MIDDLE PHASE

◆Middle01◆再びゲームは始まった

 生徒会長、五行清秋を攻略するために、なにをすべきか―――。

 四人+ひとりは一堂に会して悪巧みを始めた。

 いや、悪巧みではない……彼らが前に進むために大事なことなのだ。


GM:ミドルフェイズに入ろう。舞台は寮の一室で、全員登場だ。みんなは、第四学生寮で男女別々にふた部屋が割り当てられている。今はそのどちらかの一室に集まっている状態だ。

菫:みんなが合流したってことですね?

GM:うん。アーシアン組は先ほどの生徒会長とのやりとりで、怒り心頭のまま戻ってきたところだ。

クロウ:じゃあ男性用の部屋に集まっているということにしようか。

ルイン:OK。では、情報の共有を行なおう。

菫:じゃあ、まずルインさんに謝ります。ごめんなさい。わたしたちのために、ブラックロータスをクビになってしまったみたいで……。

ルイン:く、クビではないっ! これは、そうあれだ……出向だ……っ!(笑)

クロウ:必死に取り繕っているな(笑)。

ルイン:ふ、古巣に未練はない。ほ、ほら! 我々はナイトメアモードをともに生き残った仲じゃないか。信頼できるのは、ともに死線をくぐり抜けてきたこの仲間たちだけ!

菫:ル、ルインさん、ありがとうございます!

フジヤマ:なんか、無理してる感じがひしひし伝わってきマスよ。

GM:「よく言ったわ!」“ダン!” エレイン先生が勢いよくドアを開けて登場した。

菫:先生っ!?

GM:その左腕には大きな袋を抱え、右手には缶ビール。彼女は、ずかずかと部屋に上がり込むとどかっと座り……“ぷしゅっ!” 真っ赤な顔のまま、缶を開けた。

一同:酔っ払ってる―――っ!?

フジヤマ:なぜエリンディルに、プルトップ式の缶ビールがっ!?

GM:「現代地球人と一緒に転移してきたのか、地球産の物資がしばしば売店に流れるのよ。これが飲めるから、大学を辞められないのね―――っ! ひっく」

クロウ:ひっくじゃなくてっ!(笑)

菫:せ、先生! 性格が変わりすぎっ! さっきまでのふんわかした雰囲気はどこに!

GM:「だって、就業時間も終わったし。あ、あんたたちにお土産もあるわよ」そう言いながら、袋からレトルトカレーのパウチを取り出した。

菫:現代食だ! うれしい♪

クロウ:俺たちの世界の味はありがたい……ってそんなことより! 俺は話が聞きたい! なお、ルインがトイレで中座したタイミングで話を切り出したいんだが!(笑)

ルイン:では中座しよう。うむ、突然であるがトイレに行きたくなった。

クロウ:ありがとう(笑)。で、先生に相談したいことがある。

GM:「相談? 生徒会長を陥れる方法?」彼女は赤ら顔でご機嫌だ。フジヤマが開けっ放しのドアの方を見ると、廊下には空のビール缶がてんてんと……。

フジヤマ:ホントただの酔っ払いじゃないデスかっ!? 最悪デェス!(笑)

クロウ:陥れるというと過激だが……まあ、生徒会長を説得する方法を考えてみた。あの生徒会長、ガートルードさん気があるみたいじゃないか。

菫:そうなのかな?

クロウ:ある! これは確信に近い!(笑) 彼女を餌にして、生徒会長とふたりきりにし、尻尾を出してもらったところに俺らが颯爽と踏み込み、言質を取る。これでどうだろう。

フジヤマ:美人局っ!?

菫:そんなにゲスなことを考えていたのっ!?

クロウ:作戦にゲスもなにもない! だが、それを実行するにも情報が必要だ。そう……エレイン先生に聞きたいのは、奴の個人的な情報を持っていそうな人物についてだ。

ルイン:えっと……そろそろトイレから戻ってきたことにしていいかな?(笑)

クロウ:ああ、ごめん! ははは、ずいぶんと長いトイレだったな!(笑) とりあえず、生徒会長の個人的な情報を持っている人物を先生に聞いているところだ。

GM:「さっきも少し話したけど、彼と親しい人は、ふたり。生徒会の副会長のヒルダ・ユンカースと、第一学生寮の寮長馬場豪一郎くんね。寮長は生徒会長と同室の子よ」

クロウ:ふたりしかいないのか。

GM:「みたいねー。生徒会長は自分の責務をまっとうすべく、あまり多くの生徒に感情移入しないようにしているそうよ」なお、副会長はセミショートで理知的な眼鏡の女の子。第一寮長は無骨で大柄なスポーツマンだ。

菫:……親しい人がいるなら、五行さんにも優しいところもあるかも。わたしは、副会長のヒルダさんに会いに行って、話を聞きたいな。

クロウ:結城さんの真摯な意見に対して、自分のゲスっぷりを認識しつつ……別に、好きにすればいいんじゃないの、とそっけなく言おう。

菫:ごめんね! クロウくんの意見を否定しているわけじゃないんだけど!

クロウ:別に、気にしていない。手は尽くしておいて損はない、と思ってるだけだ。

菫:……うん。

フジヤマ:クロウさん……不器用な人デスねぇ(笑)。

クロウ:そういえば、例のダンジョンの設定を変える権限を持っているのは、生徒会長だけってのは、みんなが知っていることなの?

GM:「それは周知の事実ねー。もっとも、理事長あたりが強権でも発動すれば別だけど」

クロウ:(少し考えて)……ふむ。世間的に見ても、まず奴が怪しい立場ではあるのか。

フジヤマ:なにか、他に情報収集する方法はありまセンかね?

GM:ある。学園内の四方山話が書き込まれるネットワーク上の掲示板……学校のBBSで情報を得られる。全員、学校の生徒ゆえ、IDをもらっているからアクセスできるよ。

菫:なるほど。……手分けして調査するのがいいかな?

GM:そこは任せる(笑)。それぞれ……以下の判定で処理しよう。


副会長から話を聞く :難易度10/【精神】判定

第一寮長から話を聞く :難易度10/【筋力】判定

ガートルードと交渉する :難易度10/【知力】判定

BBSをチェックする :難易度10/【幸運】判定


GM:副会長は口が堅くて根比べになるから【精神】判定。ガートルードは口で丸め込むことになるから【知力】判定。第一寮長はスポーツマンだから【筋力】判定。学園BBSは膨大なデータから必要な情報を見つけ出せるかだから【幸運】判定だ。

クロウ:もし、生徒会長の部屋に忍び込みたいっていったら、どうする?

GM:別にシーンを設け、忍び込むための【敏捷】判定……かな。

クロウ:まあ、今はやれることが多いし、そこまでしなくてもいいか。……とりあえず、能力値的に、第一寮長に会いに行くのは結城さんでいい?

菫:うん。クロウくんはガートルードさんに会いに行って! 脈があるのなら!(笑)

クロウ:わかった。ただ、あまり生徒会長の情報は得られないだろうけど。

菫:重要な情報を持ってそうなのは、副会長のヒルダさんだよね。どうしよう?

フジヤマ:【精神】判定は苦手なので、ミーとルインさんのふたりがかりで挑みマショウ。

クロウ:そうだな。学校のBBSに関しては一旦保留しておこう。

菫:じゃあ、情報収集は明日の朝からってことで、今夜は解散……かな?

フジヤマ:先生は?

GM:「くかー」安らかに眠っている。

フジヤマ:先生―――っ! 生徒の部屋で寝落ちしないで―――っ!?(笑)

GM:では、オチもついたところでシーンは終了しよう!

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