第29話  苦手の克服 2 ブラックアウト

 次の日の朝早く。凍太は一人「科機工」棟へと向かい、地下にあるオットーの工房へむかった。

「やぁ、おはよう。で?決心は決まったかな?」

 つなぎ服に皮手袋。前日と同じ格好でオットーは問うてくる。

「決まったよ。ここで働きながら、制御を学ぶ」

 凍太の決意は昨日の夜から変わってはいない。

 やることが明確になって、むしろ、決意は一層強くなったといえた。

「そいつは良かった。なら、まず最初に炉に火を付けてくれ。そして一度付けたら火の勢いを弱めるな」

 オットーの口調が本気の声に変わる。

 炉の横に立って、コークスを入れる窓をレバーで広げ、そこに火を起こすような

 イメージで構成を編み、魔力を練って火をおこす。基本はこれで良いが、苦手意識があるのか、やはり、ついたり、消えたりを繰り返してしまう。

「どうした!早くしろ!」

 オットーは前方の口に立って激を飛ばした。

 構成を再構築し、今度は魔力をあまり煉らずにマッチの先ほどの火をおこすようにイメージをすると――――

 ボウっとコークスに火がともるのが確認できた。

(そうか…最初から大きくするから消えるんだ。コンロでガスが強すぎて消えたりするのと同じか)

 凍太は頭の中で分析をしながら、今度は中の火をだんだん強めるように魔力を送り来む。

 徐々に内部が赤くなり、やがて、炉内がオレンジ色になった所で。オットーが棒状の鉄を炉内へと入れ込んだ。

「いいか!これから絶対魔力を途切れさせるな!」

 またもオットーの指示が飛んだ。

 魔力を少しずつ流し込む。と同時に中で炉前の口から風を少し吹き入れる様にイメージした。

 指先や関節が魔痛症の影響だろう、チクチクと痛み出す。だが――――凍太は一定量を流し込むことを止めず、火を魔力と風の両方のアプローチで燃やし続けた

 オットーが鉄を引き抜く。すかさず、台において、ハンマーで延ばし、叩いて、形を変えていく。

 叩く途中に鉄の温度が少しでも下がると見るや、また炉の中で加熱を繰り返していく。

 その間、凍太は魔力を一定に保ちづづけている。

 何10回かその工程を繰り返していったところで――――オットーが水の入った桶へ鍛造していた鉄を入れて冷やし、焼き入れを行なった所で、凍太は意識を失い、その場に倒れた。



「んぅ・・・・」

 ベッドの上で目を覚ますと、周りには何人もの顔があった

 あたり一面が白いカーテンで仕切られ、天井には最近導入された発光する魔石で作られた「王国特性の魔石ランプ」が下げられ、光を放っている。

 視界がまだうまく定まらないのか、見えていた顔が再びぼんやりと焦点がずれるのを感じて、目を閉じた。

「気が付いたみたいじゃの」

 近くでランドルフの声が聞こえる。

「凍太殿ー?」

 若干間抜けに聞こえるのは皐月だろうか。

 左側からはヴェロニカの安堵するようなため息が聞こえて

「いやぁ。倒れるとは思わなかったね。無事で良かった」

 最後に聞こえた軽薄そうな声は、オットーのものだった。

 何時間眠っていたのだろう。そして、おそらく工房内で倒れたのだと分かっていた。

(倒れたんだ・・・・)

 魔術を行使している間中、汗は噴き出て、指先どころか、腕の感覚がなくなり、途中から周りの音が聞こえなくなって----シャッターが閉まる様に瞼が閉じていくのを感じたところまでは記憶があるのだが-----

 転生前にも朝の通勤ラッシュで同じようなことが何度かあったが凍太はこの現象を

「ブラックアウト」と名付けていた。


「良かったですって?オットー。あなた自分が何をしでかしたかわかっているの!」

 怒気が入った声で、ヴェロニカがクレームをつけるのが聞こえる。止めようとは思ったが

 まだ、意識がぼんやりとしていてうまく喋れない。

「オイオイ、訓練してくれと言ったのはそっちだろう?ぼくには非はないサ」

「確かに、あなたにお願いしたのは私です。が、相手はまだ子供なのですよ?いきなり、炉の温度管理を任せるなど――――」

「やめんか」

 ランドルフが強めに遮る。

 その声にヴェロニカはもちろん、オットーや皐月も鎮まった。

「とにかく、今は凍太の検査が先じゃ。医療班を呼べい。それとオットーあとでワシの所へ来い。聴取をせねば成らん」

「はい」

 指示がすむと、カーテンが開かれて中に3人の人物が入ってきた。

 皆そろいの白衣姿で2人は男。もう一人は女だ。

 ベッドが折れ曲がる様に腰のあたりから動き、凍太の体が無理なく起こされて、覚醒の魔術が施された。ぼんやりとした視界だったのが、一転はっきりとする。周りがよく見えて確認が出来た。

「どう?わかるかしら?」

 白衣姿の女の方が問うてくる。凍太は声をだして頷いた。

「腕を出して」

 言われるがままに右手を差し出すと、脈拍を測られ、首筋、リンパのあたりをいくつか触診され採血をするというので、おとなしく従った。

 細い管の先に着いた針を腕の血管に刺すと、見る見るうちに赤い血が容器の中にたまっていくのが見える。

 ピストンで抜いているわけではないらしかったが、原理は分からない。

 やがて、採血が終わって、容器の中にたまった血液に何かの液体を1、2滴たらすと

 血液の色が青く変化して、再び元の色に戻った。

「ふむ――――だいぶ魔力濃度が低くなっています。通常ならば紫色なのですが」

 白衣を着た女は、ランドルフに向き告げる。

「もう少し、静養が必要かのう」

「ううん――――出来る。次は倒れないでやり遂げて見せるから、やらせてほしい」

 小さな声でだったが、凍太の口がそう言う。がそれはヴェロニカによって却下された。

「もういいのです。私が間違っていました。新たに講師を選定し、無理のないプランを組みます。ですから――――」

「ここで逃げたら――――僕の負けなんだよ。ヴェロニカさん」

 さえぎるように言う。まだ声はちいさかったが。

「ですが・・・まだ完治しているとは言えません。これは、医療を学んだものの目から見た確かな結果です」

 ヴェロニカは首を振る。どうしても、認める気はないらしい。

「根拠は?・・・」

 理由を聞かねばならない。一方的にリタイア扱いにされそうになっているのは-----我慢が出来なかった。

「根拠ですか・・・では説明しましょう。まず----」

 ヴェロニカが説明を始める。上げられた根拠は次のようなものだった。

 ・魔力の含有量が安全値を超えていないこと(これは採血した血の反応色が紫以下ではいけない)

 ・体力的にも完全に回復しているとは言いがたく、最低でも5日の静養が必要。

 納得できないわけではない。

 出来ないわけではないが、授業に5日も出れないのでは、成長が危ぶまれてしまうとも、凍太は心底思っていた。

 それに、訓練を途中でやめるなど今まで一度もしたことがない。後者は凍太のひそかな自慢だった。最後までどんな結果であれやり遂げる。リタイアはしない。

 転生前の人生でもそれは変わらず守ってきた『掟』だ。それを変えるなど、許せそうもなかった。

「5日も休んでたら、みんなと差がつくばっかりだよ。そんなのは嫌だ」

「なにを言っているのです?差など付いていないと何度も申し上げていますでしょう?」

「差は歴然とある。みんなは制御が出来てる。ぼくはいまみんなの出来ているスタートにも立っていない」

 凍太がうな垂れるが----それを否定したのは皐月だった

「拙者そうは思ってござらん。凍太殿はすこし『奢っている』のではござらんか? 皆と同じ立場に立っていない----などと言うのは、飛んだ思い違いにござる。大体、『蛇の王国』に入学できる規定は『一定の魔術を扱えること』決して、皆が制御を出来るわけではないのですぞ?」

「でも-----」

「さらに言うなら、制御が出来ないから『魔術』コースで学ぶのでござろう? 最初から何もかもが出来ると思っているなど-----拙者には

『片腹痛い』ことにござるよ」

 笑われる。

 そして、正論のようにも聞こえる。

 確かに、『制御ができない』から学ぶのであって、最初からできていれば、学ぶ必要などない。

 凍太が認識していないだけで----制御が苦手な生徒は他にもいるかもしれない。

 それを確認せずに-----自分勝手に『スタートラインにも立っていない』などと言うのは皐月の言う通り、制御が出来ないもの全員を侮辱している。たとえ自覚がなかったとしても。



「さてと・・・・経緯を聞こうかの」

 オットー・マルヴィンは夕刻、ランドルフの研究室へと呼ばれ、質問を受けていた。

 魔石ランプが光り、周りの闇を照らす。が、まだ闇は深い。

 研究室の椅子に座りながら、向き合うオットーとランドルフ。

「つまり、はっぱをかけただけじゃと?」

「はい」

 経緯を聞いて、ランドルフは唸る。確かに方法としては、炉の温度管理は適していると言っていい古来からの方法だった。

 だが、それは、『普通に火の魔術が取り扱うことが出来る』という前提の条件があってこその方法で、オットーもそのことは知っていたという。

 ならばなぜ、この方法を取ったのか。

 その一端となったのは「妬み」と「好奇心」。若くして『王国』に受かった凍太への『妬み』とそれに伴い実力を測ってみたいという『好奇心』から少しきつめにあたったのが原因だという。

「まぁ、今回の事は、双方の行き違いじゃな」

 凍太のがんばらねばならないという心的なプレッシャーとオットーの『妬み』『好奇心』による二重のファクター重なって起きた事件だとランドルフは結論した。

「じゃが、オットーお前はやはり、魔術師としての品性が欠けておる。『妬み』『嫉み』は誰もが持つ。じゃがそれを実行してしまうようでは

 いかん。よって、今日から3日間の謹慎処分とし、同時に凍太の講師から除外する。これはランドルフの名によって決定された事項である。

 了解したら復唱せよ」

「はっ オットー・マルヴィン講師はこれから3日間の謹慎処分を受領し、又、王国生徒 凍太の講師から外れることをお受けいたします!」

「よろしい。さがりなさい」

 静かに告げて、オットーを下がらせる。

 ほんとうであれば、王国の資源を害すること、または私的横領は、理由の如何にかかわらず、減俸と半年の懲罰を受けることになっているが

 今回はランドルフの一存で3日の謹慎処分と凍太の講師から外すという異例の軽い措置で済まされた。

 オットーとしても、この措置の軽さには驚いているだろう。しかし、まだ不服があるようなら、再度嘆願書と言う形をつかって、今度は十人委員会に直接抗議が認められているのも事実だった。

「さての・・・・とはいえ、次の講師を選定せんといかんわなぁ・・・」

 机につっぶして視界を窓の外へと向ける。すでに夜は深く、夜景が際立ってきていた。

「そうじゃ。久しぶりに外で食いながら意見を聞いてみるとするかの」

 そうと決まれば、話は早い。腹もいい具合に減っているし、今日はうまいものでも食いながら周りにそれとなく聞いてみるのもいいだろう。

 ランドルフは研究室をでて、一路、街の歓楽のなかへと消えていくのだった。



 候補に挙がったのは何人かいたが、やはり一番の候補はシシリー・マウセン導師だった。

 魔女の帽子亭で夕食を取りながら店に居た客の片端から、『炎の制御』が得意なやつはだれか? と話しかけ、アンケートを取ってみた所、

 最後まで名前が上がり続けたのが『制御』のシシリー こと シシリー・マウセン導師だった。 

 もうすでにかなりの高齢の筈で、80歳さいは超えているだろうと噂されるシシリー女史だが、その見た目は50~60ほどにしか見えないと噂が立っていたり、炎の制御にかかわらず、すべての魔術の制御に長ける実力を持っているともっぱらの噂だったが、弟子を取っているという噂はとんと聞かないと皆口々に言っていた。

(弟子を取らないということは、金に困っていないか、自分の功績を他人に伝えるべきではないと思っているのかの――――あのババアは)

 ランドルフはカウンターで葡萄酒を飲みながら、一人考えを巡らせる。

 シシリーはランドルフとも旧知の中で、今でもたまに茶を飲んだりはする中だった。が考えてみればそれほどつっこんで考えたことはない。

 弟子を取っているのか?などと言う話題は話題にも上がらず、たまにシシリーから「面白い事」はないかと聞かれて、「ない」と答えるのが

 常だった。ランドルフ自身が凍太の制御を見てやるという選択肢もあるが、学会やその他の雑務に追われて、午前中の2時間ほどしか空いた時間はないのが実情なので、今は各基本の魔術ごとに振り分けている。

 それに、ガラではない。とも思う。自分は元来、教えるなどと言うガラではないし、決して面倒見のいい方でもない。と理解していた。

『闘仙』雪乃のように孫をあのレベルまで育て上げるなど、自分であれば無理だし、御免だとも思う。

「シシリーかぁ・・・ひさしぶりに会って見るかの・・・」

 呟いてみる。

 誰も聞いてはいない店内でランドルフの声は虚空に消えた。



「まぁ。あなたが来るなんて何年ぶりかしらね?ドルフ?」

 仇名で呼ばれる。声の主は研究室の本の後ろからひょこりと顔を上げて見せた。

「久しいの。マウセン」

「あら、マウセンだなんて呼び方嫌いだわ。シシリーって呼びなさいよ?」

 よっこいしょと腰を上げて自分の机から立つシシリーは案外にお茶目なしぐさでランドルフにゆっくりと近づいてくると、中へと招き入れた。

「ここは、いつ来ても本ばっかじゃの」

「いいじゃない。落ち着くのよ?」

 ふふんと鼻歌を歌いながら、ぱちんと指を鳴らす----と机の上が整い始め、あっという間に綺麗になった。

(空気の層を作って、本を浮かせて、本棚まで空気の道を作って、やれやれ、制御に関してはやはりコイツの他はおらんな)

 ランドルフは満足そうにあごひげを弄りながら、笑っていた。

「やぁねぇ。何か嬉しいことでもあったの?」

「いや。いささかも衰えておらんようじゃと感心したんじゃよ」

 本心からの言葉だった。

「あら、嬉しいこと」

 シシリーもにっこりとしながら、今度は左の手で戸棚を指し示すと手を返すようにして机の方向へと向ける。

 すると、まるで、そこに道があるかのようにティーカップが戸棚から机までをすべる様に移動する。

 これも、先ほどの構成と似た空間系魔術の一種だとランドルフは読み取る。

「さぁ、お茶にしましょ。話は飲みながら聞くわ」

 シシリーは何でもお見通しだと言わんばかりに、意地悪く笑って見せた。


「ふぅん。それで、オットーの代わりで私に凍太ちゃんを見てほしいっていうのね?」

「そうじゃ」

「まぁ、変わった構成を組む子ではあるのはこないだ見てわかってるけど・・・・魔痛症だったなんて。悪いことをしたかしらねぇ」

 カップを両手で持ったまま----シシリーは一人ごちた。

 もし、この間の講義で魔通症だと知っていたなら、もう少し手心ある注意が出来たかもしれないと思う。

 魔痛症の痛みは大人でも、キツイと言うのに、子供の身で必死にそれに耐えて講義を受けたのだとすると-----

「よっぽど我慢強いのかしらね」

 シシリーはそう結論するに至った。

「あの子は『闘仙娘娘』の孫じゃ。よっぽど厳しく育てられたに違いない」

 虚空を見ながら渋い顔で、ランドルフが呟くのを見ながら、シシリーは『闘仙』雪乃の事を思い出した。

(魔術をほとんど使わず、己の体のみで多くの敵を打ち倒す『人でなし』。あの子が聞いたらきっと怒るに違いないけれど・・・)

 いまでも、鬼神族オーガーを鉄扇と素手のみで打ち倒す光景を思い出すたび、怖気おぞけが走る。

 その雪乃に育てられた孫の凍太がいま、制御が出来ないで苦しんでいる。

(幾度も、雪乃には助けてもらいましたし。まぁ、今度は恩返しをする番ですかね。とはいえ)

 制御は時間がかかるのも事実。すぐには見に着くものではない事も――――

二人には分かっていた。

「ドルフ」

「なんじゃ?」

「あの子を教えてもいいけど…一つ条件があるわ」

「いってみい」

「私ね。あの子の家族になってあげたいのよ」

 意味が分からない。もともと、不思議系の性格をしていたが、とうとう耄碌もうろくしたのかと思った

「なにをいって――――」

「まだあの子は7歳じゃないの。それなのに親元から離されて、きっと寂しい筈よ?そう思わない?」

「まぁのぅ」

 分からないでもない。

「だからね。私が一緒に住んで、基礎からやさしく制御を教えてあげようと思うのよ。いい考えでしょう?」

 うふふとシシリーが笑う。きっと思い付きのみで行っているのではない。何か裏があるとはおもったが。ランドルフの不安は消えなかった。

「一緒に住むというても、ヴェロニカも一緒についてくるのじゃが・・・・」

「ヴェロニカももちろん一緒よ。家族は多いほうがいいもの」

 シシリーはさも面白そうに笑う。

「まさか、孫が持てるなんて思わなかったわー。長い気はするもんねぇ」

 にこにことあれこれ思案しながら、凍太との生活を勝手に計画し始めるシシリーを横目でみながら

(だめじゃ・・・・こりゃあもう一種に住まわせるしかないの・・・)

 そう思う。

 ランドルフは暴走したシシリーを止めることが高い代償が付くと身をもってしっている。

 こう見えてもシシリーは教師の上のクラスである『導師』としての実力の持ち主。むろんランドルフが本気で止めようとすれば止まるかもしれないが、シシリーを凍太の講師として当てがえなくなれば、結局苦労するのはランドルフ本人であることは自信がよく知っている。その為、あえて、ここはシシリーの要求を呑むことにする。

「まぁ、仕方ないの。部屋はどうする?」

「街の中にある、私の家でいいわ。空き部屋もあるし」

 あきれ半分、もうどうにでもなれと言う気持ち半分でランドルフは事の成り行きを見守る。

 ここまで言ってしまえば――――もう修正は効きそうになかった。

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