サプリメント02 クリスマス

メリークリスマス(当時)

時系列は忘年会からたぶん約1年後?。

まあギャグ時空なので、深く考えないでください。


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 12月25日。

 ここナザリックでは何もない、ただの冬の日。

 しかし、リアルを知る者にとってはクリスマスの日。


 西洋では宗教的な意味合いの日だが、お祭り好きな日本では家族や恋人と過ごす日であった。ふとすると生前のいろいろな思い出が浮かんでくる。仕事を必死に終わらせ家族と過ごす束の間の幸せを噛みしめたり、子供にばれないように欲しいものを聞き出そうと苦慮したり。ここぞとばかりに良い食材を買いあさったり。

 そんなクリスマスの日のBARナザリックは、いつもと変わらずお客様をお迎えする。


「アインズ様」

「ん?どうした」

「そのマスクはどんな意味があるのですか?」


 昼過ぎに来店されたアインズ様は、なぜか赤い仮面を装備して酒を飲み続けているのだ。この赤い仮面は無駄に造形が凝っおり、まがまがしい雰囲気であるものの、見方を変えると模様のためか泣いているようにも見える不思議な仮面だ。


「うむ。リア充には関係のないアイテムだ」

「いえ、気が付けば常連の二人も同じマスクを装備して腕を組んで仁王立ちしているのは、営業妨害の何物でもないのでどうしようか苦慮しているのですが」


 そう、なぜか常連のヴァンパイアとワーウルフがアインズ様と同じ赤いマスクを被り、入口の脇に腕を組んで仁王立ちしているのだ。正直うざい。無駄に筋肉質なワーウルフは特にうざい。


「なに、こんな時間は哀れな独り者しか店にはこないさ。いや、むしろここでカップルが来た場合は全力で戦いを挑まざるえない」

「ここはBARですので、カップルが来たとしても、お酒を飲むためなら間違いではございませんが」


 現在のナザリックにカップルや夫婦はそれなりの数存在する。最初はセバス様とツアレ様ぐらいしかいなかったのだが、リザードマンの夫婦にはじまり、少しづつだが夫婦やカップルが増えてきているのだ。

 とはいえ、アインズ様が言いたいこともわかったので、酒のお供にお話をふることにする。

 赤ワインとレモネードを準備し、冷やしたワイングラスにレモネード。そして赤ワインを静かにそそぐ。比重が違うため下は透明、上は赤。そして最後に緑が映えるミントを1枚。


「アメリカンレモネードのクリスマススタイルです」

「ほう。心のオーフェンたる私に、クリスマスカクテルを出すのか。良い度胸だ」


 アインズ様はそう言いながらも、酒を受け取り口をつける。たとえ嫉妬に狂っていようと美味しいものはしっかり楽しむ。まあ支配者に対する言葉ではないが、可愛らしい側面である。ついでに常連2人にも同じものを出しておく。


「こう言っては何ですが、私も似たようなものですが。主観時間で数十年ひとり者ですし」

「しかし、貴様は元とはいえ妻帯者ではないか。それこそクリスマスというイベントを楽しんだのであろう」

「まあ、人並みには」

「私には人並みどころか、1度もなかったのだぞ!神は平等と言っていたがなぜ格差が存在するのだ。なぜ我々は1夜の愛さえないのだ」


 アインズ様は飲み終わったグラスを置くと、こぶしを握り力説されている。ある意味骸骨がクリスマスの過ごし方に熱弁を奮うというのは、シュールを通り越してコメディなのだが。そして常連2人もアインズ様の熱弁に感じ入るようにうなずいている。というかお前ら2人はNPCだからクリスマスの風習自体知らないはずだろう。


「そう。その格差こそ、その現実こそが私を嫉妬に狂わせるのだ」


 マントを翻し、まるで演説するように両手を大きく広げ高らかに宣言する。ただしBARには私を含めても観客は3名しかいないが。


「ゆえに、われらは嫉妬マスクをかぶるのだ!」

「然り!然り!然り!」

「然り!然り!然りぃぃぃいい !」

 

 完結して、さらにおまけまで続いて初めてのセリフがこれとは、どこの王の軍勢アイオニオン・ヘタイロイなのだろうこの常連二人は。

しかし、そろそろ……。


「普段からお仕事詰めですので、今日一日でお休みされたとしても問題になるとは思いませんが、そろそろアルベド様の準備が整うころかと」

「アルベド?」


 アインズ様は、なにを言っているかわからないという風に聞き返してくる。


「はい。先日御2人で来店された際、クリスマスの話をされてアルベド様が手料理を用意してお部屋で待ってますねとお約束されていたではありませんか」

「あ」


 アインズ様。その反応は忘れておられましたね。まあ直接非難することはしませんが、今ごろ準備をされ、まだかまだかと待っているであろうアルベド様が少々不憫なので、誘導することといたしましょう。


「アルベド様は午前中こちらにおいでになり、アインズ様のお好きな料理をたくさん準備されてましたよ。もちろんまごころを込めて」

「そ、それは」


 気が付けば扉の脇で立っていたはずの常連二人が、アインズ様の背後に立っている。いつの間に移動したのだろう。しかも雰囲気は同志に裏切られた30代独身男性のような謎の雰囲気を発している。


「たしかに隙あらば押してくるアルベド様の愛は、なかなか受け止める側も大変でしょうが、かいがいしく料理を準備して、お部屋で待っていらっしゃる方を放置するのはどうかと……」

「わ……わかった。私は用事を思い出したので、もう行くとしよう」

「はい。ああそういえば、店用で準備していたもので申し訳ございませんが、ここにフラワーバケットがございます。ご用事にはこのようなものも必要かと」

「ああ、ありがたく貰おう。では行くとしよう」

「はい。またのご来店をお待ちしております」


 アインズ様に、数種の赤い花に緑の葉をあしらったプリザーブドフラワーの小さなバケットをお渡ししお店から送り出す。

 そしてのこったヴァンパイアとワーウルフがなぜか壁を叩いている。


 しょうがないので、まず昨晩から準備していたローストチキンをオーブンから出す。ローズマリーのほのかな香りを楽しみつつグレイビーソースをかける。続いて玉ねぎ、にんにくと洗った米をオリーブオイルで炒める。そしてオリーブオイルとオイスターソースに塩コショウで味を調え、 殻付きのエビにアサリ、パプリカ、トマトを順にのせて弱火で炒めたパエリアを作る。飲み物はボルドーワイン。重い味わいだが、ローストチキンやパエリアなどにはよく合う。


「そんなところで壁を叩いていないで、さっさと食べますよ」


 そういって私は料理の前でワイングラスを掲げるのだった。


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完全な時事ネタのショートショートでした。

コミケの準備中なのに……。


そういえばボッチ疑惑のある子供(10歳)がクリスマスというかリア充についてグチグチいっていた。


その時

嫁 「パパとママもリア充だよ」

子供「衰退系リア充のことはどうでもいいの!自分は現在進行形リア充じゃないのが嫌なの」


ちなみに私と嫁は死ぬほど笑うど同時に感心してしまったのでここにメモ

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