第2話 転生ですか!?

まばゆい光が徐々に消えていき、目に入ったのは青い空・・・

視線を下げた足元には白い雲!?

ちょっと、ここ何処!?

周りをキョロキョロすると一面の青い空・・・

続いて自分を確認・・・

うん、部屋にいたときと同じ上下グレーのスウェット。

怪我は無し。


再び視線を上げたその先には”執務室”と書かれた扉が一つ・・・

選択肢は無いですね・・・

覚悟を決めてノックしてみます。

コンコンコンッ!

「どうぞ!」

「失礼します・・・」

恐る恐る入室・・・

部屋の中では、うず高く積まれた書類と格闘する女性が一人・・・


「少々立て込んでいてね、とりあえずそちらのソファに座って待っていてくれたまえ!」

「はい・・・」

言われるままにソファに座り、書類と格闘を続ける女性を待つことに・・・

うん?

あれ、こんな服着てたっけ?

それに肌が妙に白いような・・・

自分の衣服を確認・・・

あれ?さっき確認したときは上下グレーのスウェットだったはず・・・


明らかにこの部屋に入る前と服が違います!

しかも、何だかスースーするような・・・

これってもしかして・・・

スカート!?

何だかローブみたいな服に変わっています・・・


続いて自分の手を見る・・・

やけに小さい・・・

それに肌が真っ白・・・

視界に入る僕の髪の色が黒から銀色に変色・・・

えぇ!?

もしかして恐怖体験して髪の色が変わっちゃったとか!?

続いて体を上からポンポンと・・・

ちょっと待って!?

胸がある!?

あるはずも無い男とは違うふくらみを確認・・・

何、僕に何が起きてるの!?

誰か説明ぷりーず!!!!!


僕がパニック状態に陥っていると・・・

「お待たせしたね、それでは説明に入ろう!」

先程まで書類と格闘していた女性が僕に話しかけて来ました。

「あの・・・僕の体が・・・」

「あぁ、まずはそこからか。」

パチンと女性が指を鳴らすと、僕の目の前に巨大な姿見の鏡が出現。

そこに映った僕の姿は女の子でした・・・

銀色の髪・赤い瞳・白い雪のような肌。

男だった僕の面影は何処にもありません・・・

「うんうん、中々可愛らしいじゃないか!」

褒められても・・・褒められても嬉しくないです・・・


「さて、何から話そうか・・・」

僕は必死の形相で女性を凝視していました・・・

藁にも縋る気持ちってこんな気持ちなのかな・・・

「まず、君は私たちの運営する適職診断をやったはずだね。そして、その診断結果が女神だった。違うかい?」

「適職診断は間違いなくやりました。そして診断結果が何故か女神になりました・・・」

僕の返答にうんうんと肯く女性。


「現在、私たちには女神が不足していてね。君のように女神と診断された者を新たな女神としてスカウトしているのだよ。」

はい!?女神としてスカウト!?じゃあこの女性は女神様!?

「あの・・・でも・・・僕、男ですよ・・・」

「そんなことは些細なことだよ。神族なんてものは元来性別なんてあって無いようなものだからね。男性だったり女性だったり両性だったり、性別がなかったり、どちらにもなれたりね。」


「僕は・・・これからどうなりますか・・・」

真っ青な顔でこれからのことを聞く僕・・・

「体の方は女神適正を持つだけあって、無事に変化がおわったようだね。次は君の新しい職場に行ってもらうことになるね。もちろん女神として。」


再びパチンと指を鳴らす女性。

姿見の鏡が消え、僕の前に黒い扉が一つ出現しました。

「その扉をくぐれば君の職場に直行出来る。詳しい仕事の話は現地の先輩に聞いておくれ。」

「あの、断って帰ることは出来ませんか?」

無駄だとは思いつつ、女性に聞いてみる・・・

「それは出来ない。既に地上では君という存在は消えているのだから戻る場所など無いよ。それに、あたしも中間管理職でしかないんでね。あんたを助けてやれるような権限は無いのさ。」

「そんな・・・」


「覚悟を決めて女神として生きていくんだね。それが先輩からのアドバイスって奴さ。」

「わかりました・・・僕・・・行きます・・・」

ガックリと項垂れながら黒い扉に手をかけ、ドアノブを回す。

扉の中は黒い渦・・・

物凄い吸引力・・・

「ちょ・・・ちょっと・・・あ・・」

僕はその渦に飲み込まれるように消えていった・・・

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