第3話 パパイケメン、ママ美人、僕赤ちゃん……

 結論から申し上げたい。


 どうやら俺は赤ちゃんになったみたい。

 これはどうしようもなく、そして紛れもない事実だ。

 しかし、子供に帰りたいとは思ったが、まさかの赤ちゃんとは……


 人生、何があるか分からないね!

 まぁ、俺は雲になれたら良かったんだが……


 そして、先程の女巨人についてですが……


 俺を自分の胸元まで下げたかと思うと、いきなり自分の服の前を上げ、豊かな二つのお山を拝見させて下さいました。


 こう言っては何ですが。

 ……僕、DT……

 初めて見る女性のシンボル。生ぱいおつは、十分過ぎる程の衝撃を俺に与えてくれた。

 ありがとうございます、と頭を下げたい気分だ。

 どうやら首がまだ座ってないからグラングランしますけど。


 そして、そのシンボルの先端にはポッコリと突き出た突起物……

 通称『ビーチク』が……

 しかもこの女。ポコリと突き出た乳頭(ビーチク)を、何と俺の口に強引に突っ込んで来るではないか!


 何しやがんでぇ! このアバズレが!

 これがお前のプレイなのか!?

 何て言えないよ……しかし、童貞相手に大胆な……

 積極的過ぎて僕ちゃんパニックっちゃう。


 さらにありがたや〜と思ったら、その先から何やら甘い液体が……


 あぁ、これ母乳って奴か……



 …………




 え~~~……



 俺ってそんなに小さいの?

 つーか、乳児?

 生まれ変わったどころか、生まれたてホヤホヤのウルトラベイビーって事ですか?


 しかし、この香り……凄く安心する……


 これがあれか、世に言う母親の味って奴か……

 味噌汁とか漬物とか煮物とか、そういった類が母親の味と思っていたが、違った。


 うん、これいい。

 凄い幸せだ……


 母親って偉大なんだな。


 て事は、この巨人は俺の母親なのか。

 うんうん、いいじゃないか。


 宜しく頼むよ、ママン……


 腹が満たされたせいか、俺は猛烈な眠気に襲われ、そのまま深い眠りに落ちて行った……


 どうか、元の俺に戻りませんように……


 と言う、切実な願いと共に俺はまどろんでいく……


 おやすみ、ママン……

 ラブリー、ママン……




 ーーー





「ウン、ギャーーーーー!!」


 目が覚めた瞬間、俺は泣いた。

 だって、俺の目の前に更なる巨人の顔があったんだもん……


 その巨人の顔って言ったら……


 短く刈り込まれたブロンドの髪の毛に、うっすら顎を包み込む無精髭。


 やや彫りの深い顔は、さながら世界的俳優のブ○ッド・○ットみたい!


 て、かなりのイケメンやないかい!

 ……いやいや、突っ込んでる場合ではないのだ。


 そいつが急に寝ていた俺を抱き起こすもんだから、おもむろにこいつの顔にワンパンくれてやりたいところなんだが、いかんせんこの肉球みたいな手では、こいつを喜ばせるだけだろう。


「おいおい、くすぐったいじゃないか!」

「んー! ほっぺた食べちゃうぞー!」

「ベロベロばーー!」



 とか、されたらマジで恐怖だな……

 体は赤ちゃん、心は大人……もとい、高校二年生。

 どっかの名探偵みたいではあるが……


 ここは冷めた目つきで眺めるしかないだろう……

 眉間に皺寄せりゃいいんじゃね?


 そして、僕のママン。

 良く良く見なくても、かなりの美人。


 髪はやや栗毛。


 力強く描かれた両眉に、高い鼻。両目は綺麗な二重まぶたで、厚ぼったい唇。


 そのスタイルや出るとこは出て、凹むとこは凹んでいる、まさにボン・キュッ・ボン!


 見るからにあのアン○リーナ・ジ○リー……

 いや、俺の好みはア◯・ハサ◯ェイだが。

 見え無くもないんだけどな。


 この二人、そうですよね? って言いたくなるくらい似てる。

 俺を抱き上げて、凍り付くような笑顔であやしてくるこいつはは俺のパパンなのか?


 イケメンなら許せるかも……


 だって、俺もイケメンになるはずじゃん? この二人が親ならば!


 ぜひ、そうあって欲しい。


 ところで俺の名前なんだが……


 前の名前は何だか味気ない平凡な名前。

 佐藤とか田中とか斎藤とか……巷では聞かないことがないくらいの当たり障りのない名前だった。


 今度はカッコいい名前がいいな!

 どんな名前かな?

 

 つーか、言葉が分からん……


 何よりもまずは語学の習得だな。

 ぶっつけ本番、一発合格で取った英検一級の俺ならば、すぐに体得できるだろう。


 と、期待ししつつ食事の時間がやって来た。


 恥じらいもなく、愛に溢れた笑顔で胸元をはだけるママン。

 

 今日も頂きます。

 ジュパジュパ吸います、しゃぶります!


 ごちそうさま、ママン。

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