第3話 イッツ・ショウタイム! ↓

 およそ一万回対戦、うち九千五百勝。


 それが、ネット対戦での明梨のステータスだ。勿論ゲームというものは何度もバージョンが上がり、その度に対戦回数がリセットされるため、全くずぶの素人から勝ち上がって来たわけではない――……だが、世の中に存在する対戦格闘ゲームの殆どを操作した結果、今回明梨がプレイしている対戦格闘ゲームにおいて最弱と言われる『魔法少女コック』を使い、この戦績を残したのが不死川明梨だった。


 それほどまでにゲームが好き――ならばまだ救いはあったのだが、明梨はそこまでゲームが好きなわけではなかった。


 深夜のコンビニには、あまり人が来ない。明梨は魂が抜けたような顔で、粛々とコンビニエンスストアのアルバイトをこなしていく。


 売れ残ったパンを整理しながら、明梨は隣に居る女性に声を掛けた。


「ミュー先輩、これ来週から入ってくるんで、棚割考えて貰えますか。店長がミュー先輩のチョイスが良いって言うんですよ」


 今日はミュー先輩と一緒だ、ラッキーだ、などと無益な事を考える。


 愛田あいだ夢遊むゆう。如何にも女の子といった雰囲気のロングの茶髪で、しかし化粧に気取った様子がない。いつも眠そうで割と食べるが、プロポーションは良い女性だ。


 帽子が拘りらしく、今日はパンダの帽子を被っている。


 明梨の言葉に夢遊はガッツポーズをして、はにかんで答えた。


「あー、うんー。わかったよー」


 ゆらり、とその豊かな胸が揺れ、夢遊はペットボトルコーナーの冷蔵庫に頭をぶつけた。


 ガツン、と痛々しい音が漏れる。


「ちょっ……大丈夫ですか、先輩!」


 驚いて、明梨は立ち上がった。夢遊は青い顔をして、ペットボトルコーナーに手をついて身体を支えていた。


「うーん……ちょっと夕食が足りなさすぎたかなあ……」


「珍しいですね、ミュー先輩が夕食控えめにするなんて」


 夢遊はこめかみに指を当てて、ぐるぐると円を描くように回した。


「うん、今日はカレーライス三杯と、サラダとイカスミスパゲッティ、あとオムレツと鯖の塩焼きだったんだけど……」


「季節感もジャンルも完全無視ですかって言うかどう考えても食べ過ぎで調子悪いだけだろそれ」


 明梨の矢継ぎ早に繰り出されるツッコミに、夢遊はガッツポーズで応えた。


「大丈夫だよっ。食後にちゃんとヨーグルト食べたから!」


 それが一体先程までのメニューに対してどのような効力を持つのかは良く分からないが、おそらく『ヨーグルトはお腹に良い』くらいの認識なのだろう。


「ていうかバイト中に帽子、駄目ですよ。こないだ店長に怒られたでしょ」


「そのあと泣き倒したら、上に掛け合ってくれるって言ってたよー?」


「あんた何してんだ!!」


 夢遊はこのコンビニにおいて、アイドル的な存在なのだ。


 そういうことを天然でやるから困る。明梨は溜め息をついて、レジに戻った。


 明梨から引き渡された棚を見ながら、夢遊が思い出したかのように言った。


「そうだ、あっくん、今度ね。同人誌即売会があるのー。もし出したいのあれば、一緒に行くー?」


 明梨と夢遊は、アルバイトよりも前から、先輩後輩の関係だった。元々は幼馴染で、明梨は夢遊の家族にも会ったことがある。


 そして二人、同じ学校に通った。


 御代々々およよよアニメーション学院。


 アニメーションイラストを始めとした様々な専門コースがあり、明梨はその学院のコミックコースに通っていた。


「いや、俺はいっすよ」


 ――高校を卒業して、始めの半年間は。


 今では不登校となり、親の金を無駄に使ってフリーターをやっている。


 夢遊が稀有な顔で、明梨を見詰めていた。その顔に気付いた明梨と、明梨が気付いた事に気付いた夢遊の、ぎこちないやり取りが交わされる。


 夢遊は頼りない笑みを浮かべた。


「そ、そっかあ。わかったよ」


「すいませんね、ちょっと最近ノらなくて」


「あー、あるよね。そういうのね。スランプ、みたいなね」


 明梨は、ゲームが好きなわけでも、漫画が好きなわけでも、アニメーションが好きなわけでもなかった。


 ふと、明梨と夢遊の二人しか居ないコンビニエンスストアに、男が入って来た。黒いスーツを着た、サングラスの男だった――雑誌コーナーをうろついている。


 盗難に合わないよう、その様子をちらちらと眺めつつ。明梨はレジテーブルに手をついて、呆然と店内を眺めた。


 コミックコーナーに並んだ、多数の漫画に目が留まる。


 新発売の少年漫画だ。雷の能力を手に入れた主人公が、様々な強敵と戦う話。滑り出しは好調で、ブームにもなっているらしい。


 明梨は、そういった娯楽そのものが好きな訳ではなかった。


「……そういえば、おじいちゃんがまた、あっくんに剣術を教えたいって言ってたよ」


「物好きだな、あの人も。……今までありがとうございましたって、伝えといてください」


「ん……」


 心の何処かで憧れていたのだろう。


『未知なる能力』の存在に。


 そして、それがこの世には存在しない事を幼い日に知り、妄想の世界に飛び込んだ。


 ……それこそ、無益な話である。


 黒いスーツの男は、雑誌コーナーの漫画雑誌を物色している。


「……良いオッサンが、こんな深夜に何を立ち読みしてんだか」


 聞こえないように、明梨は呟いた。店内には音楽が流れているため、ほんの微かな声であれば聞こえる事もない。


 やがて、妄想の世界はどこまで行っても妄想の世界であることを、明梨は知る。


 それは、長く超能力、或いは氣の力、或いは魔法の存在を漠然とした頭で肯定し続けていた明梨が、ついに現実に諦めた瞬間でもあった。


 それから、分かっていても現実の世界は退屈に思えてしまう。


 黒いスーツの男は雑誌を閉じ、コーヒー缶を手にしているようだった。そのまま夢遊の隣を通り過ぎ、明梨の所へ歩いて来る。


「セブンスター、一箱」


「あ、はい」


 明梨はカウンター後ろの煙草の棚から、吸いもしない煙草の銘柄を慣れない手つきで探し、一つ手に取った。


 ふと、黒いスーツの男は明梨の胸に付いている、名前プレートに目を留めた。


「フシガワ……いや、シナズガワかな」


 深夜のコンビニには客が少ない代わりに、話し掛けてくる妙な客も多い。明梨は営業スマイルを意識して、黒いスーツの男に笑い掛けた。


「ああ、よく間違えられるんすよね。シナズガワって言います。五百六十円になります」


 黒いスーツの男はサングラス越しに笑い、明梨に千円札と幾らかの小銭を渡した。明梨はその妙な視線を感じながら、精算を行う。


 内心、また話し掛けてくるのではないかと少し気まずい気持ちになっていた。


「五百円のお返しです。ありがとうございます、またお越しくださいませ」


 明梨は無駄な会話を避けるため、先に決まり文句を口にした。


 黒いスーツの男が嫌だという訳ではなく、どことなく怪しい雰囲気を持つこの男と長い話をするのが嫌なのだ。


 もしかしたら、ヤのつく職業の方かもしれない……などと、明梨は考えていた。


 明梨の気持ちが届いたのか、黒いスーツの男は明梨に向かって、微笑う。


「君、ゲームに興味はあるかい?」


「あ、いや。別にそこまででも」


 謙遜した訳ではなく、話を終わりにしたかった。だが黒いスーツの男は明梨が品物を詰めたコンビニ袋を受け取ると、釣りをポケットに仕舞い、言った。


「君でちょうど千番目なんだ――全国の格闘ゲームランキング、上から数えたらね」


 明梨は面食らってしまい、眉根を寄せて男を見た。


 何を言っているんだろうか、この男は。自分に対しての素性を抑えているのだろうか? 一体、どの筋から――……? 学校、だろうか? いや、しかしこの男は『格闘ゲーム』と、確かに――……


 格闘ゲームにおいて、明梨が名前を公開した事などない。


「あっはっは、冗談だよ。正直言うと、君の情報は揃っていない。大会に出ていないから、ランキングも付けようがないしね」


「……はあ」


 ならば、ゲーム関係者の人間だろうか。それにしても、学校からゲーム関係の人間に繋がった事はない。一人だけ知り合いは居るには居るが、プロの声優と会ったことがある、と自慢をしていたくらいで詳しい話を聞いた訳でもない。


「今、モニターを探しているんだ。『本当に動き、魔法を放つ、異世界の幻想生物』に興味があったら、是非参加者になって欲しい」


 そう言って、男は懐からパッケージを取り出した。店で売られているゲームによくある、円盤型のディスクが格納できるケースだ。しかし、そのパッケージには目立つ広告は一切載っていない。


 明梨は咄嗟に、男にパッケージを返そうとした。


「あの、俺――――……」


 ――だが、その腕は止まった。


 男はそれを見透かしたように、不敵な笑みを浮かべて去って行く。


 ……何なんだ?


 答えなど、出るはずも無い。


 男が自動扉を出る頃、いつになく夢遊が不安そうな顔をして、明梨に駆け寄ってきた。


「大丈夫、あっくん?」


「ああ、俺は大丈夫です……」


 幻想世界が夢だと分かってから、明梨は現実に興味を失い、ただ毎日を過ごすようになった。


 故に、明梨は断り切る事ができなかった。


『本当に動き、魔法を放つ、異世界の幻想生物』と言われ、男に差し出されたものを――――――…………




 ○




「ただいまー」


 家に帰ると、明梨は誰も居ない部屋の電気を点けた。


 時刻、朝の六時。一LDKの簡素なアパートに暮らしている。明梨は部屋に入ると、黙々と就寝の準備を始めた。


 ふと、ゲームセンターで出会った少女を思い出す。神凪爽子と言っただろうか。


「……学校、ね」


 夢遊は学校に通いながら、深夜のバイトもこなしている。授業を午後に組んだりして凌いでいるのだと言うが、明梨はそんな事をする気力も持ち合わせてはいなかった。


 学校に行っても、特別目標もない。家でゲームをやっているのが、一番気楽。


 それが、長い学生生活の中で、明梨が見出したものだったのだ。


 明梨は鞄を漁り、携帯電話を取り出そうとして――……ふと、目に留めた。


 黒いスーツの男から貰ったもの。明梨は複雑な顔をして、無印のパッケージを手に取った。


 ……『本当に動き、魔法を放つ、異世界の幻想生物』に興味があったら。


 何を、馬鹿な。いくらゲームで『リアル』さを追求したところで、そんなにも感動できるゲームなど、存在するはずがない。


 明梨は苦笑し、パッケージを開いた。


「……あれ。なんだ、これ」


 思わず、呟いていた。


 外側のパッケージに何も書いていないのはまだ理解できるが、内側のゲームディスクにも何も書いていないとは思わなかった――というのが、明梨の率直な意見だった。これでは、果たしてこれがCDなのかDVDなのか、それさえも定かでは無いではないか。


 明梨はディスクを取り出し、まじまじと見詰めた。……しかし、特に何かの仕掛けがあるようでもない。


「ま、いいや。なんか動くだろ」


 家庭用のゲーム機にディスクを投入して、電源を入れた。円盤が高速で回転する音が聞こえてくる。


 少し見て、さっさと寝よう。明梨は、そのように考えていた。


『うぇるかむ!! とぅー、身体から☆出ますよ!?』


 何だ、その変な名前は。画面を見た明梨の第一印象は、それしか無かった。


 一体誰に聞いているのか。タイトルロゴ中央の『☆』マークが、やたらと腹立たしく思えて来る。


 ……普通の、ゲームだ。それどころか立体ですらなく、イラストのキャラクターがアニメーションしていた。


 明梨は、溜め息をついた。


 何が、本当に動き、魔法を放つ、異世界の幻想生物、だ。


 結局、ゲームではないか。明梨はそう思ったが、半ば反射的にコントローラーのスタートボタンを押下していた。


 瞬間、画面にポップアップが表示された。


『本当に始めます! よろしいですか? はい/いいえ』


 現れた内容に、思わず明梨は眉をひそめた。


「……はあ?」


 スタートしようと思ったら問い掛けられるなど、普通のゲームでは有り得ない。あまり聞かない会社のゲームなのだろうか。明梨は寄った眉を硬直させたまま、考えた。もしかしたら、ゲームバランスなんて考えられていないかもしれない。


 無心のまま、『はい』を選択する。


『キャラクターセレクト!!』


 画面が切り替わった。左にキャラクター、右にステータスのようなものが表示されており、画面を横に割って半分より上はキャラクターアイコン――になるだろうと思われる画面が表示されている。


 当たり前のように一人のキャラクターしか表示されておらず、他には選ぶことができなかった。


 ビキニのような薄い布地の服装に、ミニスカートを穿いた女の子のキャラクターが表示された。シルクハットと、網タイツ。バニーガールとマジシャンの中間のような服装だ。頭の上には兎の耳を付け、尻には猫の尻尾が付いている。銀色の長い髪に、赤い瞳。


「ゆるふわネコウサギ……トット。なんか『魔法少女コック』みたいだな」


 対戦格闘だとしたら、パクリだと噂されるのではないか……と明梨は思った。


 彼女の隣に表示されている横向きのメーターは、殆どが横よりも縦の方が長い。一つだけ、まともにメーターの形をしているもの――『T』。ヒットポイントだろうか。


 取扱説明書もないので、メーターの読み方が分からなかった。


 何故か、画面の向こう側に居る彼女は虚ろな瞳をしている。妙にリアルな――……


 まあ、これしか選べないのでは仕方が無い。デモ版のようだし、そんなものだろう。明梨はそのキャラクターを選択し、ボタンを押下した。


『一度決めたらもう戻れませんが、よろしいですか? はい/いいえ』


「だから何だよ、この確認は……!!」


 明梨は苛々としながらも、『はい』を選ぶ。


 すると、ようやくゲームの説明が現れた。先程選択した、『トット』が画面上に大きく現れる。


 画面上のトットが、信じられないと言ったような驚愕の表情を浮かべた。


『え? 嘘、本当ですか……!? 良かった、選んで貰えました……!! 売れ残りになって、それで終わりだと思っていたから……』


 それは、まるで本物のように、喋る。


 あれ……? もしかしたら、対戦格闘ではないのだろうか。ビジュアルノベル? そういえば、明梨は格闘ゲームの腕を見込まれただけで、このゲームが対戦格闘だとは一言も言われていない。


 しかし、あれだけ格闘ゲームの話をされて、格闘ゲームではない……? 男は参加者と言っていたが、何の参加者なのだろうか。


『そ、それでは予選のゲームシステムを説明しますねっ!! わあ、ちょっと初めてなので緊張しちゃいます……!! 予選はですね、五つの星を賭けて行われます。勝利した者には相手の星が与えられ、星が十個に到達すると予選勝ち抜きとなります』


 やはり、対戦格闘か……? しかし、大会しか無いようだ。予選と言っていたが、ネット対戦の大会なのだろうか。


 まだ、操作もしていないのだが……。明梨は不安を感じ始めていた。


『ひとつ。ひとつの対戦において賭ける星の数は、いくつでも構いません。但し互いの対戦者は、それに相応しい対価を賭けなければなりません。一つ対五つ、などはダメということです』


『ふたつ。勝敗は相手を完全にノックアウトさせるか、九十九秒のタイムアップ制とします。タイムアップになった場合は、互いの体力差を<スキャニング>を用いて判断します』


『み、みっつめです。えーと……』


 トットと呼ばれる少女は、ポケットから何やらメモのようなものを取り出して、読み上げていた。スタート画面のイラストとは違い、妙に存在もリアルなように見える。いや、これをリアルと表現するなら、だが……


 とても現実に居る生物には見えない。人間なら、こんなにも艷やかに輝く銀髪にはならないはずだ。


『対戦相手は、『からでま』本部が決めるそうです。参加人数が多いので、選ぶ事は出来ないそうです』


 変な名前のゲームだと思ったが、どうやら『からでま』と略すようだ。


 可愛いと表現すれば良いのかどうかは、微妙な所だ。


『よっつ。さっきもお話しましたが……予選を通過する条件は、星を十個集めることです。その前に星がゼロ個になってしまった場合、その時点でゲームオーバー、敗退となります。五回戦行い、星が十個に満たなかった場合も敗退となります』


 トットは、当然のようにメモに書かれている内容を読み上げた。


『ゲームオーバーとなった場合、シンクロした『プレイヤー』は罰ゲームを行った上で……く、『クリーチャー』の生命が失われます。この場合、クリーチャーが私で、プレイヤーが……あなた、つまり不死川明梨さんに該当します』


 明梨は目を見開いて、近付いて画面に手を付けた。


 ――今、この娘はなんと言った?


 急に、明梨の心臓が騒ぎ始めた。ざわざわとした嫌な予感は、ぬるりとした笑顔を浮かべた黒スーツの男を思い出させる。


 本当に、これは架空の世界なのか? そう思わせる程、その映像はリアリティに満ちていた。非現実的ではあるのだが、それにしても……この表情は。


 ……賭ける?


 命を?


『クリーチャー』とは、一体何のことだ?


「は……? 何……? 何だって……?」


『罰ゲームの内容は、お楽しみに……あ、これはメモに書いてあるだけで、私が思っている事ではないですから!』


 馬鹿な。冗談だ。


 これは、ゲームじゃないか。


 何を焦っているんだと、明梨は思い直した。


『最後に、いつつめです。対戦に使用する星は、対戦時間以外の如何なる時間にも移動することはできず、盗難、交換、譲渡など出来ないようになっています。無理に行おうとすると大変危険なので、注意してください』


 しかし……そうと分かっていても、明梨は冷や汗が止まらない。深夜のバイト上がりで、疲れているからだろうか。現実と仮想空間の区別も付かなくなってしまったのだろうか。


 いや、しかし。まるでビデオカメラで撮影しているかのような、この映像は。


『それでは、最初の集合場所はですね、東京都新宿区の地下街、E一出口の更に先、突き当りです。時刻は明日、月曜日……十六日の二十四時ですね。そこに居てください。時間通りに現れない場合、無断の棄権とみなし、罰ゲームが課されるそうです。……絶対、来てください。その後で止めるタイミングは、ありますから』


 ――月曜日。


 明梨はカレンダーを確認した。確かに、十六日は月曜日だ。だが、そんなものがゲームディスクに埋め込まれている筈もない。たまたま、だろうか? どこかの月の十六日が月曜日の場合など、そう珍しい話ではない、かもしれない。


 先程の、名前も――……自分の、聞き間違いかもしれない。


 だが、最後にトットは、笑顔で明梨に微笑んだ。


『こちらからは、見ることはできませんが。当日、お会い出来ることを楽しみにしています。不死川明梨さん』


 明梨は、身動きを取ることすらできない。


『――――イッツ・ショウタイム!!』


 そして、画面は閉じられた。

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