歴史モノや時代モノは専門知識や文体の固さから敬遠されやすいイメージですが、この作品では読み易くライトな文章でありつつ、時代劇的な雰囲気もしっかり出ている印象でした。それら2つの要素が、上手く調和されている文章は見事だと思いました。
ただキャラや展開には突出した部分が足りないように思えたので、この作品ならでは、この作品でしか楽しめない要素がもっとあった方が良かったのではないかなとも思いました。
しかしオチというかラストのエピソードは爽やかで心温まるような感想を抱きました。こうした締め方は個人的に好きです。
工夫次第でより面白いものを見せてくれそうに感じたので、作者さんの他の作品にも期待したいです。