応援コメント

あるアルバイターの一日」への応援コメント

  • 「校閲・感想コンテスト」用の辛口レビュとなります。

     まず、本作は魔物がよく描けています。また描写をそぎ落とした文体と平熱系主人公がマッチしています。
     記憶喪失というゼロ地点から少しずつ情報開示していくのも良いですね。開示される情報の量が適切で、軽々と読み進められます。
     この「育成系」は現在ややニッチですが、今後売れるかもしれない分野でもあり、市場的に考えても優秀です。
     このまま規格内に収めて某D撃賞に送れば2~3次には残れるでしょう。

     ただ現時点からさらに上を目指すのであれば、いくつかの課題をクリアしなければなりません。

     まず、魔物たちの魅力がまだ足りません。この物語はほぼ「モフモフ」が牽引していっていると言っても過言ではない。この10倍は魅力を引き出しましょう。
     難しく表現するまでもなく、たった一言添えるだけで彼ら(?)の魅力は爆発的に増大します。
     また彼らの魅力に取り憑かれた主人公が愛でるだけで、何故か主人公の魅力も増大します。

     次にシーンの切り替えが曖昧な部分が目立ちました。シーンの切り替えとは朝になったり夜になったりではなく、「見る場所が変わったよ」という読者へのアプローチ、見所の切り替えのことです。
    「この話は子ども捜しだよ」とか「ここはヴァイアスの治療だよ」とか。そういう部分が曖昧だと、「あれ? 子どもの話かと思ってたんだけど。子どもはどうなったの?」となってしまう。
     非常に難しいと思いますが、短い台詞で読者への見せ方が変わったことを明示し、読者をより良く誘導してあげましょう。

     最後に、致命的な部分の指摘。

     ブラッドウルフ編の27日午後。勇者の台詞で「異世界に戻る方法を探しているんだ」は「異世界から戻る方法を探しているんだ」か「日本に戻る方法を探しているんだ」が正しいかと思われます。

     パラレプス編の12日目午前と午後。内容が同じでは?

     以上で辛口レビュを終わらせていただきます。
     非常に面白いお話でした。がんばってください!