第四の壁

どこにでも存在し、どこにもいない吸血鬼

「ハイハイどうも皆さんこんにちは。ワタクシ、ちょっと小粋な吸血紳士その名を『霧の男爵フォグ・バロン』と申します。全身赤のコーディネート、素敵なシルクハットの似合う十三真祖の末席です。

何だかお久しぶりに感じますねぇ。え? あぁ、いえいえ話です。

それにしても大変な事になっていますねぇ彼。坂之上雲君。

かつては普通の少年でありながら、世に蔓延したウィルスによって世界は吸血鬼に覆われ、友と恋人を失う。復讐の徒『流血鬼』となった彼は吸血鬼を殺し回り、ついには残り13人にまで追い詰めた。

しかし吸血鬼達は異世界に逃れ、彼もまたそれを追って『極夜の国』へ降り立ちます。

第十一真祖グレゴリー・ピスケス・リッチモンドに襲われる森舞姫さんを助け、魔導機甲兵団へと向かう彼ら。

そこでは兵団本部を壊滅させた『殺人鬼』が猛威を振るっており、同じく魔導機甲訓練兵の重松エイジ君、夏目三四郎君、そしてブラム・ヘルシング教官と共に辛くもこれを撃退。

支部へと撤退を余儀なくされる彼らの前に、グールの群れと『幽鬼ゴースト』が立ちはだかります。

三四郎君の想い人であるアリス・キャロスさんが幽鬼に捕らえられ、精神干渉攻撃によって過去のトラウマをえぐられる若き兵士達。しかしそれを乗り越えた坂之上君と夏目君の活躍によって、ついには支部へと辿り着きます。

やがて兵団支部の変わり者、川端踊子さんとも交流を始めますが、平穏な日々は長くは続きません。

支部を強襲した第七真祖・ルリリカ・カプリコン・バートリーによって数多の犠牲者が出てしまいます。

しかしこれも連携と川端さんのドリルによって撃破。あと一歩の所で第一真祖のヴァン・ヴァルゴ・ヴラドによって取り逃がしてしまうものの、人類が公式な記録で化物に勝った歴史的な一件となりました。

さぁさぁそして物語は佳境へと進みます。

化物の種別を越えて同盟を結んだ第三真祖の座頭院・サジタリウス・左衛門玄山。欧殺蓮華。そして幽鬼のチャンネルメーカー。彼らはいよいよ人間との決着を付けるべく動き出したようです。

儚き人間達はこの戦いにも勝つ事ができるのか? 坂之上雲という流血鬼は、全ての闇を取り払う事ができるのか?

『物語』は星の数ほど。『可能性』は無限にあります。これから皆さんが目撃するのは、その数多ある世界の1つに過ぎません。

それでは私もそろそろ舞台に戻るとしましょう。……あれ? 嘘? 私の出番ってこれで終わりですか? クランクアップ? 勘弁してくださいよ……。


……おっとスイマセン。少々水を差しすぎましたかね。どうかご容赦を。私はあらゆる国・時代・世界に出現する『霧の男爵』なものですから。

それでは皆さん御機嫌よう。引き続きお楽しみ下さい。いつかまた別の世界で出逢う事もあるでしょう。あるいは『貴方の世界』でお会いするかもしれません。

赤い服の紳士を見かけたら、一声かけてみて下さいね」

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