MIDDLE PHASE
◆Middle01◆ルイン、人との繋がりを知る
それはあまりに残酷な仕打ちだった。
思案に暮れて、しかし解決策がないことも理解している。
そんな時、ルインの眼前に一筋の光明が差した。
GM:ここからミドルフェイスに入るのだが……さて、どうしようかな。ルインのシーンが妙な流れになってしまった。ほんとはエネミー狩りに出かけた先で他のPCとの合流を考えていたんだが……(笑)。
フジヤマ:くくく、ではここでミーがあぶれたルインの救世主になるのデス。
GM:では、フジヤマの視点で始めようか。キミは、食堂で聞いた話を元にアイドル服のアーシアンを探すべく、準備を整え終わった。だが、気になるのはフォモールの集団がいたというその事実。ひとりでは、あまりにも危険だ。
フジヤマ:オウ、実に危険デス! どこかにあぶれ……ちがう、ミーに同行してくれる者はいないものか!
ルイン:…………く。
フジヤマ:では、ミーは「ゲイシャ、ゲイシャ!」と、声を上げながら校舎を出ようとすると……(笑)。
GM:うん、校門のところで、ひとり黄昏れているルインの姿を見かけた。
フジヤマ:おお、あれはルインさん! PC間コネの結果、彼には借りがあるので、いつかそれを返さねばならないと思っていたところ! おお、ルインさん、どうしまシタか!
ルイン:お、おお! キミはフジヤマ君!
GM:なんだ、この三文芝居……(笑)。
フジヤマ:ふうむ、その表情。なにか困ったことがおありのようデスね?
ルイン:そ、それは、ちょ、ちょっと……語りづらいのだが……かくかくしかじか……。
フジヤマ:……ほう、なるほどなるほど。あぶれてしまったのですか。それは残酷なストーリー。しかし、実はミーも困っていまシテね?
ルイン:なにを困っているんだね、フジヤマ君。
フジヤマ:いえね? 実は今、山で遭難したゲイシャガールがフォモールの集団に拉致されたという情報を得て、それを探しに行くところで。街からも捜索隊が出るだろうが……。
ルイン:(わざとらしい声で目を見開いて)……ほほうっ、フォモール! それは実にいかん話だ! よし、同行しよう。
菫:いいのっ!?(笑) 武闘大会はっ!?
ルイン:そんなことを言っている場合ではない!(くわっ) フォモールは悪い奴じゃないか! ここで見捨てることができるものか!
フジヤマ:ミーも対集団戦は不得意ではないですが、防御には不安がありマス。ましてや、ゲイシャガールが傷ついていた場合、メディックは必要……。
ルイン:回復ならば、得意だ!
フジヤマ:すばらしいっ! ミーは仲間を得て、ルインさんはゲイシャ救出という大義があれば「あぶれちゃった事実」を隠蔽可能! 面目が立ちマス!
ルイン:フジヤマを殴ります。
フジヤマ:おげらばっ!?
ルイン:いいか、フジヤマ君。私はフォモールを倒し、ゲイシャとやらを救出したい。純粋にそう思っているのだ。そこを間違えてはいけない。
フジヤマ:心の底から賛同していマス。
GM:(笑いをこらえながら)……というわけで、時刻は夕刻六時。街の門を出ようとしたキミたちは、集結を終えたブラックロータスのメンバーとばったり出会った。「……あれ?
ルイン君? ええと、そちらの方は?」甲冑を纏ったガートルードが馬上から尋ねた。
ルイン:この人は、フジヤマ・グレイス。もうしわけありません、ガートルード様。私は、かくかくしかじかというわけで、このフジヤマを助けるべく、同行することに相成りました。今回のギルド戦は不参加の方向でお考えいただきたく…………いえ、決してチームが組めなかったわけではないのです、ふふふ。
菫:ルイン君……(笑)。
GM:メンバーの中には、あからさまに皮肉を言う者もいる。「……なるほど、ルイン君。キミに相応しい相手がギルドの外にいた、ということだな」
ルイン:眼鏡をくいっとあげる。……ああ、キミたちよりは頼りになる。
GM:「なにっ!?」ルインの言葉に、数人が殺気立つが……ガートルードが意識せずに遮った。「……すばらしいわ、ルイン君。どんな人とでも仲良くなれる。それはすばらしいこと。ギルド戦のことは了承、がんばってきてね! じゃあ、行くわよ、みんな!」「……はいっ!」彼らは馬で一斉に駆けだしていった。
ルイン:……………………なんだろう、この疎外感。
フジヤマ:ぽん、と肩を叩く。笑顔で。言葉はいらない。
GM:では、最後にキミたちがとぼとぼと出立したところで、シーンを終了しよう(笑)。
ルイン:しくしくしく。
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