第4話 自宅
キャラクターメイキングと船舶メイキングが終わったので配布される住居へと案内してもらうことにしたら、色々と説明された。説明によると与えられた自宅は選択式で、高級マンションか一戸建てのどちらかを選べるらしい。
「一戸建てか、マンションか。どちらがいい?」
「……プール付きの一戸建て……」
「前はマンションに住んでいたと思いますので、一戸建てがいいです。動物とかも飼えるかも知れませんし……」
「まあ、要望を伝えてみるか」
北島先生に要望を伝えてみる。
「アホか、貴様は……」
「ですよね。でも、プールが欲しいってこの子が言うんですよ」
「ふむ……プールか」
北島先生が検索してくれるが、やはり無理だろうな。
「あ~これも運命の女神の力か?」
「あるのですか?」
「ああ、あるぞ。ただし、条件として管理人となることだな」
「というと?」
「現在、管理人がおらずに放置されているようね。与える条件としては整備と月々の賃金を払えばいいと資料に書かれているわ」
「いくらだ?」
「月々100万ね。購入だと3億よ」
「ローンの購入でも可能か?」
「可能よ」
「半額チケットがあるんですが……」
「1億5千万ね」
「月々の支援っていくらですか?」
「三人だと200万ね」
「なら、月々の返済は100万でいけますか?」
100万ならばステーションで稼ぎだせるだろう。それにいざとなれば支給額から引き渡せばいいだけだしな。
「可能よ。ただし条件として何人か人を雇って、こちらが指定する人を入居させるのならね」
寮として使うということか。確かにそれだと儲けが出そうだな。後、見せてもらった感じはリゾート施設のような感じなので、綺麗にしたら開放して資金稼ぎに使うのもいいかも知れないな。
「わかりました。どちらにしろ、人は雇わないといけないので。ですが、入居者はこちらでも選定させてもらいますよ。危ない人やルリ達を襲う人はごめんですから」
「もちろん構わないわよ」
「では、それで」
契約を交わしてから服などの支給品を受け取った。その後で自動で運転されている車で、目的地を告げると案内してくれた。
到着した場所には大きな洋館二つと広大な庭がある場所だった。さんごが所望したプールもある。しかし、壊れたりはしていないが掃除や除草が必要だ。
「大きい家なのです」
「……楽しみ……」
「まあ、色々と大変だろうけどな。いくよ」
「はいです」
「ん」
二人と手を繋いで中に入っていく。まず、本館であろう洋館に入ると、大きな玄関へと到着した。そのまま中に入ってみる。幸い、定期的に掃除はされているようで、そこまでひどくはないが少し埃っぽい。
「えっと、渡された資料に掃除用の機械があるらしいのでそれの電源を入れるだけでいいみたいです」
「そうか。それは何処に……」
「……これ……?」
さんごがボタンを押すが動かない。というか、電気すらついていない。
「……動かない……?」
「発電機からなのです。発電機は……外の山の近くにあるです」
「そうか……なら、行って来るから家の事は頼んだ」
「はいです」
「……がんば……」
「ああ、任せておけ」
外に出て脇道を進んでいくと。草や木が無駄に生えて道を覆い隠してしているので、この辺の手入れもしないといけない。それに敷地は広いので畑を作るのもいいかも知れないな。
山の麓にある水車小屋に発電機があった。そこには川が流れており、綺麗な水が流れてきている。山の上には施設みたいな物が見えるがそこは壁で覆われている。何かあるのかも知れない。
「しかし、水力発電もしているのか」
不思議に思いながら小屋に入ったのだが、どうやらただの飾りみたいで発電機は俺達からしたら未来式な何かだった。取り敢えず、鍵を刺して機動ボタンを押してから書かれている手順に従って起動していく。
発電機が起動すると館の方でも電機が突き出した。これで問題無いみたいなので俺も川を見ながら歩いていく。魚は居ないようだ。しかし、川の水の一部が館の中に入り込んでいるようだ。
家の中に戻ると掃除用の機械や空気清浄機が動いていて埃や塵などを排除してくれる。二人を探すと扉を開けたりして探検をしていた。
「お帰りなさいです」
「ただいま。それで部屋は決まった?」
「それはまだです。夫婦なので一緒の部屋にしようかなって……」
「そっか。でも寝室だけは一緒にして後は個人用の部屋を作っていいよ」
「わかったのです」
「ところで、さんごは?」
「さんごちゃんはゲームの方に行ったです。こっちはるりに任せて、向こうを直すって」
「そうか。確かにそっちの方がいいな。じゃあ、荷解きとかもしちゃうか」
「はいです」
寝室と決めた部屋はキングサイズのロングサイズの奴が有ったのでそこにした。ただ、何時使われたか分からないベッドなのでシーツとマットは捨てて新しいのを注文した。他の部屋や食器類も同じだ。何時から置かれていたかもわからないしな。
取り急ぎ綺麗にして調整した調理場でるりと一緒に晩御飯を作っていく。といっても、何かわからない素材の合成肉や合成野菜などだ。これを食べても問題無いらしい。というか、自然食品はほぼ全滅しているらしい。なので、ナノマシンで味付けしたり調理するらしいが……これ、実はかなり危ない事だ。
「間違えたら死ぬな」
「弄っていないので大丈夫です。ですので、美味しくないですが……少し待っていてくださいです」
「ああ、頼むよ」
「はいです。必ず免許を取るです」
ナノマシンに関する免許を取らないと駄目なのでこれから勉強が必要だ。俺も機動兵器の訓練所に行く予定だ。
さて、料理ができたのでさんごを呼びに行って食事を取る。
「それで、ステーションはどうだった?」
「……受け取りはまだ……今、必要そうな資材を購入した……後、試験受けてた」
「試験?」
「……知識を手に入れた奴の試験……」
工学関係に関してだろうな。おそらく動力炉を取りつけたりするために必要なのだろう。
食事が終われば、別々に風呂に入って新品のマットレスを入れて整えた部屋で待つと二人がバスタオルを巻いた状態で手を繋いで入ってくる。顔を赤らめながらこちらに寄ってくる。
「大丈夫か?」
「はっ、はいです……」
「……ん、大丈夫……それに身体が……熱い……」
「ん? どうしたんだ? 風とかじゃなだろうか」
「いえ、その……渡されたお薬を飲んだんのす……それで……」
バスタオルを床に落とすと綺麗な火照った肌が月明かりにさらされる。二人の整った顔立ちもあり、幻想的な雰囲気が醸し出されている。彼女達の頭から下へと視線をやって生まれたままの姿を見ていく。すると変化がある場所がはっきりとわかった。
「なるほど、媚薬か」
二人の身体は普通よりかなり小さい。だから、渡されたんだろう。大事な初夜だから失敗は出来ない。出来る限り優しくししよう。
「おいで」
二人をベッドに入れて抱きしめながらキスをして身体を撫でて二人が落ち着くまでゆっくりする。それから二人をベッドに寝かせていく――――
翌日、スッキリした気分で目覚める。すぐ近くから暖かい感触が伝わってくる。視線をやると、そこには互いの手を握りなら俺に抱き着いている眠っている。
昨日は最初こそ優しく出来たが、最後の方になると気持ち良すぎてかなり激しくして何度もしてしまった。
既に時間はお昼を過ぎている。しかし、起こすのは悪いので頭を撫でながらゆっくりとしている。
「んっ、おはようです……」
「……おはよう……」
「ああ、おはよう」
撫でていると起きてきた二人と交互に額や唇にキスをしてから起きる。起きてから臭いが凄いので汗を流す意味でも三人で風呂に入る。二人はまだ辛いのか、ぼーとしているので抱き上げて風呂に入れる。
「身体は大丈夫か?」
身体を綺麗に洗ってあげて一緒に湯船に入る。膝の上に二人を乗せてゆっくりとつかりながら聞いてみる。
「……痛い……」
「凄く痛くて、辛いです」
「すまん、やり過ぎたな」
「別にのいいです……これが、妻の役目ですから」
「……ん、問題ない……でも、毎日、これは……つらい……」
「数日おきにするか」
「それは嫌です。気持ちいいのは気持ち良かったのです」
「……他の所、頑張る……」
「わかった。だが、辛かったら何時でも言ってくれよ」
「ん、わかった」
「はいです」
風呂から上がり、着替えが終わった後用意した食事を食べてゲームにログインする。
ログインした俺達は廃棄予定だったステーションをゲートを使って持って来てくれた人から受け取り、俺達は宇宙服に身を包んで中に入る。ステーションの中は無重力で身体が浮いている。他にも色々な物が浮いている。当然、生命維持装置も働いていない。
「取り敢えず、ルラは動力炉を頼む」
「ん、任せて」
「私達は片付けなのです」
「じゃあ、マップを見る限り工場があるからそこからだな。ナノマシン製造装置を動かして修理しないといけないからな」
「はい、頑張りましょう」
さて、この廃棄ステーション。どう考えてもこの空域にある本来の宇宙ステーション・アマノミハシラよりも大きい。ドックの数もかなりあるようだ。これでまともに運用出来るようになると資金稼ぎが出来るだろう。
数日間で一部の領域だけ綺麗になり、動力炉も動き出している。高出力の高重力動力炉のお蔭で生命維持装置など必要最低限の物は動くようになっている。一部の領域だけだが、他は隔壁で封鎖しているので問題ない。現在、動かせそうなドックは5個と複数ある工場の3つと動力炉、コントロールルームとなっている。
工場では修理素材や武器、作業用ロボットとかも作っている。後はナノマシンを量産して修理したりすればいい。
それにアマノミハシラとも連結通路を設置してあるので行き来は出来ている。小型艇とかでも行き来は出来るが、歩いてもいける。
こんな感じで数日が過ぎた訳だが、さんごことルラには動力炉の修理と製造を頼んでいる。何故なら、エネルギーがもっとあればロボットとかも量産できるからだ。やはり、高出力とはいえ小型の動力炉では旧型とはいえ大型のステーション動力炉には及ばないのだ。まあ、ルラが高出力の高重力動力炉を参考にして魔改造しながら修理しているらしいので修理で終れば問題ないだろう。
俺は現実の家を修理したり、草取りしたりしながら士官学校にある機動兵器の訓練所に通ったりしている。ルリことラピスにはステーションのソフト面の修正を行って貰っている。それに並行してラピスもナノマシン関連の免許の習得を行っている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます