしはいったいどうすればいいのよ!」

「知らんわ」



 頭を押さえて修に道を譲りながら唸るドラムに修は「くくっ」と苦笑しながら「ほな」と手を振ってドラムと別れると


「キミ達、教室から出るなという指示があっただろう? 出てはダメだろう!」


 間の悪いことに生徒会長である聖勇気が現れた


「か、会長! いや、その………これは、なんというかその………」

「あ、すんません生徒会長さん。保健室に見舞いに行くのもダメでっか?」


 生徒会長に目を付けられてしまい委縮するドラムに代わり、修が切り出す


「む………それくらいなら………」

「ほな、おおきにな」



 生徒会長はそれをすんなりと許してくれた。


 しどろもどろになってしまったドラムも勇気のイケメン力に当てられたのだろう、と修は見当違いな結論をつけ、ため息を一つ。

 相変わらずのイケメンっぷりに修はほんの少しイラッとした。


「「「キャー! 勇気様よー!!」」」

「「「この教室になにか用ですかー!!?」」」

「「はぁん、もう死んでもいい」」


「「「ちっ!!!」」」


 じゃあ死ね、と修と周囲の男子生徒は心の中で呪った。

 自分のクラスに放し飼いされている雌豚のミーハーっぷりに吐き気を催す、修なのであった。



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