急。
敵は目の前で俺の変身を待ち構えていた。悪党にしては殊勝な心掛けだ。
さあ、行くぞ!
俺のコンバット・スーツに装備された必殺兵器を食らえ!
『ネイル・アタック!!』
俺の指先から発射された超硬度の針が、奴等の指の先に刺さる!針は間違いなく奴等の指の爪の中に入って激痛を誘うんだぜ!
おっ、効果てきめん、全員もんどりをうったぞ!
お次は、『ホイル・バイター!』
俺の肩に内蔵されたアルミ箔が、転送機によって奴等の口の中に転送され、否応が無しにそれを噛まなけれはならない!
案の定、マスクを被ったままだから、口の中のアルミ箔を吐き出せずに、パニックを起こしているぜ!あのワシャワシャするのが実に堪らない。
よ~し、とどめは『ネイル・ソニックアタック』だ!「スーパー・ブラックボード、カム・ヒア!」
俺の呼び掛けに、宇宙船からブラックボードが俺の傍に転送された。
俺はオプションのアイアンクローを右手の指に装着し、ブラックボードの表面をそれで引き裂く!
引き裂かれたブラックボードから、超高周波が発生して敵の鼓膜を打ち砕くのだ!
……うううっ、堪らん!これは敵にかなりのダメージを与えるが、俺も同じダメージを受ける諸刃の技だった、もう止めよう…!
――ん?何だ、奴等、各々変なパーツを取り出したぞ?反撃する気だな。
何をちまちまと…ほう、パーツを組み立てて大砲を作り上げたぞ。
おっ、筒先を俺に向けたぞ。俺を撃つ気だな。宇宙警察の司令のちいせぇナニみたいな大砲で、俺を倒せるものならやって見ろ、ほれ、ドーンと来い!!
『スーパーバズーカー・ファイアァッッッッッ!!』
ドオオオオオオッッッッッンンンン!!………………………………………………
……ドン、ときたね、ドン、と。こりゃぁこたえた。今まで色々な奴と戦って来たが、こんな気合いの入った威力を持った技は無いよ。
でも、へーき。この、銀河警察が造り上げた最強のゴールド・コンバット・スーツはヤワじゃ無い。核爆発の直撃にも耐える硬度を持っているんだぜ!
おっ、奴等慌てていやがる。何しろ、必殺の技を破られたんだからな。
と、なると……矢張り、お約束通り出て来た、空中戦艦!
おう、情報通り、戦艦の中から五機の不細工な乗物が出て来たぞ!
おおっ、各機が変形しながら合体して行く!何か知らんが、妙に格好いいな。星のオモチャメーカーがこれを見たら、合体超合金セットを作って売り出しそうだ。よし、カメラマンさん、あいつをちゃんと記録しておいてよ!二人でさ、後でメーカーに売りに行こうぜ。オモチャが出たら、甥っ子に一つ買ってやる事にしよう。
おっと、ロボットに合体が終了した様だ。
身長五十七メートル、体重五百五十トンの奴等の最後の切り札が、俺の前にそびえ立っている。
合体したら、即座に剣を取り出した。奴等も必死らしいな。
しかし、俺は決して、手を抜かないモンね。
切り札には切り札――『反応兵器』を使用するだけさ。
……何、カメラマンさん……反応兵器って?
?知らないの?嫌だなぁ、それぐらい知らないで良く銀河TVの仕事しているね。
新型の『核撃弾』を奴等のロボットに撃ち込むのさ。
……え?もしかして『核兵器』の事、って?
そんな無粋な言い方はするなよ。確かにそうだけど、他の武器だとエネルギーをかなり消耗するから効率も悪いし、ミサイルなんかだと、後で本部に使った弾の数を報告をしなけりゃならないし、本当、手間がかかって、色々と面倒臭いんだぜ。だけど、こいつなら一発で、ポン、だ。後腐れは少々あるけど、楽だぜ。俺はこいつが気に入っているんだ。
……え?刑事なら、何故、奴等を生かして逮捕しようとしないんだ、って?
やだなぁ、どこの銀河に、そんな面倒臭い真似をする宇宙刑事が居ると言うのだ?
宇宙刑事規約第十三条に、
「宇宙刑事は、状況に応じて各々の判断で犯人を処分出来る」
って、記載されているんだぜ。知らんのか?
大体、こんな未開の星の住民風情が、連邦推薦の弁護士を雇える程の金があると思うかい?こういう時は、後腐れを少なくする為に永遠に黙らせるのが一番なのさ、クスクス。
……それに、核爆発の直撃にも耐えられるこのコンバット・スーツの防御力がもったいないでしょ?
……何、青い顔しているんだよ。……怖い?判った、さっさと敵を倒しちまおう。
……え?俺が怖いって?
だろうな。何せ、銀河警察一の実力者だからな。
………別の意味で怖い?、だって?
どうでもいいじゃないの、細かい事には拘らない、拘らない。
それ、行くぞ、ポチッ、とな。
ポン。
……ふう。終わった。やっぱり、反応兵器は一番だ。見てくれよ、あの綺麗なきのこ雲まるで俺のナニみたいに、デッケェぜ。
おおっ、きのこ雲が成層圏まで届いたぞ。今までの中で一番大きいものだ。これぐらいの規模なら、この星に巣くう他の薄汚い原住民どもも一掃出来るな。
いい仕事をした後は気持ちがいいな。
――さて。
一仕事終えたと思ったら、又、本部から指令が入った。
今度は、この星から六万光年離れた星に巣くう悪の巨人を倒す仕事だそうだ。
届いた資料では、身長四十メートル、体重三万五千トン、銀と赤で塗り分けられた体色を持つ非原住民で、両腕を交差させ、高周波振動させる事によって共鳴発生させた衝撃波を発射する必殺技を持っているそうだ。
しかし、俺は畏れない!俺には『反応兵器という強い味方があらぁな。
そう!俺は宇宙刑事ニュークリアー!宇宙一の、宇宙刑事だぜ
では、此処でお別れだが、今度は後楽園で僕と握手だ!(意味不明)
終
必勝!宇宙刑事N arm1475 @arm1475
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