夏休みなのに三次元女子と出掛けるなんて嫌だ!

「いってきまーす」

「すぐ帰ってくるからまっててね俺の天使達......はぁ......」

「どうしたの?ため息なんてついて!」

「お前のせいだろ!」

あの後、ポスターの美少女達の解説させられたんだぞ!?「あんまり可愛くないね」って言われた時はどうしてやろうかと思ったわ!

「おはようございますたかし様」

「おお由依音か......」

「ちょ、オタかし君いつの間に由依音ちゃんと仲良くなってるの!?」

「仲良くなったわけじゃない!ただ昨日一緒にゲームをしただけだ!」

「その時点でもう仲良くなってるじゃん......」

伊奈日がため息をついたと同時に306号室の扉が開いた。

「ちょっとー!?朝からうっさい!......ってあんたは昨日の!」

昨日?この話し方、この声どこかで聞いたような......あ!

「お、お前は昨日俺が論破した三次元女子......!」

由依音が言ってたもう一人のお方ってこいつかよ!

「まだ三次元女子とかいってんの?いい?私の名前は美濃優利枝!覚えておきなさい!」

「興味ないが一応覚えといてやろう!」

確かこいつが由依音にマリシス教えたんだよな。今度こいつともマリシスをやってこいつが取ろうとしたキノコを奪って「残念だったな美濃優利枝!」とバカにしたい!

「ほんと上から目線だよねあんた」

「お前だって人の事言えないだろ!」

こうゆう性格のやつはギャルゲーでは基本、ツンデレとして設定されている。普段は「きっも!」と言っているが二人っきりになると「別にあんたの事嫌いじゃないし......」と言ってデレる。なんと素晴らしいことか!

だが、こいつにツンデレ要素が含まれているとは思えない!

「ちょっと二人とも早くしないと遅刻しちゃうよ!由依音ちゃん先いっちゃったよ!」

「ちょっ、由依音待って!......ったくあんたのせいなんだから!」

「は?お前のせいだろ三次元女子が!」

「お願いだから仲良くしてー!」


「どうしてこうなった......」

「私が知りたいわよ!」

俺と美濃優利枝は今、クラスのゴミ出しに行っている。結局あの後俺と美濃優利枝の言い争いは続いてしまい、伊奈日に置いてきぼりにされたのだ!それで遅刻し、ゴミ出しをやらされているというわけだ!

「私早く帰りたいんだけど!」

「俺もだ!新刊のラノベ売り切れてないといいが......」

発売初日に売り切れなんて大袈裟だと思った奴!

あまい、あまいぞ!

「ある日突然俺の日常がラブコメゲームになったんだが(俺トツ」は本当に発売初日に売り切れてしまうのだ!他のは売り切れ自体ないが俺トツは話が別だ。それに今回は短編集!キャラクター一人一人の物語が書かれていて、とても貴重なのだ!

「ラノベってあんたが今日の放課とかにずっと読んでたやつ?」

「ああそうだ!読みたいなら貸してやるぞ」

「は?私そんなのより携帯小説の方が好きなんですけど!」

「ふっ......あの恋愛脳どもの好きなあれか」

携帯小説=リア充で、ラノベ=オタクっていう固定概念あるよなぁ......。

リア充でもラノベ読んでる奴はいるが、そうゆう奴は誰にもばれないように読んでいるからな!ラノベ読んでるのリア充仲間にばれたら「それオタクが読むやつでしょ?なんで読んでるの?」と言われかねないからな!

「またそうやってばかにして!......こうなったら私があんたを変えてあげる!」

「は?どういう意味だよ」

「私があんたに現実の女の子を好きになれるようにしてあげるっていってんの!」

「残念だったな!こうなった俺を変える事など無理だ!逆に俺がお前をこちらの世界に引きずりこんでやろうか!」

「できるもんならやってみなさい!」 

「お前こそ!」

こんな三次元女子、一週間もあれば余裕で引きずりこめるわ!


そう思ってた俺がばかだった。

なんだよあいつ!まったく興味示さないし、それどころか「こんなのより私の方が可愛いっしょ」とか言いあがるんだぞ!

とゆうかあいつ、俺の事変えるとかいってたのになんもしてこねえな......。ん?それって......

「逃げ上がったな三次元女子が!俺の勝ちだ!はははははは!」

「ちょっとオタかし君うるさい......。せっかく夏休みに入ったんだから、ゆっくり寝させて......」

隣の部屋から壁を叩く音がした。てかどんなけ壁薄いんだよ!壁あってもなくてよ変わんないじゃんこれ!

けど、まあとにかく!

「二ヶ月の夏休み楽しむぞ!!」

「だからうるさい!」

さっきよりも強く壁を叩く音がした。

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オタク男子は三次元女子が嫌い イトU @kaito110

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